心理英語シリーズ、「無生物主語」「分詞構文」に続く第3弾です。
心理系大学院受験生のための、心理英語学習記事です。
次のような方は、お役に立てるかと思います。
- そもそも、英語が苦手だ
- どうやって勉強したらいいかわからない
ちなみに、僕のプロフィールですが、TOEIC845点で、3年間約100名分の大学院受験生向けに英文添削をした実績があります。
受験期間中に予備校の模試を数回受けましたが、毎回順位は1桁でした。
第3回目のテーマは「仮定法」です。
仮定法とは
仮定法は、その名の通り、事実ではないこと、仮想や願望を表すために用いる表現法のことです。
皆さんも、「〜だったらなぁ」とか「〜ならいいのになぁ」と思うことありますよね?
そういう「気持ち」や「思い」を伝えたいときに、仮定法を使うのです。
仮定法の種類
続いて、仮定法の全体像をみておきます。
仮定法には、①仮定法過去、②仮定法過去完了、③仮定法未来、④仮定法現在(時・条件)の4つの種類があります。
このことを踏まえて、1つずつ内容を確認していきましょう。

仮定法過去
仮定法過去は、現在の事実に反することを述べるときに使います。

例えば、「もし(今)もっとお金を持ってたら、 このイタリアンでランチできたのになぁ」と思うことありますよね。※実際は持ってないから外食できないという意味
そういう、「今、ここで起きている後悔や願望」を表したいときに仮定法過去が使われます。
そして、この文章は英語に変換すると次のようになるわけです。下線部がポイントです。
- If I had more money, I could eat lunch at this Italian restaurant.
そしてこれを構文に分解するとこのようになります。
- If S+動詞(過去形), S would(might/should)動詞(原形)〜
①Ifのある文に使う動詞が過去形にする
②後半の文にある主語の前にwouldなどの助動詞を配置する
この2点を抑えておけば仮定法過去の基本は完璧です。
wishを使った仮定法過去の形
仮定法過去の基本がわかったところで、次の形をも知っておきましょう。
- I wish+主語+動詞(過去形)
〜という形で
「もし(今)〜だったらなぁ」という日本語になります。
- (例)I wish she was my girlfriend.
(あの子が、自分の彼女だったらなぁ)
ということになります。ここには、「”現実”は違うからこそ、〜だったらなぁ」ということになるわけですね。お分かりでしょうか?
仮定法過去を見抜きづらいパターン
また、仮定法には見破りにくい場合もあります。例えば、次の文。
- Without using delivery service like an Ubereats , our life would be inconvenient.
(ウーバーイーツのような宅配を使わなければ、私たちの生活は不便だろう)
これは、if節はないですが、would があるので仮定法ではないかと考えるべき構文です。つまり、Without using delivery service like an Ubereats に仮定の条件が潜在しているということです。したがって「ウーバーイーツを使わなければ、〜だろう」という訳になります。
では、この文章を書き換えるとどうなるでしょう?
- If we didn’t use delivery service like an Ubereats, our life would be inconvenient.
となるわけですね。
続いて、こちらの例文。
- Scientists say that coronavirus pandemic cause us to fight over food. Then some of them might die.
(科学者たちによれば、コロナパンデミックが食料争いが起きるということだ。そうなれば、私たちの中には、死ぬ者もいるかもしれない。)
might があることから、この文は仮定法過去の用法だとわかります。この場合、仮定の条件は Then に含まれており、前文の「もしコロナウイルスが広がれば」という条件が潜在しているということです。
したがって、この文章をわかりやすい形に変換すると
- If coronavirus pandemic caused figting over, some of us might die.
