【過去問振り返り】埼玉学園大学大学院(H29・Ⅱ期)

大学院受験

埼玉学園大学大学院 平成28年10月・過去問のまとめ記事です。

過去問の入手方法は、以下をご参考ください。

※以下は、答案ではなく、僕がその設題に答えるとこうなりますよというものです。正誤を担保するものではありません。

SG大学院の問題傾向 

①用語説明

4つの用語が並べられ、100字以内で完結に説明する形式の問題。

 単純に知識があるかどうかが求められる。

②論述

あるテーマが与えられ、それに対して600-800字で答える問題。

 より深い知識があるかどうかおよび、文章構成能力が求められる。

③小論

あるテーマとグラフデータが与えられ、それをもとに400字程度で考えを述べる問題。

知識というよりは、思考能力とそれを伝えるための文章構成能力および、表現能力が求められる。

相関係数(correlation coefficient)

相関係数とは、2つの変数の相関の強さを数量化した値のことをいう。相関係数は、-1から+1までの値をとる。±1に近いほど相関が強く、0に近いほど無相関となる。正式名称は、ピアソンの積率相関係数。(97字)

障害者総合支援法

障害者総合支援法とは、誰もが住みなれた地域で生活するために、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした法律。障害者自立支援法を改正し、基本理念やサービス対象者の拡大が盛り込まれた新たな法律でもある。(100字)

内的ワーキング・モデル

内的ワーキングモデルとは、乳幼児発達階において、発達初期の養育者との関係の中で形成される認知的枠組のこと。自分の要求に親が応じてくれたかどうかや、親との相互交流の経験をもとに形成される。(93字)

発達性ディスレキシア(developmental dyslexia)

発達性ディスレキシアとは、神経生物学的原因による障害のこと。基本的な特徴は、読み書きにおける、正確さや流暢さの困難が挙げられる。二次的に、読む機会が少なくなり、語彙や知識背景の発達を妨げる事にもなる。(100字)

 問題B

ある授業方法や学習方法の心理学的効果を確認する際、介入群(実験群)と非介入群(統制群)を設けて比較することがあるが、600字から800字以内でこの様な方法の利点と難点をそれぞれ述べなさい。

実験群と統制群を設定して比較する手法を、被験者間計画というが、

この利点(意義)は、客観的研究によって心理療法の効果を示し、それに基づいて実践を行うことは、科学的見地からも社会に対する説明責任を果たすことができるということが何よりの利点といえる。

被験者間計画の難点は、実利的な問題と倫理的な問題に分けることができる。

まず、実利的な問題としては、上記の様な2群比較のデザインの場合、効果の内容が不明のままに残される点が挙げられる。実験群に症状の改善が認められても、それが介入技法そのものによるのか、何らかの介入が導入されたことによる効果なのか、疑問が残る。

故に、複数の実験群を構成する計画を採用する場合が多い。例えば、実験群Aには、治療体型の全技法を、実験群Bには部分技法を施すといったいやり方がある。これを統制群も含め比較することで、心理効果を確かめることができる。

倫理的な問題としては、統制群にクライエントを割り当てることに対する倫理的な難点がある。研究のために、”心理療法を施さない”という選択を意図的に設定するにのは非倫理的であると言える。統制群のクライエントは、”心理療法を施さない”ことによって、来談回数、セラピストとの会話をする頻度、治療費の額、期待など様々な要因が実験群と異なることが予想される。すると、統制が十分にされず交絡が生じる。

これらの問題を解決するために、待機統制群を設定する方法がある。待機統制群とは、一定期間後に心理療法を施す群の事で、実験群と待機統制群を比較する手法がある。

また、実験群にも問題があり、効果があるか否か確定してない心理療法を施されることに対する非倫理性が挙げられる。(709字)

問題C

児童虐待は大きな社会問題であり、臨床心理学的な観点からも重要な支援領域であると言えます。図1、図2に児童相談所における対応件数を示しました。「社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」による第11次報告では、平成25年度4月1日から平成26年3月31日までの虐待死における0歳児の割合は、44.4%ともっとも多いことが報告されている。児童虐待に対する臨床心理学的支援として、どの様なことが重要と考えられますか?グラフの傾向を踏まえながら、取り組みの提言も含めて、あなたの考えを解答欄に400字程度で述べなさい。

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抑えるポイントとしては、以下の3つの点を踏まえた回答が望ましいと考えられる。

①対応件数が年々増加している

②虐待死でもっとも多いのは0歳児 

③被虐待者は、小学生、3-6歳、0-2歳順に多い

問題文および、グラフ情報をまとめると、①対応件数が年々増加している、②虐待死でもっとも多いのは0歳児 、③被虐待者は、小学生、3-6歳、0-2歳の順に多い、以上の3つが読み取れる。まず、虐待件数が年々増加していることについては、問題の顕在化という意味では、いい傾向とも考えれる。次に、虐待死でもっとも多いのは0歳児であるという問題と、被虐待者が0-12才で最も多いという情報の背景を考慮すると、望まれない出産であったことや、経済的・心理的に育児する者への社会環境が整っていない可能性が考えられる。以上を踏まえると、第一に、経済的に自立をしていない若年者とその周囲に対する心理教育や、出産に対する心理カウンセリングの裾野を拡充させる必要があると考る。第二に、小学校以下の育児者に向けた心理カウンセリングや、職場への心理指導も行う必要があると考える。(372字)

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