2要因分散分析〜グラフ化でわかる交互作用の有無〜

心理統計法

この記事では「分散分析における交互作用の有無を、グラフから見抜く」というテーマでお送りいたします。

前提

前提として、こちらの記事は、分散分析や交互作用という言葉の意味を理解している必要があります。

ですから、それがわからないという方は以下の記事を参照ください。

交互作用がある場合のグラフの特徴

それでは本題に入りますが、各群の平均点さえわかれば、分散分析をせずとも交互作用があるかどうかは見抜くことができます。

その方法が、グラフを描くということです。

で、結論をいうと、そのグラフが描く2つの直接が、「平行でない」場合、交互作用があるとい推測することができます。

どういうことでしょうか?

それをここから説明していきます。

ちなみに、ここより先は、以下のエントリーで用いた「勉強法」という要因と「性差」という要因の2要因を具体例として取り上げてますので悪しからず。

交互作用と分散分析
はいどうも   ここ最近 統計ネタばっかりでそろそろ嫌になってきた   という気持ちで書いた記事だという点を考慮して読んでいただけたらこれ幸い スポンサーリンク スポンサーリンク (adsbygoogle

交互作用がない場合のグラフ

それでは、「グラフが平行ではない」という説明の意味を明らかにするために、まず交互作用がない場合のグラフのパターンをみていくことにします。

逆説ですが、「グラフが平行ではない」場合に「交互作用がある」ということは、グラフが平行」な場合には、「交互作用がない」ということです。

百聞は一見にしかず。

実際に具体例を確認します。

全部で3パターンです。

パターン①〜勉強法の主効果のみがある場合〜

勉強法AとBを男女別に検証したところ、テストの平均点は、以下のようになりました。

これをグラフ化すると次のようになります。

勉強法AとBを比べると、勉強法Bの方が優れているのは一目瞭然ですね?

これが勉強法という要因の主効果を示しています。

そして、「性差」という要因によって、その効果の違いは特になさそうです。

ということは、「性差」という要因の「主効果はない」ということですね。

(※ただし、このグラフではわかりやすくするために2本の線の間に空白を作っています。本来なら、このグラフのみから性別による主効果は「ある」と言えます。なぜなら、2本線が完全に一致していないからです。)

つまり、「交互作用がない」ということになるのですが、このグラフは、オレンジの線と青の線が平行線を描いてますよね?

パターン②〜主効果も交互作用もない場合〜

2つ目のテスト結果は、次のようになりました。

これを先ほど同様にグラフ化しました。

先ほどと違って、勉強法AとBによる差がありません。

つまり、「勉強法」という「要因」による「主効果がない」ということになります。

「性差」も同様ですね。

(※ただし、このグラフではわかりやすくするために2本の線の間に空白を作っています。本来なら、このグラフのみから性別による主効果は「ある」と言えます。なぜなら、2本線が完全に一致していないからです。)

ということは、当然「交互作用もない」ということになるので、先ほど同様にオレンジの線と青の線が平行線を描いているというわけです。

パターン③〜勉強法と性差による主効果がどちらもある場合〜

3つ目のパターンのテスト結果も同様にグラフ化しました。

これは1つめと同様、勉強法AよりもBの方が優れていますね。

ということで、「勉強法」という「要因」による「主効果あり」と言えます。

さて、もう一つの「要因」である「性差」はどうでしょうか?

1つ目のパターンに比べると、同じ勉強法を用いても性別によりテストの点数に開きがありますね。

つまり、「性差」という「要因」についても「主効果あり」と言えそうです。

では、「交互作用」についてはどうなのでしょうか?

みなさんご察しの通り「交互作用もない」ということになります。

なぜなら、グラフが平行線を描いているからですね。

ただ、もう少し説明を付け加えるなら、男性にしろ女性にしろ、勉強法AとBをの平均点の差を比較すると、その差は「50点」ということになります。

ですのでう、「性差による勉強法の効果の違いがない」と言えるため、それすなわち「交互作用がない」ということになるのです。

交互作用がある場合のグラフ

さて、「交互作用がない場合」は「グラフの2本線が平行」ということがわかりました。

ということで、お次は、「交互作用がある場合」についてのグラフ型をみていくことにしましょう。

こちらは主に2つのパターンがあります。

パターン①〜主効果と交互作用がある場合〜

これまで同様勉強法AとBを男女別に検証したところ、テストの平均点は、以下のようになり、これをグラフ化しました。

結論をまず確認すると、これは青線とオレンジ線が「平行ではない」ので「交互作用がある」とわかります。

男性にしろ女性にしろ、勉強法Aを使った場合よりも、勉強法Bを使った場合の方が、平均点が高いので、「勉強法」という要因による主効果があるといえます。

加えて、どちらの勉強法を使おうが、女性に比べて男性の方が得点が高いとわかります。

よって、「性別」という要因の主効果もあります。

一方で、男性に勉強法Aを使った時の得点は「50点」で勉強法Bを使った時の得点は「80点」です。ということは、この勉強法の効果を数値化すると「30点」ということになりますね。

しかし、女性の場合は、この効果が「50点」です。男性に使った時より、「20点」も高いことがわかります。

これは、「勉強法」という「要因」が「男性」に使うか「女性」に使うかという「もう片方の要因」に影響されることを意味していますので、このような現象を「交互作用」というわけです。

そして、この交互作用による「影響」というのは、具体的には「効果の大きさ」です。

ということは、これは「順方向の交互作用」ということになりますね。

パターン②〜交互作用のみある場合〜

最後のパターンは以下の通りです。

まず、「勉強法」という要因についてみると、「性別」によって、良い結果をもたらすのか、それとも悪い結果なのか異なります。このような場合、「勉強法の主効果はない」と判断します。

また、「性別」という要因について見たときも、「勉強法」によって、男女の高低が入れ替わってます。したがって、「性別による主効果もない」と言えます。

では、「交互作用」はどうでしょうか?

もちろん「交互作用はある」ということになります。なぜなら、2本線が「平行ではないから」です。

これも、「片方の要因」が「もう片方の要因」に影響されることを意味しています。では、その「影響」とは何か?というと「効果の方向性」です。

ということは、これは「逆方向の交互作用」ということになるわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

交互作用がある場合とない場合の違い、その具体的なパターン、おわかりいただけたでしょうか?

最後に、本エントリーのまとめをしてお別れです。

  • 交互作用がある場合のグラフ・・・・平行
  • 交互作用がない場合のグラフ・・・・平行でない
  • 交互作用には、「順方向」と「逆方向」の交互作用がある
  • 順方向は「効果の大きさの違い」を意味する交互作用
  • 逆方向は「効果の方向性の違い」を意味する交互作用

ということですね。

今回は以上になります。

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