となるわけです。
仮定法過去完了
続いて「仮定法過去完了」です。

仮定法過去完了は、過去の事実に反することを述べるときに使います。構文の形は以下の通りです。
- (例)If +S+had+動詞(過去分詞), S+would(might/should)+have +動詞(過去分詞)〜
の形をとります。
これを訳出すると「もし、Sが(その時)・・・だったら、Sは〜してただろうな」となります。
例えば、
- If I had been there ealier, I could have eaten ramen limited to 10 meals a day.(もしあの時、早く到着してたら、1日10食のラーメンをたべれたのになぁ)
となるわけですね。
wishを使った仮定法過去完了の形
では、先ほど同様に、wishを使った仮定法過去完了の形も知っておきましょう。
- I wish+主語+had+動詞(過去分詞)
〜という形で「もし(あの時)〜だったらなぁ」という「願望」をあらわす意味になります。
- (例) I wish I would have studied abroad during school days.
(学生時代に留学してたらなぁ)
ということになります。ここには、「過去のある時点において、実際は違うったからこそ、〜だったらなぁ」ということになるわけですね。
仮定法過去完了を見抜きづらいパターン
また、仮定法過去完了には見破りにくい場合もあります。例えば、次の文。
- Had only he confessed to me, I would not have been together with my husband.(もし、(過去のあの時に)彼が私に告白してくれてさえいたら、私は今の旦那とは付き合っていなかっただろうなあ。)
この一文は仮定法過去完了の用法ですが、本来は If only he had confessed to me のIf が省略されることで倒置が起こっているため複雑になっています。
このように、仮定法の If が省略されると、If 節の主語と動詞の位置が逆転する倒置が生じます。
仮定法未来
次に、仮定法未来です。

仮定法未来は、
- If+S+should+動詞(原形)〜, S+ would(might/should)動詞(原形)〜
の形をとります。
これを訳出すると「Sが万が一(将来)・・・なら、Sは〜だろう」となります。
あるいは、
- If+S+were to+動詞(原形)〜, S+ would(might/should)動詞(原形)〜
の形で表されることもあります。
この場合の訳出も「Sが万が一(将来)・・・なら、Sは〜だろう」となります。
ただし、表現が異なる以上、そこに違いはあります。
ではその違いとはなんなのでしょうか?
shouldとwere toの場合の違い
この2表現は、可能性の違いに応じて使い分けられることになっています。
具体的には以下の通りです。
- Should・・・実現可能性が低い場合
- were to・・・実現可能性が低いことから高いことまで様々な場合
Shouldの場合の例文
例えば、shouldの場合、以下のような例文が当てはまります。
- If all the people in this world should eat Natto, we would be more healthy. (万一、世界中の人が納豆を食べるようになれば、より健康になるなろだろうに)
これは、主節に would があることからも、仮定法だとわかります。そして、 if S should の形式であることから、仮定法未来の用法だと判断できますね。
そして、この場合「世界中の人が納豆を食べるようになる」というのはかなり実現可能性が低いことだとわかります。人には好き嫌いがありますからね。人によっては、「そんなことなくない?」と思うかもしれませんが、大事なのは、この話してが「実現可能性が低いこと」だとと認識しているということです。
Were toの場合の例文
では、were to の場合はどうなるでしょうか?
If all the people in this world were to eat Natto, we would be more healthy. (世界中の人が納豆を食べるようになれば、より健康になるなろだろうね)
こちらは、先ほどの文のshouldの部分をwere toに書き換えたものです。
これによって何が変わるのかというと、話し手の考えている実現可能性が異なります。
つまり、この文章だと「起こるかもしれないし、起こらないかもしれない」と思っていることになります。shouldの場合は、「十中八九、起こらない。でも、もし起きたら」というニュアンスなのです。これが両者の違いなのです。
仮定法現在
続いては、「仮定法現在」について説明します。

仮定法現在は、
- 時・条件を表す場合
- 命令・提案・要求・依頼など
を表す場合に用いられる仮定法です。
命令・提案・要求・依頼など
では、まずはじめに、「仮定法現在」における「命令・提案・要求etc」について確認します。
仮定法現在は、『命令・要求・提案・依頼』などを表現するときに使うもので
- 主語+動詞(suggest,insist,order,ask,etc) +that +S+(should)+原型〜
の形で表現されます。
たとえば、・・・
- I suggested that he eat more.
