この記事では、ADHDの主症状の1つである「持続的注意(じぞくてきちゅうい)の弱さ」について、一緒に考えていきましょう(^ω^)
↓↓こんな疑問をお持ちの方はぜひご覧ください
- 「持続的注意」って、一体どんな力のこと?
- 普段の生活で、私たちはいつこれを使っているの?
- この力が弱いと、どんな困ったことが起きるんだろう?
この記事では、これらの疑問に、誰にでも分かりやすくお答えしていきます!(^^)!
結論~持続的注意とは?~
まずは「持続的注意」とは何か、シンプルにお伝えします。
これは、「ひとつのことに、途中で気が散ったりせず、じっと集中し続ける力」のことです。
例えるなら、目標に向かって走り続ける「心のスタミナ」のようなものです。
この力があるからこそ、私たちは様々な作業を途中で投げ出さずに続けることができると考えられます。
「書類整理やタイプなどの事務作業を例にすると,注意集中を妨害するような要因がない静かな環境で一定時間集中して作業を継続することが持続性注意である。最も低次で基本的な注意といえる」
(引用:注意障害の臨床,p76,3-6行目)
持続的注意の具体例は?
「ひとつのことに、途中で気が散ったりせず、じっと集中し続ける力」と言われても、まだピンとこないかもしれません。
ですが、実は我々の日常に、この「持続的注意」はたくさん隠れています。

具体例①~運転~
車の運転中、ずっと前を見て信号や周りの車に気を配り続ける時 高速道路で長時間運転する時、景色は単調でも、事故を起こさないように、あるいは道を間違えないように、ずっと注意を保ちますよね。
「運転中に道路端の看板に興味を惹かれたり、風景に見とれてはいけませんね。不必要な情報を抑制し、必要なことに注意を分配しつつ、分配割合を適時変化させ(分割・転換)、注意を集中し続ける(持続)ことが必要です。
(引用:注意障害と認知症,p47,左列,下から4行目から右列1行目)
なので、事故起こしがちとか、迷子になりがちなエピソードがある場合は注意です。
具体例②~授業や会議に集中できない~
大学のオンライン講義やゼミで、先生の話を途切れずに聞き続ける時 面白い話ならあっという間かもしれませんが、少し苦手な分野の講義でも、最後まで内容を理解しようと耳を傾けるのは、まさにこの「持続的注意」のおかげです。
「注意を持続させることが苦手になると、具体的には、飽きやすくなったり、きょろきょろして落ち着かなくなったり、作業をしてもすぐに隣の人に話し始めて手が止まってしまうようになります」
(引用:しずく石の風、第 17回 注意障害のトレーニング① 持続性注意(集中力),2-4行目)
なので、トイレで離席が多かったり、ちゃんと聞いてるようで、全然頭に入ってないようなエピソードがある場合は注意です。
具体例③~日常生活での物忘れ~
「鍵をかけ忘れる」「鍋を火にかけたまま別のことを始めてしまう」「エアコンをつけっぱなしにして外出」といったことなども、持続的注意の欠如と考えられます。
アルツハイマー型認知症の人が、ドアを閉め忘れる、水道栓を閉め忘れる、トイレを流し忘れるなど、「〇〇し忘れる」症状も不注意、つまり注意障害の現れだといいます。一つの行動をしているときに注意が持続せず、注意が別の対象に移ってしまうという注意の持続障害によって「〇〇し忘れる」が生じます。油断すると忘れるけど、医師の前などで緊張すると忘れずにちゃんとできるというのは、注意障害の特徴です。
(引用:注意障害と認知症,p52,左列,2)アルツハイマー型認知症の注意障害,2段落,1-9行目)
この引用は、アルツハイマーの論文ですが、注意の障害という点では共通する部分だと考えられます。
具体例④~”真似するが苦手~
料理のレシピ動画をちゃんと観たつもりでも、自分やろうとすると手順を忘れる。
先輩の手本をみせてもらったけど、自分でやると手順を忘れるなどです。
観察学習は手本観察を通じて自身の運動をシミュレーションし,その運動を保持する。このため,手本の運動に持続的な注意を払いながら観察することが必要となる。
(引用:観察学習効果におけるワーキングメモリを要する持続的な注意機能の影響,【はじめに,目的】,3-5行目)
動作模倣とか、単体の動きはできるけど、連続動作模倣だと、なんかできない場合とかは、もしかしたら持続的注意の弱さが関係しているかもしれませんね。
ADHDの不注意傾向における全体的な位置づけ
ちなみに、ADHDの不注意症状としては以下の通りですが、ほぼ全部に関連があると考えられます。

そして、注意機能という視点でみると、以下の通りですね。
選択的注意については別記事にて扱っているのでそちらをご参照ください。

まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
最後に、本記事の内容を振り返っておわかれです(^^)/
- 持続性注意とは、目標に向かって走り続ける「心のスタミナ」のようなもの
- 私たちは、運転や読書、会話や家事などにおいても持続性注意を発揮している
- そのため、持続性注意が弱いと、事故や道に迷う、本の内容が頭に入らないなどのことが起きる
ということなんですね~
それではまた♪


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