人間性心理学とは?わかりやすく

理論

この記事は、

  • 人間性心理学ってなに?わかやすく要点だけ教えて欲しい
  • 人間性心理学って第3の心理学なの?じゃあ第1と第2ってなによ?

という疑問を持たれている、勤勉な方に向けて書いています。

人間性心理学とは

まずは、結論ファーストでいきましょう。

人間性心理学とは、人間を全体として、還元的にではなく、自由意志を持った非決定論的・実存可能な存在(実存主義)として捉え、自覚ないし気づきを重視する。もっとわかりやすく言えば、人間を”心ー体ースピリット”の分かち難い一つの全体として捉える学問のことだそうです。

いやはや、小難しい単語がたくさんでてきて困っちゃいますね。

というわけで1つずつ言葉を確認していきましょうか。

還元的とは

まず、謎なのが、「還元的」という言葉ですね。

複雑な全体を分解してパーツを調べることで全体を理解しようとする一般的に用いられている科学的手法

引用:wikipediaより

なるほど。

  • 還元的=科学的
  • 科学的=全体を細かく分解する
  • 細かく分解した1つ1つをよく理解する
  • それを全体理解に役立てる

ということですね。

で、人間性心理学は、そういう考えではありませんよってことですね。

「人間を全体として」捉えるよって言ってますね。

何が全体かというと、「”心ー体ースピリット”の分かち難い一つの全体」といことなんですね。

なんか、「心ー体ースピリット」とか言ってる時点で、分解しちゃってるような気がしなくもありませんが、それは優しく横においておきましょう。

非決定論的

で、次に意味不明な単語は、「非決定論的」という言葉ですね。

人間の意志は他のいかなる原因によっても決定されず、自分自身で決定するという説。(引用:コトバンクより)

つまり、人の意志は「原因と結果」で語れるようなもんじゃないよってことを言いたいのでしょうか。

実存主義

続いて「実存主義」という言葉。これが一番わからんですね。

人間の実存を哲学の中心におく思想的立場。合理主義実証主義に対抗

(引用:コトバンクより)

これは先ほどの「非決定論」の部分と呼応しているように思いますね。

実存主義は、一般論ではなく、自分自身が今いかに在るかに向き合いつつ、個々の人間の在り様をありのままに捉える立場であり、かつ、その人、あなた、私にとってのそれがどのようなの意味を持つのかということが重要なのだそうです。

したがって、「その人が経験している感覚」というのは、「代替不可能」なものと考えるのが、この実存主義的な考え方ということですね。

これは、人間性心理学に限らず、人として重要なことだと思うんですよね。

例えば、僕が会社員時代のことですが、定年前の老人講師から研修を受けていたことがありました。その研修には僕をふくめ6人の受講者がいたのですが、そのうちの1人がPCでノートを取っていました。そのほかの人間は、皆ノートでメモを取ってましたから、世間一般ではあまり望ましいことではなかったのでしょう。当時は。

それを見た講師は「君、人が話してる時にPCをいじって失礼じゃないか」と怒ったのです。しかし、今考えれば、「僕にとっては」特に失礼でないと思いますし、少なくとも「PCでノートを取ってた人にとっても」それは「失礼ではない」ことだったのでしょう。しかし、その講師にしてみれば「失礼なこと」だったのです。

これが「実存主義」ということなんですね。

これはおそらく社会構成主義とも被る側面がありましょう。

第1、第2の心理学とは

続いて、「人間性心理学って第3の心理学なの?じゃあ第1と第2ってなによ?」という疑問に対する回答を示します。

  • 第1の心理学・・・精神分析(深層心理学)
  • 第2の心理学・・・行動療法(実証心理学)
  • 第3の心理学・・・来談者中心療法(人間性心理学)

こうなります。

ちなみに、現在では、第4の派閥として、家族療法がありましょう。

このように、現代の大枠は、”実証的心理学”、”深層心理学”、”人間性心理学”の3つに大別することができ、人間性心理学はこの中でも最も新しく台頭した領域であると言われています。

人間性心理学

 人間性心理学は、マズローにより提唱され、人間性心理学を行動主義、精神分析に対する第3の潮流として位置付けられています。

この3つの違いを簡単に触れておくと

  • 精神分析・・・人の「内面」に注目
  • 行動療法・・・人の「行動」に注目
  • 来談者中心療法・・・人の「物の見方」に注目

とこのようになりますね。

人間性心理学の特徴

人間性心理学のアプローチ

ここまで述べてきた通り、人間性心理学のキーワードは、”全体性”、”気づき(今、ここ)”、”実存主義”、”現象学”などの考え方が基盤となっています。

そして代表的な例には、来談者中心療法、フォーカシング、交流分析、ロゴセラピー、ゲシュタルト療法、集団療法、心理劇、エンカウンターグループなどがそれです。

各心理療法の詳細はリンク先にゆずるとして、ここでは、人間性心理学の根幹となっている、現象学について少し触れておきましょう。最後に。

現象学

 現象学とは、フッサールが体系化した哲学のことです。現象学は心理学だけではなく、社会学・精神医学・看護学・保育学などの他の学問領域に大きな影響を与えているとも言われています。

 哲学における現象学とは、現象の本質を探る学問であり、現象をできるだけありのままに記述することをその方法的な基盤としているのが特徴です。

現象学的立場に立つ学問的態度とは、既存の学問や概念を通して人間を捉えようとするのではなく、生の人間あるいは生の人間とのかかわりを通して学問や概念を捉え直す試みです。

つまり、先行している概念や理論に人間を当てはまめるのとは真逆のアプローチということになりますね!

これは実存主義ともかなりかぶりますね。

つまり、共通部分があるということは、それだけ重要だということがわかります。

これが「人間性心理学」なのです。

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