【論述対策・150文字】心理学研究法について

大学院受験

※この記事は2018年に書いたものです。

以下は、心理系大学院受験の論述対策として、題目ごとに150文字程度にまとめたものです。

現在進行形で大学院を受験される方は、勉強のお供にお役立てください。

本記事のテーマは「心理学研究法」についてです。

研究法

研究の際の具体的なデータ収集方法は以下の通り。

実験法(164)

実験法とは、独立変数のみ異なり、他は全て統制された2群を用意し、従属変数の比較を行う手法。実験法によるデータ収集は、因果関係を明らかにできるという利点がある。ただし、実験という特殊な環境で起こったことが現実場面でも必ず起こるとは言い切れない。そのため、実験法から得られた知見については、現実場面に、適用できないという批判がある。

質問紙法(146)

質問紙法とは、質問紙を配布しそこに記入を求めることで、データを集める手法。質問紙法は、実験法と比較して実施が容易で、しかも多くの人数からデータを集めることができるため、広く用いられる。一方で、質問紙法の欠点には、現実自己ではない理想自己が反映されなど、回答の歪みが生じやすいことが挙げられる。

観察法(149)

観察法は、調査者自身が調査対象を、直接観察して把握する手法。観察法は、言語を必要としないため特に言語が困難な対象に適用できるというメリットがある。欠点としてはあくまで自然な行動を対象とするため、観察対象の行動が静止するまで待たねばならないこや、データの収集に、観察者の主観が含まれる点が挙げられる。

面接法(144)

面接法は、調査者が被調査者に直接質問して、口頭で回答を求める手法。面接法は、服装や髪型、視線やしぐさ、声色や話し方などの、非言語的情報収集が可能な点で有用である。しかし、情報の収集にあたり、調査者の主観が入りやすいことや、数量化が困難であるため、得られた知見を一般化することが困難である。

尺度水準(179文字)

尺度水準とは、測定された数を、その数の意味や性質に沿って分類する基準のことで、以下の4つがある。1つは、等間隔性があり絶対原点を持つ比例尺度、2つ目は、等間隔性はあるが、絶対原点を持たない間隔尺度。3つ目は、等間隔性がなく、大小関係をもつ順序尺度。4つ目は、等間隔性も大小関係もない分類のみを表す名義尺度。尺度水準が名義尺度に近づくほど統計処理は困難になる。

 

リッカート法(151文字)

「良いー普通ー悪い」といった評価に対して、それぞれ得点を割り振ることで、評価を数量化する手法。リッカート法は、等間隔性を持たず、数値の大小関係のみを示す、順序尺度と考えられる。例えば、良いに3、普通に2、悪いに1が割り振られていたとしても3と2の間隔が、2と1の間隔と等しいという保証がないからである。

法則定立的研究(134文字)

法則定立的研究とは、人間の心や行動に関する普遍的で一般的な法則を導き出すことを目的とする研究のことである。心理学が、「哲学的な思想で人の心を語るのではなく、客観的なデータを収集し、それを明確な根拠として人の心に関する理論を構築する科学」だと考える基盤になっている研究。

個性記述的研究(145文字)

個性記述的研究は、自然な現実場面で、時間の経過とともに変化する特定の個人をありのまま記述していくことを目的とする研究。あくまで個人の記述であるため、得られた知見を一般化することは難しいが、法則定立的研究で導かれるような一般法則では分からない個人の微細な側面を総合的に捉えることが可能である。

度数分布表(156)

データの度数をまとめた表のことで、度数とは、ある値を示すデータの個数のこと。度数分布表からヒストグラムを作成することで、データの特徴を直感的に理解し、分析の方向性を確認したり、逸脱データを発見したりすることができる。また、データの値範囲が広い場合は、階級と呼ばれる幅の設定をしデータを捉えやすくすることができる。

代表値(170)

代表値とは、その名の通り、データを代表する値のことを示し、平均値、中央値、最頻値の3つがある。平均値は、データの総和を度数の総計で割った値。統計処理には向いていいるが外れ値に弱い。中央値は、データを大小順に並べた時に中央に位置する値。最頻値は、度数の値が最も大きい値のこと。中央値と最頻値は、統計処理に向かないが、外れ値の影響を受けにくい。

正規分布(159)

ヒストグラムが、完全に左右対称で釣鐘状の形になった度数分布のことをいう。正規分布は、以下のような特徴を有している。第一に、平均値を中心に左右対称。第二に、平均値±SDの範囲に全体の68.3%が含まれる。第三に、平均値とSDの値により形状が変化する。第四に、実際の分布ではなく、理論的に得られた理想的な分布のことである。

標準化(160)

標準偏差とは、平均値や標準偏差が異なるデータを比較可能な状態にする手続きのこと。具体的には、平均から標準偏差いくつ分離れているかを表す標準得点を求め、平均からの距離で比較を行う方法である。平均値やSDが異なっているとそれぞれの数値の持つ意味が異なってくるため、得点を単純比較することができないために、標準化が必要となる。

相関係数(156)

2つの変数の関連の強さを表す値のことをいう。この値は-1から+1の範囲をとり、±1に近いほど相関が強く、0に近いほど無相関となる。相関係数がマイナスになる時は、ある変数の値が大きければ大きいほど、片方の変数が小さくなり、これを負の相関と呼ぶ。一方で、ある変数に比例して片方の変数が大きくなることを正の相関と呼ぶ。

因果関係(167)

因果関係とは、明確な”原因と結果”が存在する共変関係のことであり、相関関係があるから因果関係があるわけでは無い。因果関係の成立には、以下の3つの条件が必要。まず、原因が結果よりも時間的に先行していること。次に、因果関係に、必然性と整合性があること。最後に、他の変数を取り除いても、原因と結果に相関関係があることの以上3つがあげられる。

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