- My friend asked that I help him out with his event.
- My boss ordered that young workers be more active.
などです。
しかし、あなたは思ったことでしょう。
「その説明のどこに仮定法の要素があんだよ」と
そこで、「仮定法現在」をより深く理解するために、まずこれまで学んできた「仮定法」を振り返ることにします。つまり、「仮定法過去」と「仮定法過去完了」の意味について振り返ってみる必要があります。
まず、それぞれの日本語の表現をみると、「仮定法○○」という形式で統一されています。それじゃあ、「仮定法」ってなんだったっけ?というと、「事実とは異なる表現方法」ということでした。では、その後に続く「〇〇」という表現はどういうことかというと、「英文の時制」を表していますね。
過去なら、If I made
過去完了なら、、If I had made
でした。
ですので、この原則に沿って考えると「仮定法現在」は「事実と異なることをいうときに、英文上では、現在形を使う表現方法」ということになります。
例えば
こんな例文があったとします。
- If my son was not lazy, I would not order him to study English more.
(もし息子が怠け者でなければ、私は英語をもっと勉強するように命じないだろう)
これは「仮定法過去」ですね。
つまり、実際は「彼は怠け者」だし、「私は、英語を勉強するよに言った」ということになります。
これを可視化すると次のようになります。

そして、
- 「If he was not lazy, I would not order him to study English more.」
という例文において焦点化されているのは、「仮定」の話です。つまり、赤枠で囲った右側の部分です。

一方でこの事案を「仮定法現在」で表現すると次のようになります。
- 「I ordered that he study English more.」
(私は、息子がもっと英語を勉強するように命令した)
となります。
これは、先ほどの図でいうと、言及しているのは、赤枠で囲った左側の部分です。

しかし、これは変ではないでしょうか?
なぜなら、「仮定法」は「事実と異なる場合の仮定の話」のはずです。
これでは、「事実」を話しています。
なぜでしょうか?
仮定法現在は「事実」を述べているのに、なぜ「仮定法」なのか?
英文だけをみると、確かに「事実」を話しているのですが、これを「仮定法」と呼ぶのは「仮定=話し手の理想」であって、そこに近づきたいという思いが含まれているからだと考えられます。
というのも、仮定法現在で扱われる文法の形態を思い出してください。 『命令・要求・提案・依頼』です。これらを1つずつ、考えてみてください。
- 「なぜ、命令するのか?」
- 「なぜ、要求するのか?」
- 「なぜ、提案するのか?」
- 「なぜ、依頼するのか?」
ということをです。
これらに共通しているのは、程度の差こそされ「相手を変えよう」とする思いが見え隠れしているということです。
では、「なぜ、相手を変えよう」と思うのかといえば、それは「命令・要求・提案・依頼」をする人の「望む状態」あるいは「理想の状態」になっていないからではないでしょう。
理想は「A」だけど、現実は「B」という状態。でも「A」にしたい、でも、それは「相手が変わる必要がある」だから、「命令・提案・要求・依頼」をするのだと考えられます。
だからこそ、仮定法現在の文には「should」という単語が隠れているのでは?「〜すべき」なんていう言葉は、その人にとっての「正解」がなければ出てこない言葉ではないでしょうか?
したがって、先ほどの図で、「仮定法現在」は「事実」について言及しているということを述べました。
ただ、「話し手側」からすれば、「仮定(理想)ありきの発言」なのですから、そこには「事実とは異なることも含まれている」と推察することができます。

時・条件をあらわす場合
続いて、時や条件をあらわす場合の仮定法表現です。

続いて、時や条件としての仮定法表現です。
この場合の公式は以下の通りです。
- If+S+動詞(原形)〜, S+ will(may/can)動詞(原形)〜
例文は以下の通りです。
If you are hungry, you can have a bite of my bread.
(もしお腹がへていたら、一口食べてもいいよ)
この場合、語り手は、相手がお腹が減ってるとも減っていないとも思っていません。従って、「条件」を述べていると言えます。
では、「仮定法過去」と何が違うのでしょうか?
