この記事は
- 円環的因果律ってなに?
- 円環的因果律と直線的因果律の違いは?
という疑問を持たれている方向けに発信しています。
ちなみに、このエントリーは、↓↓の記事の続きとして書かれていますが、この記事単体でもわかるように書いてます。
直線的因果律と円環的因果律の違い
直線的因果律と円環的因果律の考え方をを図示すると以下のようになります。
では1つずつみてみます。
直線的因果律とは
直線的因果律は、図の左モデルのように、私たちに最も馴染みのある考え方ではないでしょうか。
例えば、ある結果Aの原因はBであると、直線的にその因果関係を捉える考え方です。
この因果論は、サイバネティクスが普及する以前の社会の影響を存分に受けています。
それは、化学的真実を追求し、実証主義的な傾向が強い社会であったと言われ、その考えは、人間理解という方法においても例外なく影響を与えたとされます。
つまり、実験室実験という日常とは異なる場面設定を用いる事で発見された「因果関係」を以って、人間理解をしようと考えるのです。
それが、直線的因果律であるとも言えます。
円環的因果律とは
一方、円環的因果律では、人の関係や出来事は相互に作用し合っているという考えます。
円環的因果律では、直線的因果律のの様な考え方はしません。
なぜなら、円環的因果律はそもそもシステム論に依拠するもので、相互関係・相互影響を重視するからです。
ですので、円環的因果律では、システム内の単体は相互に影響し合っていると考え、原因と結果を円環的に捉えるのです。
例えば、先ほど同様に、ある結果Bの原因はAであるかもしれないが、そのBという事象は次なる結果のC原因になっているかもしれません。
さらにその事象Cは、結果Aの原因であるかもしれません。
この規則に従えば、システムという枠組みにおいて、ある事実は原因にも結果にもなりうるということを意味し、直線的因果律は、円環的因果律の一部分であるとも考えられる。
円環的因果律は、サイバネティクスに影響を受けている
見出しの通りですが、この円環的因果律は、システムサイバネティクスなる理論の影響を受けて生じた物事の見方であると考えられています。
この新たな取り組みは、前述した「サイバネティクス認識論」、「一般システム理論」などを随時取り入れながら発展し、これまでの<原因→結果>という「直線的な因果律」から「相互影響」へ、そして「循環的な因果律」へと発展していったのです。
(引用:家族療法 システムズアプローチの<ものの見方>より)
このように、
システムは、一般システム理論とサイバネティクスの考えを統合し、その影響が、システムにおける、因果関係の見方についても及んでいるというわけですべ。
それがすなわち、「システム論」の第四の特徴として挙げられる、「円環的因果律」ということなのです。
参考文献
最後にこのエントリーを作成するにあたり、お世話になった文献を紹介させてもらいます。
↑↑こちらは「システム」の概要や用語についてわかりやすく書かれています。
文章もわかりやすいです。コンパクトなので。
↑↑こちらの書籍はタイトルの通り、「家族療法」を解説する過程で各用語や視点について述べているという構成になっています。
概念説明なども大変わかりやすく、「家族療法」という意味では網羅されているのですが、A4サイズ、ハードカバー、冊子も分厚いため持ち運びが不便です。
コメント