【論述対策・500文字】フォーカシング・交流分析・ロゴセラピーについて

大学院受験

※この記事は2018年に書いたものです。

以下は、心理系大学院受験の論述対策として、題目ごとに500文字程度にまとめたものです。

今回のテーマは、「フォーカシング・交流分析・ログセラピー」についてです。

フォーカシングについて説明せよ(501)

フォーカシングとは、ジェンドリンが考案した心理療法で、人間性心理学に基づいたアプローチ。フェルトセンスとは、漠然とした言葉にすることができない感覚のこと。これが言葉にできるようになると、滞っていた感覚が自己成長に向かうとされ、これをフェルトシフトという。このフェルトシフトに至るようカウンセラーが援助することがフォーカシングの目標である。

例えば、”元気ですか?”という問いに対し、”まあ、元気ですよ”という返答なら、この人は、完全に元気ではなく、そこには”まあ”という、まだ言葉になっていない感覚があり、この”まあ”は、それを語る人の体験が”元気”という言葉にはおさまりきれないことを示している。ただし、この”まあ”は”元気ではない”ことを示しているわけではなく、ある複雑な意味で元気であることを示している。この”まあ”を掘り下げてみると、”まあ、元気”と語っていた人は、”いや、ちょっと疲れてるのかな”と発言を修正するかもしれない。このようにフォーカシングでは、”フェルトセンス”という体験のあり方と、それを”言い表す”という行為が重視され、これを繰り返すことでフェルトシフトを目指す。

交流分析について説明せよ(498)

 交流分析とは、アメリカの精神科医バーンが、「互いに反応しあっている人々の間で行われている交流を分析すること」を目指して開発された、対人関係に関する理論とそれに基づく技法。交流分析の目的は、人が強迫的に従ってしまう対人関係の様式を発見し、新しく適切な対人関係の様式を再構築することである。

 交流分析は理論上、精神分析から出発しているが、人間性心理学の中に位置付けられることが多い。なぜなら、人は、自分の存在を他者に認めてもらうためにストロークを求める強い欲求があり、基本的な人間観や無意識を仮定せず「今・ここ」を重視するからである。また、技術面からは、精神分析よりも認知行動療法と共通するものを多く含んでいるとされる。

 交流分析の特徴は、心の構造や機能を、記号や図式を使ってわかりやすく説明するところにある。その代表例に、構造分析がある。

 構造分析では、人に「親の心・大人の心・子供の心」という3つの心があると仮定する。さらに親と子供心が2つに分類され、計5つに分類される。これら5つの心は、エゴグラムと呼ばれる質問紙で測定でき、その結果で、対人関係に置いてどのような側面を重視しているかがわかる。

ロゴセラピーについて述べよ(495)

  ロゴセラピーは、フランクルが提唱した、実存主義の心理療法。人間をいかなる状況でも価値を追求する自由と責任をもつ存在と考え、人生に価値と目的を見出せないと空虚感を経験し、欲求不満状態に陥るとして、アプローチする技法である。故に、ロゴセラピーでは、患者が人生の目標と目的を見いだすよう援助することを目指す。

 また、実存主義とは人間を、身体・心・精神の3次元から構成される全体的存在であるとする考え方であり、人間性心理学に由来していると言える。

 ロゴセラピーの代表技法には、反省除去や逆説志向が挙げられる。

 反省除去とは、意味や価値のあることに注意を向けさせて症状から解放させる方法。例えば、赤面を治したい人に、”勉強に集中しろ”と支持して、勉強に注意を向けさせることがある。

 逆説志向は、症状を過度に意識する患者に、敢えて意識させる方法。例えば、不安を抱きやすい患者に、より不安を抱かせることなどがある。例えば、赤面を治したい人に、”もっと赤面しろ”ということで、赤面が改善させるなどである。

 この様に、反省除去と逆説志向はいずれも、人間の精神が持つ心理反応に対する抵抗力を利用するものである。

臨床心理面接に関する他の論述対策はこちら

以下のテーマについてそれぞれ500文字程度でまとめてます。

フォーカシング・交流分析・ロゴセラピーについて

カウンセリングの枠組みと治療構造について

子どもの心理療法と母子並行面接について

心理療法における言語と非言語的手法について

行動療法と精神分析的心理療法と来談者中心療法について

面接相談と電話相談の違いについて

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