この記事では「アイデンティティ・ステイタス」について言われていることまとめてます(^^)
- アイデンティティ・ステイタスってなに?
- Marciaの理論について勉強したけどよくわからない
- 危機とコミットメントって具体的にどういうこと?
こんな悩みや疑問がある方はご参考ください。
結論~アイデンティティ・ステイタスとは?~
アイデンティティ・ステイタスとは、Marciaが考案した、危機とコミットメントといった2つの軸によって、個々のアイデンティティの状態を分類する手法のことを言います。
Marcia (1966) は、職業と宗教的・政治的イデオロギーに関する「危機」 (crisis) と 「コミットメント」(commitment) の有無という2つの基準によって、4つのステイタスを設定している。
(引用:アイデンティティ・ステイタス・パラダイムに対する批判的検討(1)基本的問,P32,【2.アイデンティティ・ステイタス・パラダイム】,3-4行目)
つまり、アイデンティティの状態を分類する手法ということだけおさえておきましょう(=゚ω゚)ノ
分類の軸 ー 危機とコミットメント ー
アイデンティティ・ステイタスが分類法であるとわかったところで、次は、2つの基準についてもう少し理解を深めたいと思います。
「危機」と「コミットメント」って一体なんなんだ?
という話ですね。
危機とは?
まず、危機についてです。
これは、「自分の生き方」について悩んだ経験があるか?
という理解で良いと思います。
「危機」とは、職業やイデオロギーに関する選択肢について思案した時期
(引用:アイデンティティ・ステイタス・パラダイムに対する批判的検討(1)基本的問,P32,【2.アイデンティティ・ステイタス・パラダイム】,4-5行目)
身近な例で言えば、就職活動がわかりやすく「危機」体験ということになりましょう。
- どんな仕事があるのか?
- 自分にできることは何?
- どんなことに向いているのか?
正に、職業に対する思案だと考えられます。
コミットメントとは?
次に「コミットメント」です。
これは、「やると決める」とか「ちゃんと取り組む」みたいなことです。
コミットメントとは、職業やイデオロギーに関する積極的な関与を意味する
(引用:アイデンティティ・ステイタス・パラダイムに対する批判的検討(1)基本的問,P32,【2.アイデンティティ・ステイタス・パラダイム】,5-6行目)
ちなみに、「commitment 」には「公約」とか「約束」といた意味があります。
最近では、日本語でも「結果にコミットする」とか言いますよね?
つまり・・・

(引用:ワンピース61巻, 601話より)
これです。
これが「コミットメント」です。
つまり、「私は、臨床心理士を目指す」とか、
そして、この2つの軸を用いて、半構造化面接による分類を行うのが、アイデンティティ・ステイタスアプローチということになります。
アイデンティティ・ステイタスの分類
そして具体的な分類を見える化すると次のようになります。

- 危機 → あり or なし
- コミットメント → した or 努力中 or してない
のように分類があり、これらの組み合わせによってステイタスが分類されます。
では、これらの例をわかりやすくみていこうと思うわけですが、
そこでずばり質問です。
このブログは、心理職を目指している方向けなので、この記事を読んでいるそこのアナタも、そういう関連の人であるという前提でおききします。
ズバリ…

さぁ、何と答えたでしょうか?
同一性達成
では、「同一性達成」からです。
このステイタスは、危機経験がすでにあり、そしてコミットメントしている状態です。
つまり、先程の質問に対して

と、即答で答えられたあなたは、同一性達成していると言えるでしょう。
なぜなら、「心理職になるか?ならないか?」という思案をし、なると決めたからです。
だからこそ、「もちろんです!」と即答できたのです。
そんなあなたは、きっとテキストを勉強するなり、就活するなりしていることでしょう。
(1)危機を過去にすでに経験し、現在コミットメントをしている「同一性達成」(identity achievement)
(引用:アイデンティティ・ステイタス・パラダイムに対する批判的検討(1)基本的問,P32,【2.アイデンティティ・ステイタス・パラダイム】,8行目)
モラトリアム
次に、「モラトリアム」です。
このステイタスは、現在危機を経験していて、コミットメントしようと努力している最中です。
例えば、先の質問に

