共分散構造分析のやり方〜理論式に解を代入してみよう〜

心理統計法

この記事は、心理系大学院生を対象とした統計法の学習ページです。

  • 共分散構造分析ってなに?
  • 「共分散構造」については勉強したけどよくわからない

こんな悩みや疑問がある方はご参考ください( ˘ω˘)

「解を代入した共分散構造」とは?

結論から言うと、これは理論値を意味しています。

ここまでの内容で、パス解析には「共分散構造分析」なる手法が用いられることがわかりました。

そして、共分散構造分析の際には・・・

  1. 標本共分散行列
  2. 共分散構造

の2つの情報が必要であることがわかりました。

このうち「2」の共分散構造は、「文字列であらわされる、理論式」でした。

そして、この共分散構造に、パス解析によって求められた値を代入することによって得られた解による表のことを、「解を代入した共分散構造」ということになります。

つまり、標本共分散行列が「データに基づく共分散」であるのに対して、「解を代入した共分散構造=理論式に従って算出された共分散」ということになるのです。

具体的に考えてみましょう

とはいえ、この説明だけでわかる方は天才なので、これまでのパス解析シリーズで扱ってきた、以下のモデルを使って考えてみます。

このパス図は、パラメータによって、各種係数が示されているわけですが、このパス係数に基づいて表されたのが以下です。

つまり、これが共分散構造(理論式)ということです。

ここまではよろしいでしょうか?

この表に解を代入する

で、ここからが、本番です。

この表(共分散行動)に解を代入するわけですが、具体的には以下のパス図の値を代入します。

このパス図は、標本共分散行列を求める際に使ったデータとによって求められた非標準解です。

1つずつ対応を確認する

では、これらのパス係数等の値と共分散構造の対応を1つずつ確認していきましょう。

まずは、「V3」からです。

なので、⇩V3には「7.840」が入ります。

同じ様に、変数②(b1×V3)を計算します。

つまり、「0.827×0.7840 」です。

これを計算すると「0.6483」となります。

⇩こうなります。

この要領で、すべて理論式に代入したのが⇩この表です。

これで、「解を代入した、共分散構造」の完成です\(^o^)/

標本共分散行列と比べてみる

そして大事なのが、理論値と実測値の比較です。

つまり、標本共分行列と見比べようということです!

なぜなら、共分散構造と標本共分散行列のズレを最も小さくするのが共分散構造分析だからです!

この説明は、知識がないと頭が痛くなるので、それぞれの意味がわかったらまた読んでみてください(笑)

そして、⇩これがエクセルで求めた標本共分散行列です

すると、ほぼ一致していますが、赤枠の部分だけ、ずれが大きいことがわかります。

  • 標本共分散行列・・・6.485
  • 解を代入した共分散構造・・・0.6483

このように、乖離が大きくなると、モデルの適切性が疑われるかもしれません。

「モデルが適切なものであれば、解に基づく共分散と、データに基づく共分散(つまり標本共分散)の相違は小さくなる。言い換えれば合致度は高くなるはずである」

(引用:多変量データ解析法,p68,2段落,1-2行目)

ただし、ご心配なく。

標本共分散行列の「0.6483」という値は、計算ミスです(笑)

これは、説明のためにあえて、このままにして提示しただけで、実際は見事に合致しています(^^)

確認のためにもご自身で計算てみてくださいね〜

とにかく、このように、表のすべてのペアがどれだけデータと理論値で一致しているかが共分散構造分析では大事だといいうことですね!

「こうしたデータ及び解に基づく共分散のペアが、表7.1では15組あるが、15組のペアの相違あるいはその逆の合致度を総合して、1つの値にまとめたものが適合度指標であり、その1つが6.4節で紹介したGFIである」

(引用:多変量データ解析法,p68,最終段落,1-3行目)

GFIについては、過去記事にまとめてありますので詳しく理解したい方はどうぞ

【心理統計】GFIとは?〜適合度指標〜
GFIとは?パス解析のモデル適合度指標を解説この記事は、心理系大学院生を対象としたパス解析の学習ページです。GFIってなに?パス解析でモデルの良し悪しをどう判断するの?こんな悩みや疑問がある方はご参考ください( ˘ω˘)結論〜GFIとは?〜…

まとめ

さて、いかがでしたでしょうか?

「解を代入した共分散構造」について少しは理解が深まったでしょうか?

最後に本記事の内容を振り返っておわかれです(^^)/

  • 共分散構造分析には、標本共分散行列(実測値)と共分散構造(理論式)の2つの情報が必要
  • 共分散構造にパス解析で求めた値を代入したものが「解を代入した共分散構造」=理論値
  • 標本共分散行列(実測値)と解を代入した共分散構造(理論値)を比較することで、モデルの当てはまりを確認できる

ということなんですね~

それではまた(^^ゞ

参考

こちらの記事を作成にする上での参考文献です(^ω^)

①多変量データ解析法

②共分散構造分析はじめの一歩

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