【過去問振り返り】帝京平成大学大学院(H28・10月・専門)

大学院受験

帝京平成大学大学院 平成28年10月・過去問(専門)のまとめ記事です。

過去問の入手方法は、以下をご参考ください。

※以下は、答案ではなく、僕がその設題に答えるとこうなりますよというものです。正誤を担保するものではありません。

早発性痴呆の概念を提示し、統合失調症概念の基礎を作った精神科医は誰か?

①Bleuler.E.(オイゲン・ブロイラー)・・・スイスの精神科医。クレペリンの提唱した早発性痴呆を改名し、スキゾフレニアという用語を創設した。

②Kretschmer.E(エルンスト・クレッチマー)・・・ドイツの精神科医。人の気質を研究し、類型学的に分類した。

③Jaspers.K.(カール・ヤスパース)・・・ドイツの哲学者。精神病理学総論の著者。

Krapelin.E(エミールクレペリン)→正解

⑤Jackson.H(ヒューリングス・ジャクソン)・・・イギリスの神経学者。中枢神経の”進化”と”解体”をキーワードに神経症の分析をした。

相関係数の記述のうち正しいものはどれか?

①順位尺度では相関係数を求めることができない→(誤)

(正)できる

②相関係数とは、2変数間の関連の強さを表す統計量のこと→(正)

③相関係数は、-1から+1までの値をとり、-1に近くなるほど無相関となる→(誤)

(正)2変数が強く関連している時ほど±1に近づき、0に近くなるほど無相関となる

④ある2変数間で見られた相関が、第3の変数の要因によって生じている場合を、見せかけ相関(疑似相関)という。→(正)

箱庭療法の記述で正しいものはどれか? 

①箱庭療法では、完成した箱庭を一緒に味わい、”この中であなたはどれですか?”と尋ねる。(?)

②河合隼雄はスイスのユング研究所でカルフに教えを受け、箱庭療法を日本に紹介した。(正)

③箱の大きさは決められており、箱を腰のあたりに置いた時、大体視野の中に入る程度という点を考慮し、ローエンフェルトが考案した(正)

※ローンフェルトのアイデアをもとに、カルフが発展させた技法。

④箱庭療法では、クライエントがどのように配置するかを含め、玩具の順番も全て記録する。(誤)玩具の順番は必須ではない

⑤箱庭療法では、クライエントの内的世界への没頭を重視し、セラピストは完成するまではあえて見ることなく、完成してから一緒に味わう。(?)

理論家と心理療法の組み合わせのうち適切でないものはどれか?

・Bowen.M(マレー・ボーエン)-家族療法→(正)

・Erickson.M(ミルトン・エリクソン)-短期精神療法(正)

・Klein.M(クライン)-集団精神療法(誤)→(正)ジークムント・フロイト(S.Freud

・Axline.V.M(アクスライン)-遊戯療法→(正)

・Rogers.C.R(ロジャース)-来談者中心療法→(正)

・Wolpe.J(ウォルピー)-行動療法→(正)

ナラティブ・セラピー(物語療法)に関する記述のうち適切なものはどれか? 

 ①ナラティブ・セラピーは、来談者中心療法を起源として、1970年代終盤期に生じた心理療法である。(誤)

 →家族療法を起原とした

②クライエントこそが自身の問題の専門家であり、セラピストはクライエントに教えを請うのが望ましいと言う考えを重視する。(正)

 →アンダーソンのアプローチに基づく”無知の姿勢”

③セラピーの場におけるクライエントの能動性を引き出すために、戦略的にセラピストのワンダウンポジションを推奨する。(誤)ワンダウンポジションが推奨されるのは家族療法

④心の実感に触れるよう、刻一刻と変化する体験過程を重視する。(誤)

てんかんに関する記述のうち適切でないものはどれか?

①てんかんの治療は抗てんかん薬を継続的に服用することである。それによって、現在では完治するとされている(誤) 

②てんかんの診断は、脳波検査による所見とてんかん発作などの臨床像から行われる。(正)

③てんかん発作が蔓延、または頻回に反復して発作前の状態に回復できない状態をてんかん発作重積という。その原因は抗てんかん薬の急激な中断や減量によることがある。(正)

④てんかん患者に特有の性格特性として、粘着性や爆発性がある。しかし、このような性格を示さない患者もいる。 (正)

以下の記述の正誤を答えよ

①佐治守夫(さじもりお)はユング派として、日本の神話と夢に関する業績を残した→(誤)

(正)ロジャースが提唱したクライエント中心療法を導入した1人。

②土居健郎(どいたけお)は”甘え理論”を通じて、日本人の心理的特徴を精神力動的理論から解釈した。→(正)

③古澤平作(こざわへいさく)はロジャース派として、ロジャースの著書を翻訳し、来談者中心療法の普及に貢献した。→(誤)

(正)日本にフロイトの精神分析を伝えた精神科医。

④片口安史(かたぐちやすふみ)は、ロールシャッハテストを用いた心理診断のための解析方法を確立した。→(正)

エリクソンのライフサイクルにおいて適切でない組み合わせをえらべ

①基本的信頼-不信

②自主性-依存性→(誤)

③統合-絶望

④親密性-孤独

⑤生殖性-停滞

ASDの説明として、適切でないものはどれか? 

①知的な遅れを伴うことがある→(正)

②成人以降に診断されることがある→(正)

③知覚の過敏や鈍麻は、診断基準に含まれない→(誤) 

④他者の感情や考えを理解することに困難さをもつ→(正)

 以下の記述のうち最も適切なものはどれか?

