【論述対策】コミュニティアプローチと他のアプローチの違いについて

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コミュニティアプローチと他のアプローチを対比させ、その意義と留意点を述べよ(523文字)

コミュニティアプローチとは、臨床心理士の専門業務の1つである、臨床心理学的地域援助がこれに該当する。そして、コミュニティ・アプローチの実践は、従来型の臨床心理学的支援とは、様々な点で異なる。

 

 まず、支援の対象は、不適応状態にある個人ではなく、個人を取り巻くコミュニティである。また、心理療法のような、支援活動を臨床心理士一人で行うのではなく、コミュニティ成員との協働を想定する。そのような支援は、臨床心理士だけのものではなく、他領域の専門家や生活者のもつ能力・技能を活かすものとなる。そういった中で、臨床心理士の役割は、心理療法のような直接的支援ではなく、活動を行う人々へのコンサルテーション、あるいは、活動を担う人々の連携(リエゾン)の構築など、間接的な関与も多くなる。

 コミュニティアプローチの目標は、病的な個人の治療ではなく、不適応状態の予防である。予防には、不適応に陥らないようにする1次予防、不適応の初期にある人々の重症化を防ぐ2次予防、不適応状態からの社会復帰を支援して再発を防ぐ3次予防の3種類がある。

 それらを実現するために、人間の不適応的な側面ではなく、個人の社会環境における自己効力感をエンパワメントすることが求められる。

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