回帰分析の結果の書き方③~t値と有意差を記入した場合~

心理統計法

この記事では、単回帰分析の結果書き方についてまとめておきます( ˘ω˘)
前回までの記事を読んで

  • p値って記載する必要ないの?
  • ( )内は標準誤差なの?t値じゃないの?

といった疑問を持った方は、ぜひこちらの記事をご参考ください♪

より丁寧な記載の仕方を整理してます。

結論

では、さっそく結論ですが、以下のような表の作成を目指すのが今回のゴールです。

これまでとは異なる部分

上記の表に赤字で示した部分がありますが、これはこれまでと異なる部分です。

  • 表の列に「説明変数」と「被説明変数」と記載
  • 「切片」が「定数項」に変更され、最上行から、最下行に位置が変更
  • ( )内の値を「標準誤差」から「t値」に変更
  • 注釈に有意水準を追記

結果の書き方を整理していると、言えることがあります。

どうやら「絶対の正解はない」ということです。

とはいえ、絶対に書くべきポイントはあったり、書いても書かなくても良いような部分があったりするので、「書くべきポイントはおさえて、できるだけ丁寧に」という姿勢が一番は大事でしょう。

加えて、学問分野やその大学院によっての習慣的な部分もあったりするようなので、やはり、基本を踏まえたうえで、その風習に合わせるようにしましょう。

それが、修士論文突破のポイントです(´-`)

以上を踏まえたうえで、具体的に書き方をみていきます♪

データを準備する

それでは早速記入をしてみます。

データは前回の記事で使用したものと同じものを使います。

2025年1月1日~31日のSNSのデータ(ダミーです)

  • インプレッション数
  • 投稿数
  • コメント数
  • いいね数

回帰分析を行う

そして、以下変数の組み合わせで回帰分析を実施します。

  • imp数 × いいね数
  • 投稿数 × いいね数
  • コメント数 × いいね数

ですので、出力結果も前回と同じですね。

Imp数×いいね数

投稿数×いいね数

コメント数×いいね数

ちなみに、この出力結果はアドインをやっていますので詳しく知りたい方は別記事をご参考ください。

↓↓

実際に書き入れていく

それでは、先ほどのimp数といいね数の出力結果を使って以下の表に書き込んみます。

ここでの1番の大きな違いは、括弧内に「t値」を書きこんでいることにご注意ください。

前回までは、「標準誤差」を記載していました。

同様に、「切片」情報もかきこんでいきます。

有意差を確認して記入

続いて、有意差を記入しましょう。

ここも、前回までとは異なる点です。

そして、有意差の判定は、以下のように決定することになります。

  • p<0.01・・・*** (有意水準1%のもとで有意)
  • 0.05 ≦p<0.1・・・**(有意水準5%のもとで有意)
  • 0.05 ≦p<0.1・・*(有意水準10%のもとで有意)

「p値をみれば、より詳細な判定をすることができる。p値は0に近いほどあてはまりがよいことを意味し、p<0.01のときには厳しめの基準(誤った結 果を得る確率は100回に1回未満)、0.01≦p<0.05 のときは標準的な基準(同20回に1回未満)、0.05 ≦p<0.1のときは緩めの基準(同10回に1回未満) のもとで有意であると判定でき、それぞれ「有意水準1%、5%、10%のもとで有意」のように書く。やはり読者への配慮から、係数と定数項の右肩にそれぞれ「***」、「**」、「*」をつけることが多い。もちろん、p値がこれら以外の値を示しているときは「有意でない」と判定する」

(引用:計量分析による地域政策研究のススメ,p112,左列,最終段落,1行目-右列1行目)

以上を踏まえて、データをみます。

具体的にはp値をみてみます↓↓

まず、切片のp値をみると「0.009」とあります。

これは先ほどの条件式では

p<0.01

に該当するため、「有意水準1%のもとで有意」ということになります。

続いてimp数の有意差の確認をします。

ここが、1つ悩みどころですが、imp数のp値をみると

「1.03E-22」

とあります。この読み取りが謎ですが、結論を言うと、

「1.03×10-22を表しています。

これは、指数表記と呼ばれる方法らしいのですが、詳しくは別記事に譲ることにします。

ここでのポイントは、指数表記が使われる場合というのは

  • 数字が極端に大きい
  • 極端に小さい

このどちらかなのだそうです。

で、今回の場合は、「極端に小さい」場合に該当します。

なぜなら、10の「-22乗」だからです。

そして、「1.03×10-22を計算すると

「0.000000000000000000000103」が答えになります。

「p<0.01

なので「有意水準1%のもとで有意」ということですね。

ということは、切片もimp数もそれぞれの係数の右上に「***」を記載します。

以下の通りです。

他2つの回帰式の結果も書き入れていく

同じように、「投稿数×いいね数」「コメント数×いいね数」の分析結果も書き入れます

有意差も同じようにチェックします。

「投稿数といいね数」のp値は

  • 切片・・6.11E-05(6.11 × 10-5 = 0.0000611)
  • 投稿数・・・1.43E-08(1.43E-08 = 1.43 × 10-8 = 0.0000000143)

そのため、どちらも

・p<0.01

という条件に該当し,「有意水準1%のもとで有意」です。

従って、どちらの係数の右上にも「***」を記載します。

以下の通りです。

最後に、「コメント数といいね数」のp値をみます。

「コメント数といいね数」のp値は

  • 切片・・3.48E-10(6.11 × 10-5 = 0.0000611)
  • コメント数・・・0.12(1.43E-08 = 1.43 × 10-8 = 0.0000000143)

そのため、切片は

p<0.01

という条件に該当し「有意水準1%のもとで有意」ですが

コメント数は

0.1<p

ということで、「有意差なし」です。

従って、切片の右上には「***」を記載しますが、コメント数には何も記載しないことになります。

↓↓こういうことですね。

あとは、決定係数~観測数を記入していきますが、こちらは過去記事にて扱っているため割愛します。

詳しくご覧になりたい方は以下からどうぞ!(^^)!

で、最終的な形が以下になります。

この記事の冒頭で示したものと同じですね(^^)

表のフォーマットが欲しい方、表の作り方が知りたい方はこちら

最後に、この記事で使った表のフォーマットが欲しい方や、作り方が知りたい方はこの記事の感想をコメント欄にご記入ください。

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※ここより先は、限定公開です。

参考

最後にこちらの記事を書くにあたって、参考にした論文を載せておきます(^^♪

計量分析による地域政策研究のススメ

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