例えば次の文章。
If you were hungry, you could have a bite of my bread.
(もしお腹がへていたら、一口食べてもいいよ)
これは日本語訳出すると同じように聞こえますが、より正確に表現すると以下のようになります。
- 「もしお腹がへていたら、一口食べてもいいよ。減ってないと思うけどね」
つまり、語り手は、「相手がお腹を減っていない」と思っているわけです。にもかかわらず、「お腹が減っていたら」と言うのはその事実に反しますよね。なので、「仮定法過去」という形式をとっているわけです。
そうすると次なる疑問が湧いてきますが、「仮定法未来」とは何がどう違うのかということです。
結論から言うと、「程度」なんですね。
- 十分起こりうる→条件
- 可能性低い→should
- 可能性が低い所から高いところまで→were to
このように、「仮定法未来」と「仮定法現在」は「程度」による使い分けが基本ということになります。
ただ、この説明だけではわかりづらいという方もいらっしゃるでしょうから、
こういう時は、文を見比べるのが一番です。
①仮定法現在
If you win the lottery, you can buy anything.
②仮定法未来(should)
If you should win the lottery, you would buy anyting.
③仮定法未来(were to)
If you were to win the lottery, you would buy anyting.
これを1つずつ確認していきます。
仮定法現在の場合
この視点が、「仮定法現在」の視点です。

仮定法現在は「実現可能性が高い場合」に使うものでした。ですから、この場合の「もし宝くじにあたったら」というのはかなり期待がこもっていると言えます。
表情としてはこんな感じでしょう。言い換えれば、言動と内心が一致している状態です。
仮定法未来(should)の場合
次にこの視点が、「仮定法未来(should」の視点がこちらです。

「仮定法未来(should)」は、万が一、つまり「可能性が低い場合」に用いる技法でした。
ですから、ここでの「もし宝くじにあたったら」は、「口ではそう言いつつも、内心そうは思ってない」と言えるでしょう。
言い換えるなら、言動と内心が不一致の状態です。
仮定法未来(were to)の場合
最後に、こちらが、「仮定法未来(were to)」の視点です。

「仮定法未来(were to)」は、「可能性が低い場合か高い場合」に用いる技法でした。
当たるとも外れるとも思ってるわけです。つまり、先ほどの2つと比べると、最もバランスの取れた視点だと言えます。
これらが、仮定法現在と未来の実現可能性の程度の違いでした。
条件をあらわすif以外の表現
では、「仮定法現在(時・条件)」の最後に、whenとif以外の表現についてご紹介して終わりたいと思います。まずは「条件(if)」から。
①unless(=if〜not),(〜しない限り、〜しなければ)
(例文)We will go for a walk unless it rains this afternoon.
→午後に雨が降らなければ、我々は散歩に出かけます。
ちなみに、この文章は
- We will go for a walk, if it doesn’t rain this afternoon.
のように書き換えが可能です。
② in case(〜するといけないので)
(例文)Bring an umbrella in case it rains.
→雨がふるといけないので、傘を持っていきなさい
③as long as(〜する限り)
(例文)You can use my PC as long as you are with me.
→私があなたと一緒にいるなら、私のPCを使ってもいいよ。
似たような表現に 「as far as」がありますが、これは範囲を表します。“As far as I know,”(私の知る限りでは)のような場合に使います。
また、「as long as」 は「if」に書き換えることができますが、「as far as」はできないので、注意です。
④provided that(〜という条件で)
(例文)We will get to-go provided that there is a line-up the in front of shop.
→店の前に行列があるという条件で、我々はテイクアウトにしよう。
テイクアウトは「to-go」と表現されます。
⑤suppose/Imagine(もし〜なら、〜と仮定したら)
(例文)Suppose that there is someone who is good command of Zoom, we will be able to have the meeting on the Internet.
