【体験的理解】投影と投影性同一視の違い

精神分析

 この記事では、「投影「と「投影性同一視(投影同一化)」の違いについて、クリタマ勉強部屋の理解をまとめておきます。

  • 投影って何?
  • 投影性同一視(投影同一化)ってなに?
  • それぞれの違いは?

こんな疑問がある方はぜひご覧ください(^^)

結論〜投影と投影性同一視の違いは?〜

結論から言うと、そもそも違わない、というよりは、「違い」という視点で捉えようとすることがナンセンスです。

なぜなら、投影=投影性同一視のプロセスの一部だからです。

まず、投影とは、「自分の抱えきれない感情や思いを吐きだすこと」だと言えます。

例えば、あなたが知人から

「ちょっと、きいてくださいよ〜」

と声をかけられたとします。

【 知人 】
「ちょっと、きいてくださいよ〜」
▼ どうする?
▼ つづく

知人の話はこうである

「昨日上司から新しい仕事ふられて、ミスしたら、なぜか先輩からめっちゃ怒られて、なんで、自分が注意されなきゃって感じだし、上司もフォローしてこないし、誰も私のことわかってくれないし、味方がいなくて、つらくて、しかも……」

はい

「カット」

いかがでしたでしょうか?(笑)

ここまでが「投影」ということになります。

自分の心の中にあって受け入れがたい感情、願望、態度などを、外に投げ出し、映し出すことで、外界や他者のものとして認識する。

(引用:New Liberal Arts Selection有斐閣,p168【TABLE 7-2〇口唇期の防衛機制】5-6行目)

もう少し加えると、ここでのポイントは、「誰も私のことわかってくれない」という部分ですね。

例えば,本事例でいえば,「わかってくれない,先生やSCや養護教諭」というように,「わかってもらえない」という自らにとっていやでたまらない事柄は,先生,SC,養護教諭に完全に投げ込まれて(投影されて)いる。すなわち,「わかってもらえないのは,自分である」という事実を直視できずに,「わかってくれない先生」と,人のせいにするわけである。

(引用:教師が精神分析的視点を持つことの意義と可能性,p44,左列,6段落,1-10行目)

投影性同一視とは?

では、時を戻しましょう(笑)

「なんでやーー!!私だって、真面目にやとるやろが!!」

先ほどより、悪化しています・・・・

しかし、これが更に1時間も2時間も続いたら、あなたはどう思いますか?

わかります。

おそらく、「いいかげんにしてくれ」ですよね!

ですが、そんなあなたの思いとは裏腹に、知人の話は収まるところをしりません。

すると、今度はどう思いますか?

「あー、イライラしてきた、この人言わないとダメなんだな」

という思いがわいてくるかもしれません。

そして、しびれを切らしたあなたは、どうするでしょうか?


しびれを切らしたあなたは、どうするでしょうか?
▼ どうする?
▼ つづく

「そうやって、人のせいにしてばかりだから、

味方がいないんじゃない?」

と、そのイライラをぶつけてしまいました。

すると、相手は、

「やっぱりね、あなたもわかってくれないのね…」

・・・はい。

では、ここで

「カット」

これが、「投影性同一視」です。

自分の中のもの(感情、欲望、感覚)を、外界対象の中に押しやり、押し込まれたものによって、相手を操作する。

(引用:臨床心理学(New Liberal Arts Selection),有斐閣,p168【TABLE 7-2〇口唇期の防衛機制】5-6行目)

で、「操作する」というのが、私の中では難解な部分だったのですが、この女性にしてみると

「わかってくれない、相手が悪い」という事実、あるいは思えるような材料は大事なわけです。

なぜなら、「わかってもらえないのは,自分である」という事実を直視せずに済むからです。

言い換えれば、自分のせいにしなくて済むからです。

そこで、「相手を操作しよう」となるわけです。

つまり、イライラを相手に投げる→相手をイラつかせる→相手に自分を批判させる⇨分かってもらえない自分を演出⇨私は悪くない

というような流れになるのですね。

これを無意識にやってしまうというのだから、にわかには信じ難いところですΣ( °ω° )ビクッ

このように、「相手を操作して、自分を守る防衛規制」が「投影性同一視」なのだと考えられます。

 クライン自身はこうした一連のプロセスを、あくまでその個人の精神内界で展開する空想として語ったが、この空想が実際の対人関係上に実演されることを示したのがビオン(Bion, 1959)やオグデン(Ogden, 1982, 1986)である。特にオグデンはこのプロセスを以下のような一連のフェーズをもつ心理的-対人的プロセスとして描写した。それは、①自身の一部を相手のなかに押しつける/委託するという無意識の投影的空想が生じ、②その相手は押しつけられた投影的空想に一致するようなやりかたで自分自身を体験し、ふるまうように仕向けられ、③その相手がこの対人的圧力をもちこたえ、そこで喚起された体験を処理し、元々の発信者が受け取れる形にその体験を変形していくことで、発信者がその処理しなおされた投影内容(排出した投影的空想の修正版)を再内在化していくプロセスとして示される。

(引用:日常臨床に活かす精神分析 2 現場で起こるさまざまな連携,p147

ちなみに、上記の例は、「相手がこの対人的圧力をもちこたえ、そこで喚起された体験を処理し、元々の発信者が受け取れる形にその体験を変形していく」というように、投影性同一視の良い対応の仕方を示したのもですね。

つまり、この記事での例は「イライラした感情」を「イライラしたまま」返しているので、相手が受け取れない形だったわけです。

しかしながら、心理臨床の場面では、専門家はそのような返し方をしてはいけないことですね。

勉強になります・・・

そして、このカウンセリング場面で起きる「投影ー投影性同一視」が「転移ー逆転移」というわけですね

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参考

参考①教師が精神分析的視点を持つことの意義と可能性

参考②臨床心理学(New Liberal Arts Selection)

参考③日常臨床に活かす精神分析2

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