多変量解析(Multivariate analysis)

統計法

多変量解析の下位概念である、回帰分析、重回帰分析、因子分析についてまとめました。

多変量解析とは、複数の変数を同時に解析することで、変数間の構造や特徴を探る手法の総称のこと。

回帰分析(Regression analysis)

回帰分析とは、1つの独立変数の値から、1つの従属変数の値を予測する際に用いられる分析手法。例えば、気温が高くなると、アイスが売れるという仮説を得たとする。この時に、気温=x(独立変数)、アイスの売れ行き=y(従属変数)とすると、2つの変数の関係は、

”y=ax+b”

と一次関数で表すことができる。a=傾き、b=切片。

仮に、気温が20度のとき、アイスが50個売れて、 気温が30 度の時、アイスが100個売れたとすると、下記の連立方程式を得ることができる。

①50=20a+b

②100=30a+b

この方程式を解くと、a=5、b=-50とわかり、”y=5x-50”という一次関数を得る。これにより、どのくらいの気温でどの程度アイスが売れるかを予測できる。この一次関数を回帰式と呼び、回帰分析は、回帰式を求めることで、独立変数による従属変数の予測を可能にすることが目的。

重回帰分析(Multiple regression analysis)

回帰分析に対し、重回帰分析、2つ以上の独立変数から1つの従属変数を予測する。

たとえば、学生の自己肯定感、社会性、積極性、を測定し3つの独立変数とし、自立性を従属変数として重回帰分析を行い、次のような式が得られたとする。

Y=0.14x+0.11x+0.83x

0.14などの数字を標準偏回帰係数といい、これは独立変数が従属変数に与える影響を示す。つまり、数字が0.83の”積極性”が自立性に最も大きな影響を与えているとわかる。

因子分析(Factor analysis)

因子分析とは、測定変数の背後にある因子を発見することで、測定変数の分類・整理を行う分析。たとえば、優しい、穏やか、情熱的、まじめ、という4つ単語の自己評価を複数人から得たとする。すると、優しいと穏やかの背後には”協力的”という因子が、誠実と真面目の背後には”情熱性”という因子が発見されるかもしれない。そして、この2つの因子の存在が本物であるかを確かめるのが、因子分析

下記は因子分析に関連する用語。

因子負荷量

因子が測定変数に与える影響の強さを表す値。-1から+1までを示し、±1に近いほど影響が強い。

直行回転(バリマックス回転)

因子分析の際に、因子間の相関が想定されない場合は、因子を解釈しやすい状態にするために、バリマックス回転を用いる。特徴は、回転後も軸が90度

斜交回転(プロマックス回転)

因子分析の際に、因子間の相関が想定される場合は、因子を解釈しやすい状態にするために、プロマックス回転を用いる。特徴は、回転後の軸が90度ではない

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