→誰かzoomにくわしい人がいたら、私たちはネット上で会議ができるよね。
⑥on condition that (〜という条件で)
(例文)You can purchase on the internet on condition that you pay with card or e-money.
→クレジットカードか電子マネーで支払うという条件で、ネットショッピングができるよ。
時をあらわすwhen以外の表現
続いて、「時」をあらわすwhen以外の表現です。
as soon as S+V(~するとすぐに)
(例文)I will call you as soon as he comes.
⇨彼がきたら、すぐあなたを呼ぶよ。
after ~(~した後で)
(例文)I will go travel around the world after the things return to normal.
⇨自体が落ち着いたら、私は世界中を旅しようと思います。
before ~(~する前に)
(例文)He will order delivery food before I do it.
⇨私がする前に、彼はデリバリーを注文するよ。
by the time ~(~するまでに)
(例文)We will buy toilet papers by the time the state of emergency is announced.
⇨私たちは、緊急事態宣言が出されるまでに、トイレットペーパーを買うでしょう。
until ~(~するまでずっと)
(例文)Ken will cheat on Nozomi until he gets caught.
⇨ケンはバレるまでずっと、のぞみに対する浮気をするでしょうね。
その他の仮定法表現
はい。いかがでしたでしょうか?
以上が、仮定法の基礎となる部分です。
最後に、それ以外に用いられる、仮定法表現を紹介して終わりたいと思います。
If only 〜(〜さえすればなぁ)
「If only」 は「I wish」への書き換えが可能です。
正しい、願望の程度としては「If only」の方が強いという事を覚えておきましょう。
なので、以下例文のように、仮定法過去でも仮定法過去完了でもどちらでも適用可能です。
- If only I could speak English.(= I wish I could speak English.)
- If only I had been able to speak English. (= I wish I had been able to speak English.)
As if 〜(あたかも〜のように)
(例文)My husband talks as if he were a kid.
⇨夫はまるで子供のように話す
It‘s (high) time S+動詞(過去形)(そろそろ〜する時間だ)
この形式は、事実と違う事を表しているため仮定法過去の形をとります。
以下の例文は、「実際にはそうしてない」つまり「話し合ってない」という事を意味してます。
(例文)It is time we considered our marriage seriously.
⇨私たちは、いい加減、結婚について真剣に話し合う時です。
But for〜(〜がなかったら)
この表現は、仮定法過去と仮定法過去完了のどちらにも使えます。
(例文)But for your help, I wouldn’t pass the exam.
→あなたの助けがなかったら、私は今頃試験を通過してないよ。
ちなみに、こちらの表現はwithoutを使って、次の様に書き換えが可能です。
- Without your help, I wouldn’t pass the exam.
If it were not for〜(〜がなかったら)
こちらも仮定法過去と仮定法過去完了どちらにも使えます。
(例文)If it were not for your help, I wouldn’t pass the exam.
→あなたの助けがなかったら、私は今頃試験を通過してないよ。
これを仮定法過去完了にすると以下の様になります。
(例文)If it had not been for your help, I wouldn’t have passed the exam.
→あなたの助けがなかったら、私は試験を通過してなかったよ。
ちなみに察しの言い方は、先ほどのbut forやwithoutを使ってこれらの文を書き換えることができます。
はい。
ということで、以上で仮定法シリーズは終了です。
仮定法についてご理解頂けたでしょうか。
それでは最後に、問題文をといて、仮定法を使いこなせるかどうかチェックしてみてくださいね。
問題文
※以下は、私が作成したオリジナルの問題文です。したがって、当サイトの内容、テキスの無断転載・無断使用を固く禁じます。
『Operant conditioning & Pojisitve reinforcement』
Have you ever heard ABA? It is the abbreviation of Applied Behavioral of Analysis, which is the one of the interventions used for especially children with Autism Spectrum Disorder (ASD). Operant conditioning has been well known to shape desirable behaviors and to reduce undesirable ones. If a teacher in kindergarten has some difficulties for undesirable behavior of children such as aggression, tantrums, disruptive and so on, it will be appropriate approach.
