【論述対策・500文字】子どもの心理療法と母子並行面接について

大学院受験

※この記事は2018年に書いたものです。

以下は、心理系大学院受験の論述対策として、題目ごとに500文字程度にまとめたものです。

今回のテーマは、「子どもの心理療法と母子並行面接」についてです。

子供の心理療法を成人場合と比較対象しながら論じなさい。(508)

 子供への臨床心理学的支援は、原則的に、非言語的な手法が用いられる。幼児や児童など形式的操作期以前の子供の場合、自らの感情など、抽象的な事柄を言語的に説明する能力は極めて低い。そのため、子供を対象とする心理療法は、多くの場合、遊戯療法が選択される。

 支援の開始にあたり、まず、治療仮説・治療目標を設定するための査定が問題となる。

成人と異なり、言語的な自己表出を期待できないため、査定は遊戯を通じた非言語的な表出の観察・評価、保護者への聞き取りなどを通じて行うことになる。また、治療契約も子ども本人と結ぶことは難しく、保護者との合意形成が必要である。

 継続支援を行う場合も、遊戯療法を用い続けるが、アクスラインの8原則に則って行われるのが一般的。成人を対象とするセラピーでも治療枠の設定をするが、子どもは、自我や人格が未熟なため、子どもが現実世界との接点を経験し、自らの責任を受け入れられるよう、時間や場所の指定、過度の攻撃の禁止など、より明確な制限を設ける。そのような枠の中で、子どもが遊戯を通じて自己を表現し、それをカウンセラーが受容・共感的に受け止めることにより、子どもは自己受容に向かい、成長を遂げるとされる。

子供の心理療法における母子並行面接の意義について(516)

 母子並行面接とは、主に子供を主訴とする事例において、親と子の両者にカウンセラーをつけ、同時並行的に心理面接を行うことである。初回は親が子供を連れてくるので、親の面接によって情報収集と査定を進める。この時、親の子育てを否定する様な言動は慎み、親の苦労を労い査定を進める。子供は、別室で他のカウンセラーが対応し、遊戯療法などを通じた自己表現を観察する。

 主訴が小学生までの子供の場合、最も強い影響を与えるのが親であるため、親からの情報収集は必須である。また、治療仮説や計画を立てたら、それを説明してインフォームドコンセントを得ることが継続的支援の条件である。しかし、治療契約について子供が判断することはできないので、契約は親と締結することになる。とはいえ、継続支援には子供の動機付けも必要なため、子供からもインフォームドコンセントを得る必要もある。

臨床心理面接に関する他の論述対策はこちら

以下のテーマについてそれぞれ500文字程度でまとめてます。

フォーカシング・交流分析・ロゴセラピーについて

カウンセリングの枠組みと治療構造について

心理療法における言語と非言語的手法について

行動療法と精神分析的心理療法と来談者中心療法について

面接相談と電話相談の違いについて

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