KJ法とは、川喜田二郎が創案した、仮説生成のためのデータの整理・分類法であり、量的研究を行う際によく用いられる。→(誤)

(正)KJ法は質的研究の仮説生成を行う際によく用いられる。

②リッカート法は、ある文章に対する合意・非合意や評価の程度について、いくつかの段階に区分された評定尺度を用いて測定する手法である。→(正)

③キャリーオーバー効果とは、本来効果のない偽薬を処方しても、暗示的な作用が働くことによって、症状などの改善効果が現れることをいう。→(誤)

(正)キャリーオーバー効果とは、前にある質問のために、後続の質問に対する被調査者の回答に歪みが生じること。

グラウンデット・セオリー・アプローチとは、質的な研究法の一つであり、既存の研究から想定される仮説を検証する仮説検証型の方法である。 →(誤)

(正)この手法は、データを取った上で、データに基づいた仮説や理論を立脚する方法である。既存の研究から想定してない。

以下の記述から適切なものを選べ

①一次予防とは、疾患の早期発見と早期治療である(誤)

(正)一次予防とは、疾病の発生を未然に防ぐ行為。早期発見と早期治療は、二次予防の説明。

②一次予防の方法の一つに、情報提供と教育がある(正)

③二次予防との方法は、リハビリテーションである(誤)

→(正)リハビリテーションは、3次予防の方法。

④三次予防とは、疾患の発生予防である。(誤)

→(正)三次予防は、重症化した疾患から復帰するための行為。疾患発生の予防は、一次予防のこと。

⑤一次予防、二次予防、三時予防の概念は、Butler.Rが提示した概念(誤)

→(正)Butler.Rは回想法を提唱した心理学者

空欄に該当する語句の組み合わせを選べ

 特定の疾患患者に特徴的なパーソナリティが報告されている。冠動脈疾患に罹患しやすい人のパーソナリティ特徴として攻撃性や焦燥感、達成努力の強さなどがあげられ、

( ① )パーソナリティと言われる。癌の発症と関連が報告されているパーソナリティ特徴として社会的同調性や感情抑制、依存性や無力感の高さなどがあげられ、( ② )パーソナリティと言われる。

①→タイプA

②→タイプC

ソーシャル・サポートに関する以下の記述のうち、正しいものを選べ 

①情緒的サポートとは、インフォーマルなネットワークから与えられるものだけを指す概念である。(誤)

→(正)インフォーマルに限らない。情緒的サポートとは、共感や愛情の提供を言う。

② 手段的(道具的)サポートとは、適切なアドバイスや利用可能な制度に関する情報提供などをさす。(誤)

→(正)これは情報的サポートの説明。

③情報的サポートとは、建設的なフィードバックや肯定的評価をすることによる支援である。(誤)

→(正)これは、”評価的サポート”の説明

④ソーシャルサポートにはストレス緩衝効果はない(誤)

→(正)ストレッサーの影響を和らげる効果がある。

⑤フォーマル・サポートとは、行政によるサービス、制度化されたシステムなどによる支援のことである(正)

 →※これに対し、家族や友人、ボランティアなど非専門職による非公式な援助をインフォーマルサポートという。

 以下の記述の正誤を答えよ

①チック症や吃音(きつおん)に効果があるのは、条件静止法で、負の練習とも言われる。(正)

②TEACCHプログラムは、ダウン症児療育プログラムとして作成され、構造化や視覚化により社会への適応を目指す内容となっている。(誤)

→(正)TEACCHは、自閉症(ASD)向けのプログラム

③自閉症スペクトラムでは、カナー型の自閉症からアスペルガー症候群など、広汎性発達障害を連続体として捉えている。(正)

④トゥトレット症候群では、汚言症や反響言語などが見られるが、成人すると症状はみられなくなる。(誤)

→(正)成人まで続く、あるいは、成人後に再発することもある。

 以下の記述の正誤を答えよ

①Klein.M.は、自由連想の代わりに遊びを用い、言語解釈を与えることを主張した(正)

②Klein.M.はFreud.S,が示したよりも早い4歳くらいの子供にもすでに超自我が形成されていると考えた。(誤)

→(正)クラインは、生後1歳ごろまでに超自我が備わるとした。4歳までとしたのは、フロイト。

③児童中心療法原則においては、子供の変化に必要な制限を時に与えるべきであるとされている。(正)

④児童中心療法原則においては、選択し、変化するかどうかの責任は、セラピストにあるとされている。(誤)

老年期に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい

①加齢とともに結晶性知能は低下するが、流動性知能は維持されることが示されている。(誤)

→(正)逆。結晶性知能は維持されやすく、流動性知能は低下する。

②老年期(成熟期)の発達課題の達成に失敗すると孤立に陥る(誤)

→(正)”孤立”ではなく、”絶望”。 

③Levinson.D.J(レビンソン)はライフサイクルを4段階にわけ、老年期をその最終段階とした→(正)

④正常な加齢過程においては、老年期の脳の萎縮は見られない(誤)

⑤老年期には、短期記憶よりも長期記憶が低下しやすい(誤)

認知症について、適切でないものはどれか?

①わが国では、認知症のうち最も多いのは脳血管性認知症で、次がアルツハイマー型認知症である。(誤)→アルツハイマー型が最も多い。

②アルツハイマー型認知症では、罹病危険性と関連する遺伝子が明らかにされている(正)→家族性アルツハイマーのことであるが、1%程度。

③レビー小体型認知症では、幻視が見られることが多い。(正)

④脳血管性認知症では、段階上に増悪する経過が特徴の1つである。(正)

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