On the other hands, we have to think what desirable behaviors are in contrast with them? Because reinforcement of desirable behaviors makes undesirable ones extinct, that is to say, keeping quiet is accompanied by extinction of tantrum.
Therefore, it is requisite technique for the ABA therapist to treat those behaviors. Operant conditioning has 4 types, which are positive reinforcement, negative reinforcement, positive punishment and negative punishment.
For example, a teacher may take the procedure that children are praised by him only when they can be quiet in a certain period of time, not being praised as long as they are crying and shouting.
Thus, If he becomes to keep quieting, you can recognize the praise is working as a reinforcer for him to shape his behavior to keep quieting.
As described, by giving the desirable consequence to a behavior, to increase the frequency of it is called “positive reinforcement”. This is one of the most useful way of operant conditioning.
答え(全訳)
あなたはABAを聞いたことがあるだろうか?ABAとは、応用行動分析の略称であり、特に、自閉症児に用いられる介入技法の1つである。オペラント条件づけはABAにおいて、望ましい行動を形成し、望ましくない行動を減らす技法としてとしよく知られている。もし、ある幼稚園の先生が、攻撃性、癇癪、破壊行動のような子供達の望ましくない行動に対して手を焼いているなら、オペラント条件づけは適切なアプローチだろう。
一方で、私たちは、望ましくない行動に比して、何が望ましい行動なのかについても考えなければいけない。なぜなら、望ましい行動が強化されると、望ましくない行動は消失する。つまり、おとなしくしているということは、癇癪の消失に伴って生じるということだ。
それゆえ、オペラント条件づけは望ましくない行動を扱う上で、ABAセラピストにとって必須の技術である。また、オペラント条件づけには4つのタイプがある。それは、正の強化、負の強化、正の弱化と負の弱化である。
例えば、ある教員は次のような手続きをとるかもしれない。それは、子供達が一定時間静かにしてる時だけ褒められ、泣き叫んでいる限り褒められないというようなものである。
その結果として、もし子供たちが、静かにし続けるようになったら、先生は「褒める」ことが子供達の「静かにし続ける行動」を形成するための強化子そして機能していると判断することができる。
このように、ある行動に望ましい結果を与えることによって、行動の頻度を増やす手続きは正の強化と呼ばれ、オペラント条件づけにおける最も有用な方法として用いられている。
解説
ここからは、1文ごとの解説をしていきます。
第1文( It is the abbreviation of~)
第1文は、以下の文章の解説になります。
It is the abbreviation of Applied Behavioral of Analysis, which is the one of the interventions used for especially children with Autism Spectrum Disorder (ASD).
①It is the abbreviation of Applied Behavioral of Analysis~
abbreviation は「省略」という意味であることから、 the abbreviation of ~で「~の省略」という訳になる。ABAは、Applied Behavioral Analysisの頭文字をとったもので「応用行動分析」という意味。大学院の試験で出題されることは稀かと思うが、Operant conditioning「オペラント条件づけ」は、心理英語では必須のテクニカルタームであるため、合わせて覚えておこう。
②~which is the one of the interventions used for especially children with Autism Spectrum Disorder (ASD).
この which は直前にカンマがあるので非制限用法の関係代名詞である。したがって、which 以下から訳し上げるのではなく、前から訳し下ろす必要がある。which の先行詞は the abbreviation of Applied Behavioral Analysis なので、「~は応用行動分析の略称であり、(そして、それは)自閉症の児童に対して…介入の1つである」という訳になる。
③interventionとAutism Spectrum Disorderの訳出
第1文には心理学のテクニカルタームが2つある。interventionは「介入」という意味で、Autism Spectrum Disorde(ASD)は「自閉症」という意味。この2つはどちらも必須単語として覚えておこう。
第2文( Operant conditioning has been ~)
第2文は、以下の文章の解説になります。
Operant conditioning has been well known as a technique to shape desirable behaviors and to reduce undesirable ones in ABA.
