臨床心理士資格試験~知能検査(WAIS,WISCなど)~

試験対策

この記事は、臨床心理士資格試験の1次試験の対策ページです。

今回は「知能検査(WAISやWISC)」に関する問題を取り上げています。

出題のポイント

 「知能検査(WAISやWISC)」に関する問題は、臨床心理士資格試験においては、どのように出題されるのでしょうか?過去問の傾向を見ると、以下のポイントはおさえておきたいところです。

  1. WISC-Ⅳ FSIQのよみとり
  2. WISC-Ⅳにおける自閉症の典型プロフィール
  3. WISC-Ⅳ ディスクレパンシー分析

問題①~WISC-Ⅳ FSIQの読み取り~

 ◆AさんにWISC-Ⅳを実施したところ、以下のような検査結果が得られた。この結果から言えることの正誤を答えよ。

【AさんのWISC-Ⅳのスコア】

FSIQ=91、VCI=83、PRI=107、WMI=88、PSI=96

【Aさんのスコアから言えること】
FSIQから、全般的に能力が高く、標準的に強い能力をもっているといえる。

問題②~WISC-Ⅳ 自閉症のプロフィール~

 ◆BさんにWISC-Ⅳを実施したところ、以下のような検査結果が得られた。この結果から言えることの正誤を答えよ。

【BさんのWISC-Ⅳのスコア】

 VCI=85、PRI=105、WMI=78、PSI=78

【Bさんのスコアから言えること】
指標得点のプロフィールから、自閉スペクトラム症の典型的なパターンといえる。

問題③~WISC-Ⅳ ディスクレパンシー分析~

 ◆CさんにWISC-Ⅳを実施したところ、以下のような検査結果が得られた。この結果から言えることの正誤を答えよ。

【CさんのWISC-Ⅳのスコア】

FSIQ=91、VCI=106、PRI=80、WMI=88、PSI=96
VCI>PRI(5%水準で有意差。標準出現率4.6%)

【Cさんのスコアから言えること】

・流動性推理を必要とする課題が、言語概念形成を必要とする課題より得意といえる。

問題④~WISC-Ⅳ 標準出現率~

 ◆DさんにWISC-Ⅳを実施したところ、以下のような検査結果が得られた。この結果から言えることの正誤を答えよ。

【DさんのWISC-Ⅳのスコア】

FSIQ=90、VCI=84、PRI=98、WMI=109、PSI=81
WMI>PSI(15%水準で有意差。標準出現率6.6%)

【Dさんのスコアから言えること】
指標得点間の差、個人内差の大きさは稀であるといえる。

問題⑤~WISC-Ⅳ フィードバックの際の注意点~

保護者への検査結果のフィードバックに際し、検査用具を見せながら説明するのは禁止である。

問題⑥~WISC-Ⅳ 下位検査のフィードバック~ 

クライエントの要望に応え、下位検査得点のプロフィールをコピーしてを作成して手渡すのは禁止である。

問題⑦~WISC-Ⅳ 専門家と検査結果を共有~

たとえ医師であっても、記入済みの記録用紙を複写して渡してはならない。

問題⑧~WISC-Ⅳ 記載する情報~

 保護者に誤解のないように伝えるためとはいえ、パーセンタイル値、信頼区間、記述分類を併記した資料を提示することは禁止されている。

問題⑨~WISC-Ⅳ 各指標の読み取り~

【事例】
Cさん(小学4年生、男児)は、算数の授業で教科書の問題をすばやく解くことができるが、長い文章問題や読解問題では集中力を欠くことが多い。WISC-IVの検査結果は以下の通りである。

【WISC-IV】
FSIQ = 92 VCI = 85 PRI = 105 WMI = 95 PSI = 78

質問:Cさんについて正しいのはどれか?
➀ Cさんは、視覚推理能力が高い。
② Cさんは、言語理解能力が平均を上回っている。

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