この記事は、臨床心理士資格試験の1次試験の対策ページです。
今回は「スクールカウンセラーの対応」に関する問題を取り上げています。
問題①～ニュースで報道されるような事件や事故～
事件や事故に関する対応についての問題です。
問題①-1～当事者以外への対応～
ある中学校の管轄下において、ニュースで報道されるような事件や事故があった場合、当該学年に限らず全校生徒を対象に心のケア等を行うことが基本である。
問題①-2～危機対応の優先順位～
ある学校で、校外学習中に生徒たちが交通事故に巻き込まれ、多くの生徒が被害を受けました。この状況下で、学校の臨床心理士（スクールカウンセラー）は、まず事故の直接的な被害を受けた生徒にのみ心のケアを行い、事故を目撃した生徒や被害にあった生徒と親しい生徒のケアは後回しにすべきである。これについて、正しいか誤りかを答えなさい。
問題①-3～学校全体の運営～
【事案】
ある小学校の5年生たちは、宿泊行事の最終日に公園を訪れ、鹿と触れ合う時間を楽しんでいた。その時、公園内に若い男性が現れ、鹿を蹴ったり叩いたりする暴行を加え始めた。その影響で興奮した鹿が子供たちに突進し、数名の児童がけがを負ってしまった。この出来事は、当日夜のニュースでも大きく報道され、学校側は、児童たちの心のケアを目的として、学校臨床心理士（スクールカウンセラー）に対応を依頼した。なお、この日は宿泊行事の疲れを考慮して、翌日はもともと休みの予定だった。
【上記を踏まえ、以下の選択肢から適切な対応を選べ】
- ①事件を目撃した児童たちには、翌日の休みを利用して家で過ごさせ、学校での対応は後日にする。
- ② 事件の目撃やニュース報道によって動揺している児童だけでなく、普段から不安が強い児童にも個別のケアを検討する。
問題①-4～心理教育～
中学生が参加する宿泊行事で事故が発生し、現場を目撃した生徒たちは大きな衝撃を受けた。学校は臨床心理士に心のケアを依頼し、心理教育が計画された。
次のうち、最も適切な対応はどれか．
- 正確な事故の情報を伝え、生徒たちに安心感を与える。
- 事故については深く触れず、生徒が抱える不安のみを扱う。
学校臨床において、危機後の心理教育として適切なものを選べ。
問題①-5～心理教育～
①危機に遭遇した後に起きるさまざまな反応は、危険なものであるためその思い当たることがあれば医療機関を受診するように伝える。
②危機後に生じる症状については、対処法とセットで情報提供を行うことが望ましい。
問題①-6～個別対応～
【事例】
ある高校で、修学旅行中にホテルで火災が発生し、数名の生徒が軽傷を負う事故が起きた。直接の被害はなかったものの、多くの生徒が避難時の混乱を経験した。事故から1週間後、学校のスクールカウンセラーに生徒Bさんの対応依頼があった。Bさんは避難時のパニックを目撃しており、不眠や集中力低下を訴えていた。
以下の選択肢の中から適切な対応を選べ。
- Bさんの不眠や集中力低下といった症状が自然なことであると伝え、友人を助けられなかったことの無力感や自責感を丁寧に聞き取った。
- Bさんの症状改善のため、カウンセラー自身が運営する支援機関に通うことを勧めた。
問題②～学校での性被害～
性被害での対応についてです。
問題②-1～被害者への対応～
◆学校で性被害の疑いがある場合の被害者への臨床心理士の対応として、適切なものを選べ
- 性被害の事実が確認できたら、詳細をきくことはしない。
- 被害者と加害者を同じ時間に、同じ場所で話を聞くのがよい。
- 被害を確認するために、被害児童の保護者から聞き取るのがよい
問題②-3～加害者への対応～
Bさん（15歳、男子）は、中学2年生の頃から、クラスメイトに無断で触れる行為や、執拗に話しかける行為を繰り返していた。教師から注意され、保護者会議も行われたが、行動は改善されなかった。ある日、小学生の女子に不適切な言動をしたことで、通報され、警察に連絡された。Bさんは軽度の発達障害を抱えており、友人関係の構築が苦手で、小学校時代から孤立していたと語る。初回面接で、Bさんは一部の行為を認めたものの、詳細については「記憶が曖昧だ」「気づいたらやっていた」と話すのみであった。
臨床心理士がBさんに初回面接で行うべき対応として最も不適切なものを選べ。
- Bさんには脳や発達に問題がある可能性を考え、精神科医に紹介する。
- 面接の目的を説明し、安心感を与える。
- 一般的にどのような場面や状況で性非行が生じやすいかをBさんに説明し、あてはまるところがないか質問する。
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