因子分析の謎〜因子得点とは〜

心理統計法

本記事では「因子得点」についての僕の理解をまとめておきます。

因子得点とは

早速ですが、定義を確認しておきましょう。

因子得点とは、それぞれのケース(被験者)が、各因子に対してどれくらいの重みを持っているのか計算したものです。因子得点は、ケースの回答パターンによって、ケースごとに求められます。計算するには、まず因子得点係数を計算する必要があります。

(引用:統計学がわかる 回帰分析・因子分析編より)

要するに、因子得点は、「あなたがどの程度、ある価値観を重視しているか」を示す値だと思ってください。そんなイメージを持って以下の定義も読み合わせると、なんとなく理解が進みます。

 たとえば、第1因子の授業内容の因子得点というのは、その人が授業内容をどの程度評価しているかを示しています。ここでは、仮に4.3という値を考えました。授業内容について4.3ぐらいだと思っているこの人に対して、「面白くするよう工夫があった」かどうかという質問をされると、この4.3という因子得点が質問の回答に影響を与えているわけです。それは、先ほど説明しましたように、因子負荷(.415)を掛けて1.785という値になるわけです。因子得点がそのまま影響を与えるわけではなく、質問の内容によって、因子と質問との関係性(つまり因子負荷)に応じて影響の大きさが変わってきます

(引用:誰も教えてくれなかった因子分析より)

なぜ、因子得点を求めるのか?

すでに、答えは、述べているのですが、「あなたが、何を重視しているのか」を知るためです。

ただ、これは統計の話なので、もう少しその幅は大きくなります。

つまり、因子得点を計算すると、あるグループごとの傾向を算出できるということです。例えば、因子ごとの違いを男女間で比較したいときは、それぞれの因子得点係数の平均点を算出し、それを比較することで、男女間の趣向の違いがわかるようになります。

男性は因子①(論理性)の得点が高いが、女性では、因子②(感情)の得点が高いということになれば、性別によって、求めているものが違うのだと判断を下せますよね?

そのようなことがわかれば、男性に話をするときは、論理的にアプローチすれば良い、女性に話をするときは、感情にアプローチをすれば良い。と傾向と対策を練ることができます

だから、因子得点を求めるのです。

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