※この記事は、2018年に作成し、2025年6月に更新しています。
8月に研究室訪問を実施したため、その手順と記録を残しておく。
大学院を受験するにあたり、誰もが1度くらい頭をよぎるのがこの”研究室訪問”。僕は特に、完全に独学であったため、得られる情報に限りがあった。ネットでの情報を見ると、した方がいいという意見もあったし、しなくてもいいという意見もある。
そこで、一度研究室訪問をする理由を自分なりに考えてみたのだ。
なぜ研究室訪問をするのか
これもネットを見てると、教授との相性を見るためとか、研究室の様子を見るためとか色んなことが書かれていたのだが、結局、今何よりも大事なのは、大学院に受かるかどうか。この一点だけなのだ。受験生の立場としては。
つまり、自分に好印象を持ってもらい、それにより面接の評価が少しでも高まることではないのか?と僕は思う。それを口にはしないけれども。本音はそういうこと何ですよ。だって、研究の内容ができるか?とか、教授との相性が合うか?とかぶっちゃけ入学してしまえばどうにでもなりそうだし、教授と一度会っただけで相性が合うかどうかなんてわかるはずもない。その上、「研究室訪問した経緯から、教授と相性が合うと思いました。」なんて言ったらバカ丸出しだろう。僕が試験管なら、「なんて、浅はかな人何だろう」と思ってしまう。
だから、研究室訪問を試験外のポイント稼ぎの場として僕は捉えていた。とは言っても、それだけで、合否が決まるなんてことはあり得ないので、全く同じ能力の応募者が
2人いて、どっちか一人選ばなきゃいけないってなった時に、資格の所有の有無で優劣つけられるくらいの気持ちですけどね。
手順
そういうわけで、研究室訪問をする際に僕が踏んだ手順をここに残しておく。
①各大学院の入試課に電話
まずは、研究室訪問の方法や可否、アポをとるために、大学院の入試課に電話をした。ただし、希望する日程とどの教授を訪問したいかぐらいは、最低限答えられる様に準備しておくこと。その結果から得た、パターンは以下の3通り。
パターン①
研究室訪問は推奨していないが、教授がweb上で公開している場合は、直接交渉OK。可否はその教授次第。
パターン②
研究室訪問をやっており、事務方を通して教授にアポを取ってくれる。
パターン③
研究室訪問を禁止している。
②アポの取得
研究室訪問の可否とアポ取得の方法がわかったところで、メールと電話でアポイントを打診することにした。
③研究室訪問の準備
アポイントを取得したところで、次は当日のための最低限の準備をせねばならない。教授に「この人に来て欲しい」とまではいかなくとも、「この人だったら、問題なさそうだな」くらいには思って欲しい。そうすると、何をしなければいけないかがおのずと見えてくる。
研究計画書の草案
これが最も重要なことだろう。自分が扱おうとしてるテーマが実際に研究できるか否かというだけでも、面接の際にはアピールポイントになる。研究室訪問を推奨していない大学院ならなおさらだ。
教授についてリサーチ
大学院で公開している教授のプロフィールや、教授が公に発表している研究テーマぐらいは、知識として頭に入れておく。最低限ね。
質問を考えておく
あらかじめ何を聞きたいか考えておく。そのためのリサーチでもあったわけだ。ちなみに僕が聞いたの質問は以下。
①研究テーマについての可否(ただし、概要を説明した上でその質問を投げかけた)
②教授が今後扱おうと考えている研究テーマ(「今までは、◯◯とか、△△と行った論文を発表されてますけど、今後は〜?という様な聞き方をする。これによりリサーチ力をアピールできる。)
③教授の経歴(これも教授の経歴が情報公開されている場合は、◯◯での勤務経験に興味を持ったんですが、どんなことされてたんですか?の様な聞き方が望ましい)
④学生の卒業後のキャリア
⑤社会人学生の割合
準備したのは、以上5点。
教授がその場をハンドリングして話を展開してくれたことや、同席していた研究生から内部事情を聞くこともできたので、なんだかんだ1時間くらいはいたのではないかと思う。
手土産を持参する
1000円程度でもいいので、何かしら持って行った方がいいだろう。メールとかで聞けるなら、事前に甘いものは食べれるか?研究生の人数は何人か?くらいは確認しておくべし。ちなみに僕が持参したのはこちら。
当日の服装
もちろんスーツ。教授が女性の時は、身だしなみと匂いには気をつけるべし。特に夏は。直前にタバコなんて吸うのは言語道断ですよ。
で、結局研究室訪問はした方がいいの?
この疑問については、僕の答えは”YES”だ。なぜなら、僕の様に、独学でやってると情報がネットに依存しがちになる。そういう意味では、生の情報を得らるというのは大きかったと思う。特に、試験に関するオフレコの情報がもらえたりもするからだ。例えば、英語の出題領域に関するヒントや、面接で評価してるポイント、研究生が面接の時に聞かれた質問、研究計画書に対する助言etc….あるいは、面接の際の志望動機のためのネタ作りにもなる。おそらく志望動機を聞かれて、「××の分野に明るい、◯◯教授がいるから」みたいなことを言う人も多いのではないだろうか。しかし、当然ながら「A大学の△△教授の方がよくない?」と質問をされると返せなくなる。なので、こう言った質問への対策のために、研究室訪問で、教授の考えとか、信念とか、その時発した言葉を交えて志望動機を考えておくと、他の受験生との差別化にもなるし、血の通った自分にしかできない回答になる。
とまあ、
最終的に、僕が教授に気に入られたかどうかはさておき、合格可能性を1%でも上げるための情報が得られたという観点から、研究室訪問をした意味はあったと結論づけている。
・・・と、ここまでが、私が大学院を受験する際に書いた内容です。
「今、ここ」の私から、「あの時、そこ」の私へ
そして、ここからは、2025年の僕が当時のことを振り返って答え合わせをしてみたいと思います。
なぜ、こんな記事を書こうとおもったのか?
それは、以下のポストがきっかけでした。
大学院の研究室訪問(オンライン)、今週末に控えているのですが、、
— てん (@ten0197) June 10, 2025
「これは聞いといてよかった!」みたいな質問あれば教えてほしいです🙏
受験予定の方や経験者の方、アドバイスいただけたらうれしいです〜!
初めてで緊張してます💧
で、自分自身も同じ悩みがあったのでしょう。
だから、質問を事前に考えているわけですね。
ただ、自分が用意した質問を全部したわけではないし、それをしたから「よかったか?」
と言われると
正直「わからない」というのが答えです。
なぜなら、評価ができないから。
となると、
「良かったかどうか」
を判断するためには、何かしらの基準を持って自分のブログを見直していく必要があります。
聞いたら良いであろうと考えられる質問
ということでまずは、「『これ聞いといたらよかった!』というような質問は?」という問いの答えを示しておきます。
聞いたら良いであろう質問例
- 「自分の研究テーマがまだ漠然としているのですが、受験段階ではどの程度まで固めておくと良いでしょうか?」
- 「ゼミの先輩方はどんな研究をされているのでしょうか?」
- 「(研究計画書は提出した前提)このような研究を考えているのですが、先生のゼミでご指導頂くことは可能でしょうか?」
- 「自分なりに作成したのですが、足りない視点などあればご指導頂きたいです」
- 「先生の専門領域と〇〇という点で繋がりを感じたのですが、先生のゼミで指導頂くことは可能でしょうか?」
- 「過去問をみてると先生の専門領域から出題が多い傾向にあるようなのですが、その辺りはしっかり抑えておいた方が良いでしょうか?」
- 「研究への意欲や臨床への関心をどう伝えるかに悩んでおり…面接の際に先生が注目されているポイントなどありますか?」
聞いたら良くないであろう質問例
- 「何を勉強すれば受かりますか?」
- 「面接では何が聞かれますか?」
- 「研究計画はどこを見られますか?」
良いと、良くないの判断基準は?
では、結論を示したところで、その思考プロセスについて綴りたいと思います。
まず、2018年大学院受験の僕は研究室訪問の位置づけを
「合格可能性を1%でも上げるため」
としていました。
であれば、受験に関係ある情報を聞ければ「良かった」ということになります。
では、受験に関係あることとはなんでしようか?
それはもちろん以下の3つですね。
- 研究計画書
- 筆記試験
- 面接
ですので、先ほどの質問はこれらの情報を得ることを意図した質問になります。
ただ、先ほどテンさんのポストを見た時に、聞いてよかった質問として先ほどの様な質問を僕は想起できませんでした。
なぜなら、2018年当時、僕はあれらの質問をしてないからです。
なので、「聞いたら良いであろう質問」を考える前に
「研究室訪問をしてよかったことって、なんだっけ?」
という問いの答えを整理する必要がありました。
その結果が以下です。
- 研究計画の加えた方が良い視点についてアドバイスがもらえた
- 手土産を喜んでもらえた
- 試験勉強の方法がきけた
- 面接のネタができた
- 試験の傾向がきけた
- 入学後に声をかけてもらえた
- 先輩を紹介してもらえた
そして、これらの結果を「合格のために」という視点で眺めた時に、以下のような視点で整理できることに気づきました

