クリタマです(^^)
この記事では、「バリント症候群」に関する僕の理解をまとめています。
↓↓こんな疑問を持っている方はご覧ください(/・ω・)/
- バリント症候群ってなに?
- 3つの症状の具体的な内容が知りたい
- 同時失認と視覚性注意障害って何が違うの?
それでは、本編です。
結論~バリント症候群とは~
バリント症候群は、「視空間認知障害の1つで、主に、精神性注視麻痺、視覚性運動失調、視覚性注意障害(同時失認)の3つの症状がみられる障がい」だと考えられます。
バリント症候群とは両側頭頂-後頭葉の損傷に伴う顕著な視空間の障害であり,精神性注視麻痺,視覚性運動失調,視覚性注意障害の 3 つの症状がある。
(引用:バリント症候群を呈した事例に対する食事動作への急性期作業療法介入,p48 要旨1-2行目より)
とはいえ、概念のことだけきいてもさっぱりだと思うので、各症状について1つずつみていこうと思います。
ただ、その前にもう少しだけマクロな視点から確認したいのですが、「バリント症候群」は視空間認知障害の1つに位置づけられるという点です。
視空間認知障害には以下のようなものがあります。
- 空間定位の障害
- 方向・距離の判断の障害
- 地誌的見当識障害
- 半側空間無視
- バリント症候群

半側空間無視について詳しく知りたいかたは↓↓こちら
ということです。
以上を踏まえて、バリント症候群の3つの症状をみていくことにします(^ω^)
精神性注視麻痺とは~3つの症状の1つ~

精神性注意麻痺とは、自らの意思で視線を動かすことができない症状だと考えられます。
「精神性注視麻痺とは、眼球運動が保たれ、視野も正常であるにもかかわらず、視線を随意的に移動させて対象を注視することができないことである。しばしば患者は、いったん1つの対象を注視すると、視線はこれに固着してしまい、自発的に視線をうごかすことができない」
(引用:Bálint─ Holmes 症候群と距離判断,p62(214),左段落,下から9-15行目より)
しかし、これだと「半側空間無視」で言われていることと同じような気がするのですが、どういうことなんでしょうかね?
ちなみに、定義については、↓↓ほかの論文にも目を通したのでご参考ください。
①両側頭頂葉・右後頭葉損傷後、バリント症候群とallocentric neglect を呈した症例ー知覚型視覚失認と見間違う臨床像ー,p46 右段落7-11行目より
②頭部外傷により発症したBalint症候群の一例,p125左段落【a.精神性注視麻痺】1-6行目より
視覚性運動失調とは

視覚性運動失調とは、目で物はみえているものの、それを手にとることがうまくできない症状だと考えられます。
視覚性運動失調とは、深部感覚や筋力が保たれ、視覚では注視下(中心視野)でものを捉えているにもかかわらず、そのものを触ったりつかんだりする時に、的をはずしたり、ずれてしまうことがある
(引用:Bálint─ Holmes 症候群と距離判断,p62(214),左段落下から4行目から、右段落2行目より)
こちらの定義についても↓↓こちらの論文に目を通したのでご参考ください。
①頭部外傷により発症したBalint症候群の一例,p125右段落【b.視覚失調】1-6行目より
②視覚性運動失調の臨床症候と経時的変化からみた重症度の検討,p(131)47 左段落【Ⅰ.はじめに】1-2行目より
視覚性注意障害(同時失認)とは

視覚性注意障害とは、2つのものを同時にみることができない症状のことだと考えられます。
「視覚がとらえた物体(すなわち視野の中心を占める対象)のみが注意されその他の物体ないし背景は全く注意されない。Balintの症例ではこの障害はとくに左側に顕著で患者の注意はもっぱら右側に向けられていた」
(引用:頭部外傷により発症したBalint症候群の一例,p125右段落【c.視覚性注意障害】1-5行目より)
ちなみに、こちらは別記事にて詳しくまとめておく予定です。
もうしばらくおまちください
工事中
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後に、今回の記事の内容をまとめておわかれです(^ω^)
- バリント症候群とは、脳損傷による視空間認知障害の1つ
- バリント症候群の主な症状には、精神性注視麻痺・視覚性運動失調・視覚性注意障害の3つがある
- 精神性注意麻痺は、自らの意思で視線を動かすことができない症状
- 視覚性運動失調は、目で物はみえているものの、それを手にとることがうまくできない症状
- 視覚性注意障害は、2つのものを同時にみることができない症状
引用文献
本記事で引用した文献を紹介します。
①バリント症候群を呈した事例に対する食事動作への急性期作業療法介入
参考文献
本記事で参考にした文献を紹介します。(引用文献は割愛)
①両側頭頂葉・右後頭葉損傷後、バリント症候群とallocentric neglect を呈した症例ー知覚型視覚失認と見間違う臨床像ー
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