【例あり】ASDにおける感覚探求とは?

DSM-5

この記事は、自閉症スペクトラム(以下,ASD)の特性である「感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ」のうち、「感覚探求」についてまとめておきたいと思います(^ω^)

  • 感覚探求ってなに?
  • 感覚探求の具体例は?

こんな疑問がある方はぜひご覧ください(^^ゞ

結論~感覚探求とは?~

感覚探求とは、「自分を落ち着かせたり満足させるために、特定の感覚を強く求める行動のこと」だと考えられます。

感覚探求では、特定の感覚に関する経験を強く望んだり、没頭したりする。例えば、自分の指のにおいを繰り返し嗅いだり、食べ物でないものを繰り返し口に入れたりする。

(引用:自閉スペクトラム症の感覚の特徴,p370,右列,15-18行目)

もう1つぐらいは、定義をのせておきます

「感覚探求:自己を安定させるため,特定の感覚を必要とする状態.多くの場合は,感覚を求める行動を見られる.高い神経学的閾値を満たす刺激を求める能動的な行動としてあらわれる」

(引用:自閉症スペクトラム障害児の感覚特性に着目した家族支援,p20,左列,2段落,4-7行目)

そして、感覚探求の具体例を図に集約したのが↓↓こちら。

前提

まず、前提ですが、「感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ」はDSM-5における、自閉症スペクトラムの診断基準の1つである、「限定された反復的な行動」の下位分類の1つとして位置づけられています。

そして、「感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ」は3つに分類されますが、そのうちの1つに「感覚探求」があります。

↓↓こちらの赤枠の部分の話がメインです(^ω^

では、以上を踏まえて、感覚探求の具体例をみていきます。

視覚探求の具体例は?

視覚探求の具体例には、以下のようなものが挙げられます。

・玩具の車のタイヤなどを回して横目でみる(視覚)

(引用:自閉スペクトラム症のリハビリテーション―感覚処理障害に対する理解と支援―,p1028【表 1 感覚処理障害の行動反応例】より)

他にも、↓↓こんな例があります。

  • 扇風機の羽根を見続ける:扇風機が回る様子を近くで凝視する。
  • ビーズや砂を落とす動きを見る:砂時計や砂場で砂が流れる様子を観察するのを好む。

子供の例が多いですが、大人だと、撮り鉄やゲームにはまり込むのも一つの視覚探求かもしれません。

音に関する探求の具体例は?

聴覚探求の具体例には、以下のようなものが挙げられます。

「変な音を好んだり、その音を出そうとしたりする」(感覚探求)

(引用:自閉スペクトラム症の感覚の特徴,p373,左列,下から,7-6行目)

他にも、↓↓こんな例があります。

  • フォークをこすり金属音を楽しむ。
  • 自分でうなり声を出し、それを繰り返す。

駅にあきらかに障害を抱えている人が、発狂したりしてることあったりますよね?

あーいうのも聴覚探求の1つなのかもしれません。

触覚探求の具体例は?

触覚探求の具体例には、以下のようなものが挙げられます。

「ベッドをかじっては、歯に当たる木の感触を楽しんだりもした」

(引用:自閉症スペクトラム障害児の感覚特性に着目した家族支援,p20,【表2 感覚・Dunnの4象限の分類表】)

もう1つ。

人や物を過度に触りたがる(触覚)

(引用:自閉スペクトラム症のリハビリテーション―感覚処理障害に対する理解と支援―,p1028【表 1 感覚処理障害の行動反応例】より)

物に関してはわりとみかける気がします。

  • 柔らかいものを触る:毛布、ぬいぐるみ、スポンジなどをずっと触り続ける。
  • 爪や肌をやたらとこする:不安を感じた時に、なだめ行動として強くでたりします
  • ボタンやスイッチを押し続ける:エレベーターのボタンやリモコンのスイッチを何度も触りたい。これは、音にの探求が含まれていることも考えられます。

また、人への過度な接触の場合、他害になる可能性や、異性に対してはセクハラということにもなりかねないので注意が必要ですね( ゚Д゚)

ニオイに関する探究の具体例は?

ニオイに関する探求の具体例には、以下のようなものが挙げられます。

過度に人や物のにおいを嗅ぎたがる(嗅覚)

(引用:自閉スペクトラム症のリハビリテーション―感覚処理障害に対する理解と支援―,p1028【表 1 感覚処理障害の行動反応例】より)

物に関しては、以下のような例があります。

  • 食品のにおいを嗅ぎ続ける:食べる前に何度も嗅ぎ直したり、食べ物を目の前でくんくん嗅ぐ。
  • 化学的なにおいを好む:洗剤、マーカー、消毒液などのにおいを嗅ぎ続ける。

これも人に関しては、服や髪のニオイが好きで、他人に近づきすぎると、変態扱いされていまいますので、注意が必要ですね。

最近、スメハラのニュースがありましたけど、もしかしたら、発達傾向のある方もいるのかもしれませんね。

味に関する探究の具体例は?

味に関する探求の具体例には、以下のようなものが挙げられます。

  • 食べ物でないものを口に入れる:紙、ゴム、粘土、布、石など、非食品を繰り返し口に入れる(異食症)。
  • 特定の味を作り出す行動:例えば、指を舐める、髪を口に入れる、物を噛むことで味覚を得ようとする。

重度だと、糞便でも食べてしまうケースなどもあるようですね。

抵抗のない人だと、衝撃が大きいかもしれません。

そういうこともあると知っておくのは心の準備になるでしょう。

まとめ

さて、いかがでしたでしょうか?

最後に、本記事の内容をふりかえっておわかれです(^^)/

  • 感覚探求とは、特定の感覚を強く求める行動のこと。
  • 視覚探求には、「撮り鉄」や「ゲームへの没頭」などがある。
  • 音の探求には、「金属音を好む」や「発狂して音をだす」などがある。
  • 触覚探求には、「ぬいぐるみを好む」や「他者への過度な接触」がある。
  • ニオイの探求には、人間関係の形成という点で問題が生じる可能性がある。
  • 味の探求には、「異物を口に入れる」ことがある。

ということなんですね~

それではまた♪

参考

臨床心理士資格試験でも「ASD」は出題されています

ということで、臨床心理士試験を受験される方は以下のページも参考にしてみてください!(^^)!

それではまた♪

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