記述統計と推測統計の違い

統計法

クリタマです(^ω^)

今回は、「記述統計と推測統計の違い」についてです。

記述統計(Descriptive Statistics)とは

 記述統計とは、調査によって得られた手元にあるデータを分析し、そのデータの特徴や要約を行うことである。例えば、ある地域Aに住む独身100名に対し月収に関する調査を行ったとする。その結果、100名から月収金額のデータを得ることができれば、それらを分析することになる。しかし、その様な膨大なデータをそのままの状態で突きつけられては、たとえ専門家であってもその全体像を把握することはできない。そこで、それらのデータを図表化し、散布度や代表値を求める必要がある。この様な手続きこそが記述統計だと言える。

 ただし、上記の記述統計によって得られたデータの特徴は、あくまでも「地域Aにおける独身100名の月収」についてのみである。つまり、この分析から得られた特徴が、「地域A全体における独身の収入」にも同様に当てはまるかというとそうではない可能性がある。

推測統計(Inferential Statistics)とは

 そこで、以上の様な記述統計の限界を補うために推測統計がある。推測統計とは、記述統計によって得られたデータの一部の特徴が、一般的にも当てはまるか否かを検定する方法である。故に、手元にあるデータが標本であり、一般化の検討をなされる対象が母集団ということである。また、推測統計は、確率論に基づき母集団の特性を予測する方法であるため、必ずしも標本データ分析から得られた特性が当てはまるという絶対的なものではない点に注意が必要である。

記述統計と推測統計の違い

 以上の様に、それぞれの特性を踏まえると使い分けは次の様になされる。まず、記述統計は、「同一の被験者に対し測定された2つの得点を比較したいとき」や「2つの変数の間の関係を調べたいとき」などに用いられる。前者の場合、例えば、被験者Bさんの英語のテストと数学のテストの点数を比較する際に行われる標準化が挙げられる。後者であれば、先に挙げたテストを用いて、英語の点数が高い人は数学も高いという様な関係があるかどうかを求める際のに相関係数を算出したり、散布図を作成する手続きなどが挙げられる。

 一方、推測統計は、「2つのグループの平均の比較」や「3つ以上のグループの平均の比較」をしたいときに用いられる。前者の場合、例えば、記述統計から「独身者における男女間の月収の違い」が判明した際に、その一般化を検討するべく用いられる、統計的仮説検定やt検定などが挙げられる。後者では、先の例に、「一般世帯の月収」を加えその平均を比較し一般化を検討する場合に用いられる、分散分析や多重比較などが挙げられる。

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