【論述対策・150文字】心理療法について

大学院受験

※この記事は2018年に書いたものです。

以下は、心理系大学院受験の論述対策として、題目ごとに150文字程度にまとめたものです。

現在進行形で大学院を受験される方は、勉強のお供にお役立てください。

本記事のテーマは「心理療法」についてです。

行動療法(158文字)

行動療法とは、心理的問題に対する技法として、スキナー、ウォルピ、アイゼンクらによって体系化された心理療法の1つ。問題行動を誤った学習によるもの、あるいは、適切な学習がなされなかったものとみなし、不適切な学習の消去と適切な学習の獲得を目指す心理療法である。学習理論に基づき、直接観察される、行動のみを治療対象とする。

新行動SR仲介理論モデル

古典的条件付けに基づく理論です。

系統的脱感作法(163)

ウォルピによって考案された、古典的条件付けの応用による代表的な技法。具体的には、まず、筋弛緩法を習得する。次に、不安を感じる場面を段階的に並べた不安階層表を作成する。リラックス状態と不安を感じる場面のイメージを対提示させることにより不安を逆制止していき、その際、不安の低いものから高い生物やと系統的に条件付けていく方法である。

応用行動分析モデル

オペラント条件付けに基づく理論です。

行動変容法(171)

オペラント条件付けの理論を応用した行動療法の総称。基本的な考え方は、不適応行動に消去や干渉の手続きを取り、適応的な行動に強化の手続きをとる。より適応的な目標行動を学習するためには、不適応な行動が生じやすい場面を分析した上で、目標行動が生じやすいように動機づけをし、スモールステップにわけて段階的に強化していく シェーピング の方法がとられる。

バイオフィードバック(148)

自らの意思ではコントロールできない様々な体の状態を、視覚的にモニターすることを通して、体の反応を意図的に統制できるようにする訓練技法のこと。例えば、心拍数が一定値を超えるとランプが点滅したり、ブザーが鳴ったりする器具を使うことにより、意図的に心拍数を下げるように心身をリラックスさせる練習をする。

トークンエコノミー(167)

適応的な行動が生起した時に、代用貨幣であるトークンを与えることにより、その行動を強化する技法。トークンは、一定枚数集めると、好ましい物と交換されることで、正の強化子として働く。例えば、家庭内だけで適用するトークンを作り、子供が挨拶をするといった適応的な行動をした場合に、トークンを与える。トークンが10枚集まると、おかしと交換される。

タイムアウト法(147)

子供の問題行動を、感覚遮断によって沈静化させる訓練技法。問題行動を制止するために子供に向けられる注意は、逆に問題行動を強化し維持する場合がある。そこで、問題行動が生じたら、教育者や治療者はそれに取り合わずに、近くに用意してある小部屋であるタイムアウト室に子供を行かせて、問題行動の沈静化を図る。

社会学習理論モデル

学習理論に基づくものです。

モデリング療法(148)

直接経験せずともモデルとする他者の観察と模倣によって成立する学習のことモデルとする他者の行動が強化されたとき、その強化は観察者にとって代理強化となり、直接行動を起こしていない観察者も同様の強化が得られる。モデリング療法は、不適応行動の消去と適応的行動の獲得が同時に進むため、効率的であるとされる。

認知行動療法モデル

認知療法と行動療法の統合モデルです。

認知療法(153)

無意図的に頭に思い浮かび、自らを否定するような考えである否定的自動思考に気づいて、それを修正していくこと目標とする心理療法。具体的には、クライエントが日々の活動記録を付け、治療者との話し合いを通して、自らの思考や感情を現実的に検討してい治していく方法をとる。うつ病や不安障害に有効とされ、ベックが提唱した。

論理情動療法(REBT)(174)

個人の問題を、認知的、感情的、行動的な面から多角的に捉え、積極的に介入して問題解決を図ろうとするエリスによる技法。人はある事件(A)についての信念(B)を持ち、その結果(C)から悩みを持つようになる。しかし、そのもとの非合理的な信念を粉砕(D)することで、結果(E)として、生活に必要な能力が養成できると考える。この考えは ABCDE 理論と呼ばれる。

認知行動療法(142)

認知療法の技法と行動療法の技法を効果的に組み合わせて用いる心理療法の総称。物事の認知を変えることで、行動の変容を促すことを目的とする。心理療法の中でも比較的新しく発展してきた領域で、意識の存在を軽視する行動療法に対する批判から、人間の意識的な認知作用を再び重視する流れの元に生まれた。

社会的技能訓練(169)

生活の中で必要とされる様々な対人的行動の獲得を目的として行われる、小グループによる体験学習。リバーマンらによって体系化された。現在では、認知行動療法の一種としてとらえられている。日常の具体的場面を想定し、ロールプレイングによって会話技法や感情表現をトレーニングする。肯定的な評価や共感的な対応といった、正のフィードバックを与えるのが特徴。

アサーショントーレニング(147)

平木典子により導入された、他者も自分も大切にする自己表現のトレーニングのこと。具体的には、他者との合意を必要とする場面を想定し、DESC法やIメッセージなどを用いてトレーニングを行う。行動療法から派生したコミュニケーションスキルのトレーニングであり、現在では認知行動療法の一種と捉えられている。

人間性心理学(185)

人間を心、体、スピリットの分かち難い一つの全体とみる心理学の一潮流であり、マズローにより提唱された。行動主義、精神分析に対する第三の潮流として位置付けられている。人間心理学は、この自分自身が今いかに在るかをありのままを捉えようとする実存主義および、既存の学問や概念を通して人間を捉えようとするのではなく、その個別性から本質を捉えようとする現象学的アプローチを特徴とする。

来談者中心療法(150)

来談者中心療法は、ロジャースが考案した非指示的な技法を特徴とする心理療法のことをいう。来談者中心療法は、クライエントの自己概念と経験を一致させることで、自己実現を目的とする。ロジャーズは、そのためにはカウンセラーの態度が重要であるとし、無条件の肯定的配慮、共感的理解、自己一致の3つが必要だと述べた。

フォーカシング(169)

フォーカシングとは、ジェンドリンが考案した心理療法で、人間性心理学に基づいたアプローチ。フェルトセンスとは、漠然とした言葉にすることができない感覚のこと。これが言葉にできるようになると、滞っていた感覚が自己成長に向かうとされ、これをフェルトシフトという。このフェルトシフトに至るようカウンセラーが援助することがフォーカシングの目標である。

交流分析(143)

交流分析とは、アメリカの精神科医バーンが、「互いに反応しあっている人々の間で行われている交流を分析すること」を目指して開発された、対人関係に関する理論とそれに基づく技法。交流分析の目的は、人が強迫的に従ってしまう対人関係の様式を発見し、新しく適切な対人関係の様式を再構築することである。

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