被験者内計画と被験者間計画の違い

研究法

この記事では、「被験者内計画と被験者間計画の違い」についてまとめておきます。

ざっくり概論程度の知識なので、大学院をこれから受験される方の勉強に向けにお役立てください。

被験者間計画(between subject design)とは

被験者間計画とは、1人の被験者ないし、1つのグループに属する被験者を1つの条件のみに割り当てる研究計画のことです。

例えば、勉強法Xの効果を検証するために、勉強法Xに被験者Aを割り当てこれを実験群とし、従来の勉強法Yに被験者Bを割り当てこれを統制群として1ヶ月後の成績の違いを測定したとしましょうか。

この場合、1ヶ月後の被験者XとYの成績の違い比べるため被験者間計画なので、これすなわち、独立変数として設定された勉強法という要因の2つの水準間で比較をしていることになり、勉強法AとBの効果を検証するということですね。

独立変数とか従属変数がわからない方は申し訳ないけどお話にならないので基礎から勉強してください

被験者内計画(within subject design)とは

一方、被験者内計画とは、同一の被験者に複数の条件が割り当てられる研究計画のことす。

先ほどの勉強法の例を使いまわすと

ある被験者が勉強法XもYも経験するということです。

勉強法Xを受ける最初の2週間を実験条件として設定し、その後の2週間を勉強法Bを受ける統制条件として設定するわけです。

このように、勉強法という要因を構成するXとYの水準間の違いを、同一の被験者のテスト結果によって比較するため、被験者内計画と呼ばれますね

 

被験者内計画と被験者間計画のメリット・デメリット

以上の、被験者内計画と被験者間計画の特徴を踏まえると、それぞれの長短は次のようになるでしょう。

第一に、被験者間計画は被験者内計画に比べ、被験者の数が多く必要ですよね?

逆に言えば、被験者内計画は被験者の数が少なくてすむ。上記の例で言えば、前者であれば、1要因2水準の計画に対し最低でも2人の被験者が必要であるが、後者であれば1人でよいということになります。

第二に、被験者間計画は、被験者の負担が軽いといった長所があります。

逆に言えば、被験者内計画は負担が重いということですね?

前者の場合、被験者はそれぞれ1つの勉強法を覚えれば良いだけであるが、後者の場合は、2つの勉強法を覚えねばならず、期間が同じだとしてもその労力が異なるし、仮に期間を揃えたとしてら、前者の場合に比べ1ヶ月も長く勉強を続けることになるからです。

被験者内計画に特有のデメリット

 被験者内計画の場合、練習効果と順序効果などの影響も考慮する必要がある。勉強法Xの効果に遅効性が疑われる場合、実験条件と統制条件を一度ではなく交互に2回ずつ繰り返すこともある。その場合、勉強法それ自体ではなく、被験者の勉強法Xの習得程度に違いが生まれ、それにより学業成績が向上する可能性がある。これは、勉強法それ自体の効果ではないと考えられるため、練習効果と呼ばれる。また、被験者が3人いたとして、その全員に対して勉強法Xの効果が証明されたとしても、どの被験者も勉強法Yの後に勉強法Xを実施した場合、その順序によってあらわれた効果である可能性が疑われる。つまり、手順を逆にすれば結果が違ったのではないかという話です。

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