と答えたあなた。
そんなあたなは、「モラトリアム」のステイタスであると言えるでしょう。
そんなあなたは、大学院に向けて勉強していることでしょう。
一方で
「やっぱり、就職活動した方がいいんじゃないだろうか?」
みたいなどっちつかずにいるのかもしれません。
つまり、コミットしようとしているけどしきれてない状態です。
だから
歯切れの悪い答えになるわけです。
葛藤が、見事にその答え方にあらわれています。
(3)現在危機を経験していて、コミットメントはあいまいだが、コミットメントしようと努力している「モラトリアム」(moratorium)
(引用:アイデンティティ・ステイタス・パラダイムに対する批判的検討(1)基本的問,P32,【2.アイデンティティ・ステイタス・パラダイム】,11-12行目)
同一性拡散
続いて、「同一性拡散」についてです。
このステイタスは、危機の有無に関わらず、コミットメントがない場合を指します。
例えば、先程の質問に対して

なんて答えたあなたはこのステイタスに該当するかもしれません。
そもそもこのステイタスにある場合は、心理職以前の問題かもしれません。
「自分が何に向いてるか?」
「何でもいいや」
ぐらいに思っているかもです。
(2)危機は経験している場合もあれば、していない場合もあるが、いずれにしてもコミットメントがない「同一性拡散」(identity diffusion)
(引用:アイデンティティ・ステイタス・パラダイムに対する批判的検討(1)基本的問題,P32,【2.アイデンティティ・ステイタス・パラダイム】,9-10行目)
そのため、このステイタスにある人は、「迷い」はないと考えられます。
なぜなら、「危機」と向き合えていないからです。
故に、「困る」ことはあっても、「悩む」ことはなさそうです。
ただ、危機に直面していないとすれば、それは自然ですが、危機に直面しているにも関わらず、コミットメントがないとすれば、危機の先延ばしにすぎないでしょう。
早期完了
最後に「早期完了」についてです。
このステイタスは、危機を経験せずに、コミットメントしている状態です。
例えば、先程の質問に対して

と即答したあなたは、このステイタスに該当する可能性があります。
ただ、同一性達成と違うのは、「心理職になるか?ならないか?」という思案をしたことがないという点です。
なぜ、そんなことが起きるのでしょうか?
これは例えば、親や先生に「カウンセラーなんか向いてるんじゃない?」とか勧められて、レールに乗ったまま来たようなケースが該当するかもしれません。
自分で悩んだり迷ったりすることなく、周りの意見をそのまま受け入れてコミットメントしているわけです。
(4) 危機を経験せずに、コミットメントしている「早期完了」(foreclosure)
(引用:アイデンティティ・ステイタス・パラダイムに対する批判的検討(1)基本的問,P32,【2.アイデンティティ・ステイタス・パラダイム】,13行目)
あるいは、就職活動を回避するために、大学院進学した場合もここに該当すると考えられます。
コミットメントは姿勢
ただし、注意点として、ここでの分類はかなり極端に例をまとめていますが、大事なのは受け答えというよりも、その人の「姿勢」にあると考えられます。
なぜなら、コミットメントというのは、「積極的関与」だからです。
例えば

(引用:鬼滅の刃8巻, 第63話, 猗窩座より)
ときかれた、煉獄さんは

(引用:鬼滅の刃8巻, 第63話, 猗窩座より)
のように即答していますが、これは「コミットメントしてない」ということではありません。
むしろ、コミットメントしているからこそ、即答できるのだと考えられます。
何にコミットしているのか?
それはもちろん、「鬼滅隊の炎柱」にです。
ぶれがありません。
それはつまり「拡散していない」ということでしょう。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
アイデンティティ・ステイタスについて少しは理解が深まったでしょうか?
最後に本記事の内容を振り返っておわかれです(^^)/
- アイデンティティ・ステイタス法とは、Marciaが考案した、危機とコミットメントという2つの軸でアイデンティティの状態を分類する手法のこと
- 危機とは、「自分の生き方」について悩んだ経験があるかどうか
- コミットメントとは、職業やイデオロギーに対して「やると決める」積極的な関与のこと
- この2つの軸の組み合わせによって、個人のアイデンティティの状態が「同一性達成」「同一性拡散」「モラトリアム」「早期完了」に分類される。
ということなんですね~
それではまた(^^ゞ
参考
- 鬼滅の刃8巻


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