構造派家族療法についてまとめておきます

家族療法

この記事では、家族療法で数ある派閥の中から「構造派家族療法」を簡単にまとめておきます。

構造派家族療法とは

構造派家族療法の創始者はミニューチン(Minuchin,S.)であり、この派閥の家族療法は、家族のシステム構造に重点を置いたアプローチとされます。

ゆえに、「個人の病理は家族の構造上の問題」だとし、問題があることによって家族システムが維持され、逆に家族によってそのシステムが維持されている考えるのです。

ある関係に歪みがあるとすれば、ほかの関係にも歪みが生じます。

構造はにおいて問題があるとされる家族とは?

構造派において問題のある家族とは、「世代間境界が曖昧。過度に融合しているか、もしくは、過度にバラバラな家族」のことをさします。

したがって、セラピストは、家族の再構造化によって、個人の症状に変化を起こすことを目指すというわけです。

家族療法において、家族には、夫婦・親子・兄弟姉妹などのサブ・システムから成立しており、各システム間に境界がると考えます。

つまり、構造派で問題とみなされる家族は、この境界が不明確であり、例えば、母子の提携・父親の孤立といった連合関係ができています。

そこで治療者は、家族の交流の中に参加(ジョイニング)し、家族葛藤を顕在化させながら、適応的な交流パターンの形成を促し、適切な家族族構造への再構造化を目指すのです。

構造派で使われる用語

境界・・・誰がある出来事に参加するかを決めるルール。家族と家族外、子・親・祖父母の世代間など

連合・・・誰かに対抗するための共同戦線

迂回連合・・・夫婦の問題を表面化させないように子供が問題を抱えることで、夫婦が見せかけの連合を形成すること

パワー・・・誰かに及ぼす影響力

構造派の技法

最後に、構造派がよく用いる技法について取り上げておきましょう。

とはいえ、他の派閥でも実際は用いられていたりするので、境界線はあってないようなものにも感じますが・・・

構造派の技法

ラインナップはこんな感じです。

相互作用を生み出す

ここでは、枠組みづけ、エナクトメント、課題の設定を取り上げます。

  1. 枠組みづけ・・・家族交流のパターンに影響を与えるために、治療者が意図してその交流の中へ入り、家族成員の関与の仕方を統制すること
  2. エナクトメント・・・問題のある家族交流について説明があった時、その再現をさせる方法。無意識に繰り返されるパターンを意識的に行うことで気づきが生まれ、行動パターンの変容を目指す
  3. 課題の設定・・・ある特定の交流パターンに関連する課題を出すことで、家族構造についての情報収集と、交流パターンの改造の下地作りを行うことが目的

ジョイニングに関する技法

続いては、トラッキング、アコモデーション(調和)、マイム(模倣)を取り上げます。

  1. トラッキング・・・治療者が家族に今まで通りにコミュニケーションを続けるよう支持し、その交流パターンに逆らわずに従う。
  2. アコモデーション(調節)家族とジョイニングするために、治療者が自分の行動を家族の交流パターンに合わせる。特にセラピー初期に有効。
  3. マイム(模倣)・・・治療者が家族の言語や非言語的行動を取り入れてジョイニングを促進する。つまり、家族の真似をする。

システムを再構成する技法

最後は、システムの再構築法として再編法、症状焦点化、構造改変です。

  1. 再構築法・・・IPとその関係する家族成員のシステムを組み替えることによって家族構造を変える。新しい成員システム内に入れたり、システム内の成員に抜けてもらう方法がある。
  2. 症状焦点化・・・症状の機能を無効化して、症状が家族の交流パターンの存続に必要のない状態を作りだす。症状の強調と短小化がある。
  3. 再構造変・・・家族構造の境界、連合、勢力に直接働きかけて、家族構造を変化させる。

ということで、本日は以上です。

それではまた(^^ゞ

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