ちらの記事では、エインズワースさん(Ainsworth et al.,1978)によって行われた、愛着のタイプを分類に至った実験、その名も「ストレンジシチューション法」について詳しく解説していきたいと思います。
ストレンジシチューエション法とは
「『母子分離場面』において、しばらくした後に、母親が戻ってくるとその子どもがどのような反応を示すか」によって愛着のタイプを分類する方法、それこそが「ストレンジシチュエーション法」だと言えます。
ストレンジシチュエーション法は以下の流れで行われます。
- 「養育者」と「こども」が同じ部屋に入る
- しばらくして「知らない人」が入ってくる
- 「養育者」が退室する
- 「こども」と「知らない人」が2人きりになる
- しばらくして「養育者」が戻ってくる
- この時の「こども」の反応をみる
愛着の4つのタイプ
このストレンジシチュエーション法によって、愛着のタイプは以下の4つに分類されることがわかりました。ちなみに、無秩序型は、「安定型」と「不安定型」と同列概念とされることもあるようですが、ここでは、不安定型の下位分類として位置づけしておきます。

- 安定型
- 回避型
- アンビバレント型
- 無秩序型
この4つですね。

第一に、安定型は「B型」とも呼ばれ、「母親に対して安定した、つまり、健全な愛着が形成されていること」を意味します。このタイプの子供は、養育者が戻ってきた時に、抱きつき、それによって、比較的すぐに安定するとされます。また、養育者を基点として、動き回る(探索活動)がみらることが多いようです。
第二に、不安定型の1つである回避型は、「A型」とも呼ばれ、「戻ってきた母親を避ける、つまり、回避すること」を意味します。
第三に、不安定型の2つ目であるアンビバレント型「C型」は、「母親に依存したい、言い換えるなら、甘えたいが、まだ信頼しきれないという矛盾した状態」を意味します。
たとえば母親に抱かれながら、叩いたり、蹴ったりする
(引用:障害臨床学ハンドブック,p141より)
第四に、不安定型の3つめである無秩序型は「D型」と呼ばれ、これは「混乱状態にあり、相反する行動システム」を意味します。
たとえば顔をそむけた状態で母親に近づく。母親にしがみついたかと思うと、すぐに床に倒れこむ
(引用:障害臨床学ハンドブック,p141より)
これが、ストレンジシチュエーション法による4つの愛着タイプです。
愛着タイプに応じた母親の特徴
最後に、これら4つの愛着タイプに分類される子どもの母親が、どのような特徴を有しているか?その点について示し終わりたいと思います。
第一に、安定型タイプの場合ですが、「子どもの反応や機微に敏感で、一貫性がある」と言われています。このような母親のもとで育つと有能感が育まれると言うことなんですね。
次に、回避型ですが、「子どもの要求を無視したり、拒否的な態度をとる」というのが回避型の反応を示す子の母親の特徴としてあげられています。
続いて、アンビバレント型では、「子供の要求に鈍感で、意味を取り違えたり、やらされ感の養育態度」と言われている。
最後に、無秩序型は、「精神的に不安定で、虐待などの不適切な態度をとる」ことなどがあげられています。
参考書
①心理学 Psychology:Science of Heart and Mind
②障害臨床学ハンドブック
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