本エントリーでは、「バリマックス回転とプロマックス回転」にてついて取り上げます。
- そもそも回転って何?
- 2つの回転の違いは?
- 2つの回転の使い分けは?
という疑問がある方に向けて役に立つ記事になってます。
プロマックス回転とバリマックス回転とは
まずは、結論です。
バリマックス回転とプロマックス回転とは、因子分析における因子軸の回転の種類です。
バリマックス回転は、回転後の軸が90度で因子相関がなく、プロマックス回転は、回転後の軸が90度ではなく、因子相関があることが特徴です。

まあ、これだけの説明を読んで理解できれば苦労はありませんので、詳しくみていくことにしましょう。
そもそも、回転とは?
一応の結論は先に示しましたので、まずは「回転」という概念について理解しましょう。
回転とは、グラフの軸を文字通り回転させ、各因子を解釈しやすい状態にする事です。
(引用:臨床心理士指定大学院対策 心理統計編より)
したがって、回転は、因子負荷量を算出した後、それらの値が似通っている場合に使う手法だということを理解しておきましょう。
回転の具体例〜バリマックス回転〜
少し具体的に考えてみます。
例えば、因子分析によって求められた因子負荷量の値が次のように得られたとします。

そして、この表から、「横軸に因子①」、「縦軸に因子②」をとり、グラフを作成すると次のようになります。

どうでしょうか。
このようにグラフを作ってみると、赤枠で囲った2つのかたまりになっていることがわかります。
しかし、このままで解釈が難しいのです。2つのかたまりが、因子①かそれとも因子②によっているのかわかりづらくないですか?そこで、軸を「回転」させます。

こちらが、元の軸を反時計回りに45度ほど回転させたものです。
このように回転させると、観測変数③と④は因子②軸に、観測変数①と②は因子①の軸へと分類することができ、解釈がしやすくなります。これを「単純構造に近くなる」と表現します。
これが軸を回転させるということであり、回転後の軸が90度になってますよ?
なので、これは「バリマックス回転」ということです。
バリマックス回転の特徴は、「因子相関がない」ということでしたから、これらの因子は全くの別物であるということになりますね。
回転の具体例〜プロマックス回転〜
では、観測変数がこのようにグラフに配置される場合はどうでしょうか?
この場合、解釈がしづらいという点では同じですが、先ほどとくればて、変数同士の距離が近いですね?
このような場合は、「プロマックス回転」を使います。

すると、こうなります。先ほどのバリマックス回転では、軸を90度に固定していましたが、今回は90度はありませんよね?
しかし、これで解釈がしやすくなりました。つまり、単純構造に近づいたということです。
そして、プロマックス回転の特徴は、「因子相関がある」ということでしたから、因子同士は類似しているということがわかります。

コメント