①Operant conditioning has been well known〜
・繰り返しになるが、operant conditioning は必須のテクニカルタームである。また、respondent behavior「レスポンデント行動」Reward「報酬」、Reinforcement「強化」、Reinforcer「強化子」、Punishment「罰」も頻出であるため、合わせて覚えておこう。
・has been well known…と現在完了形なので、「…はよく知られている」と現在完了形のニュアンスをきちんと訳出したい。また受動態であることにも注意する。
②~as a technique to shape desirable behaviors and to reduce undesirable ones
ここは 「to shape.,, and to reduce …」の形で不定詞が「A and B」で繋げられている箇所である。したがって、「望ましい行動を形成したり、望ましくない行動を減らしたりするための技法として」と訳出すると自然。
第3文(Imagine that a teacher ~ )
第3文は、以下の文章の解説になります。
Imagine that a teacher in kindergarten has some difficulties for undesirable behavior of children such as aggression, tantrums, disruptive behavior and so on, it will be appropriate approach.
①Imagine that a teacher〜の訳出
「Imagine(suppose)~」は、仮定法の1つとして考え「もし~なら/~と仮定したら」と訳すと良い。本文の場合であれば、「もし、幼稚園の先生が…子供の望ましくない行動に対して困難をを抱えているなら~」のように訳出すると自然。また、aggressionは「攻撃性」,tantrdumは「癇癪」、disruptiveは「破壊的な」という意味。この辺りの単語は心理学のテクニカルタームなので合わせて覚えておくと良い。
②it will be appropriate approachの訳出
・指示語のitが何を指すのか意識して訳すこと。ここでのitは「オペラント条件づけ」のことである。
第4文(On the other hands,~ )
第4文は、以下の文章の解説になります。
On the other hands, we have to think what desirable behaviors are in contrast with them? Because reinforcement of desirable behaviors makes undesirable ones extinct, that is to say, keeping quiet is accompanied by extinction of tantrum.
①we have to think what desirable behaviors are in contrast with them?の訳出
・in contrast with~は「~と比較して」という意味。また、指示語のitが何を指すのか意識して訳すこと。ここでのthemは undesirable behaviorを示す。したがって、「望ましくない行動と比較して」のように訳出すると良い。
②Because reinforcement of desirable behaviors makes undesirable ones extinctの訳出
・reinforcementは「強化」という意味。心理学のテクニカルタームとしては必須の単語であるため、確実に記憶して欲しい。
・この文はreinforcement of desirable baheviors が主語の無生物主語構文である。望ましい行動が強化されることによって、望ましい行動が消失していくのだから、主語が好ましい影響を及ぼすパターンの無生物主語構文である。ただし、今回の場合、reinforcement of desirable baheviors は、名詞である reinforcemnent を 動詞の reinforce のように考えて「望ましい行動が強化されると…」と訳すほうがよい。このような「名詞→動詞」の置き換えは、自然な和訳の際には欠かせないテクニックなので、覚えておくとよい。
・extinctionは「消失」、be accompanied by~で「~に伴って」という意味。これも心理学のテクニカルタームなので覚えておこう。
第5文(Therefore, it is requisite technique for ~ )
第5文は、以下の文章の解説になります。
Therefore, it is requisite technique for the ABA therapist to treat those behaviors.
① it is requisite technique〜の訳出
・ここのでitが何を示しているか明確に訳出したいところrequisite technique 「必須技術」が続くことから、それはoperant conditioning「オペラント条件づけ」のことを意味しているとわかる。
② 〜 the ABA therapist to treat those behaviorsの訳出
・those behaviors についても何を示しているのかを明確にしておきたい。これはundesirable behaviors「望ましくない行動」のことである。
第6文(Also, operant conditioning has 4 types ~ )
第6文は、以下の文章の解説になります。
Also, operant conditioning has 4 types, which are positive reinforcement, negative reinforcement, positive punishment and negative punishment.