これは、「機能的ー情緒的」と「長期的ー短期的」の軸で情報を整理したマトリックスです。
で、ここで狙うべきは
「機能的×短期的」の左下のマス目になります。

ですので、これらのフィードバックを得られること逆算して、意図した通りの結果になれば
その質問は「聞いてよいであろう質問」ということになります。
良くない質問の理由
一方、以下の質問が良くない理由についても触れておきます。
- 「何を勉強すれば受かりますか?」
- 「面接では何が聞かれますか?」
- 「研究計画はどこを見られますか?」
それは、単刀直入すぎるからです。
そもそも、大学院生というのは、自主的に勉強する姿勢が求められます。
なので、こんな質問したら

「そんなの、自分で考えろや」
なんてことになりかねません。
なので、聞き方は大事ですよということです。
質問というのは、手段の1つにすぎない
ただし、何度もいいますが、先ほどリストアップした「よいであろう質問」を僕は先生にしてません。
もちろん研究テーマについての相談はしましたが、面接がどうとか、勉強がどうとかそういう質問はしていません。
先生が教えてくれたのです。
つまり、先生もわかっているのです。
学生が、どういう情報を求めているのかということを。
ですので、「受験のため」という気持ちが先行してしまう気持ちもわかりますが、「先生と良い関係を築く」という姿勢が何より大事なように思います。
そうすれば、自然と、受験のための情報を先生はくれるはずです(^^)
頑張ってきてください♪
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