①Also, operant conditioning has 4 typesの訳出
・operant conditioning has 4 types は直訳すると「オペラント条件づけは4つのタイプを持つ」になるが、無生物主語であることを考えると不自然なので、「オペラント条件づけには4つのタイプがある」とすると自然。
② positive reinforcement, negative reinforcement, positive punishment and negative punishment の訳出
・positive reinforcement「正の強化」、negative reinforcement「負の強化」、positive punishment「正の弱化」、negative punishment「負の弱化」は心理学のテクニカルターム。必ず覚えておこう。
・この which は直前にカンマがあるので非制限用法の関係代名詞である。したがって、which 以下から訳し上げるのではなく、「4つのタイプがあり、それは正の強化、負の強化~」のように前から訳し下ろす。
●第7文(For example~ )
第7文は、以下の文章の解説になります。
For example, a teacher may take the procedure that children are praised by him only when they can be quiet in a certain period of time, not being praised as long as they are crying and shouting.
①a teacher may take the procedure that children are〜の訳出の訳出
・a teacherは「ある教員」ぐらいに訳すと自然
・take the procedure で「手続きをとる」という意味。そして、that以降がその具体的な内容。後ろから「ある教員は~というような手続きをとるかもしれない」のように訳し上げても良いが、「ある教員は次のような手続きをとるかもしれない。それは…」のように、一度文章を区切って訳し下ろすとわかりやすい。
②〜praised by him only when they can be quiet in a certain period of time〜の訳出
・この文には「only when」と「as long as」といったif を用いない条件をあらわす表現が使われている。まず、only when がだ、これは「~ときだけ」という意味。ここでは、that 以下の前半部分で用いられている。したがって、only when they can be quiet の部分が children are praised by him の部分を後ろから修飾するように訳出し、「子どもたちは、静かな時だけ先生に褒められる」という訳になる。
・続いて、as long as は「~する限り」という意味で、if を使わずに「条件」をあらわすことができる表現です。したがって、as long as they are crying and shouting は「子供達が泣き叫んでいる限りは」と訳出すると自然。また、theyが誰のことを示しているのかわかうように訳すことも大切。theyは「children/子供達」のことである。
③付帯状況と受動態の分詞のハイブリッド構文
・take the procedure that 以下の文章は分詞構文であるが、付帯状況と受動態が混合しているためやや難易度が高い。この文章を、本来の形に戻すと「children are praised by him only when they can be quiet in a certain period of time, and they are not praised by him~」ということになる。文の後半に接続詞としてのand と主語であるtheyが省略され、are notが not beingに書き換えられている。したがって、「子供達は~時だけ褒められる。そして(同時に)、~でない時は、褒められない」のように前半部分で一度文章を区切り、後半を訳すとわかりやすい。
第8文(Thus, if he keeps〜)
第8文は以下の文章になります。
Thus, If he keeps quieting, you can recognize that the praise is working as a reinforcer for him to shape his behavior to keep quieting.
①Thusの訳出
・Thusは「このようにして」という意味。
②If he keeps quietingの訳出
・この文章にはIfがあり動詞が現在形であることから、仮定法現在の条件節であることがわかる。keep quietingは「静かにし続ける」という意味なので、「もし彼が静かにし続けるのであれば」と訳出する。
③you can recognize that以下の訳出
・この文章の後半は、you can recognize「認識できる」からはじまる。何が「認識できる」のかというと、that以下の文章ということになる。reinforcerは「強化子」という心理学の必須テクニカルタームなので、しっかり覚えておこう。
第9文(As described,〜)
第9文は以下の文章になります。
As described, by giving the desirable consequence to a behavior, to increase the frequency of it is called “positive reinforcement”.
①As describedの訳出
・As describedは「すでに述べたとおり」という意味。他にも、As previously stated「先述のとおり」やAs mentioned above「上述した様に」などの表現がある。覚えておくと良い。
②positive reinforcementの訳出
・positive reinforcementは心理学のテクニカルタームで「正の強化」という意味。覚えておこう。
さて、いかがでしたでしょうか?
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