クリタマです(´ω`*)
この記事では、「病態失認」について、僕の理解をわかりやすくまとめておきます。
結論~病態失認とは?~
結論から言うと、病態失認とは、「自分の病態に気づいていない状態のこと」だと考えられます。
病態失認のイメージですが、仮に、私があなたのことを↓こんな感じでつねったらどうでしょうか?

そしたらまあ、「痛たたたたた」ってなりますよね?
しかし、病態失認の場合は、

「・・・・ん?(きょとん顏)」
となるわけです。
なぜか?
それは、「つねられていることに気づいていない」からです。
ただ、繰り返しますが、これはあくまでもイメージとしての話です。
このようなことが、病態失認者の内面的な出来事して起こるのが「病態失認」というわけです。
病態失認(anosognosia)というのは,広義には, 「自分の病態に気づかない」という事態であり,高次脳機能障害のかなり広い領域においてみとめられるものである
引用:病態失認のとらえ方より
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
病態失認の分類
病態失認は、広義と狭義の2つがあります。
広義は、以下の様に4つの分類があります。

- Anton型
- ウェルニッケ失語によるもの
- 健忘症状によるもの
- 左片麻痺に対するBabinski型
一方、狭義の病態失認は、上図のうちのBabinski型の病態失認をさすようです
狭義に病態失認という場合には,歴史的な経緯もあって,左片麻痺に対する否認・無関 心などを含む,Babinski 型の病態失認をさすのが一般的な臨床的理解となっている
引用:病態失認のとらえ方
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
ですので、このページでは、狭義の病態失認を中心にまとめています。
そして、狭義の病態失認をとらえた場合、「病態失認」は「身体失認」に含まれます。

身体失認には、片側と両側の下位分類があり、病態失認は、片側の分類の1つという位置づけです。
病態失認とは、片麻痺患者が、自らの麻痺の存在を否認する症状である。患者が自発的に麻痺を否認することではなく、検者による質問は不可欠である
引用:身体失認より
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ちなみに、「失認」全体における「病態失認」の位置づけを確認したい方は、別記事をご参考ください。
↓↓こちら(=゚ω゚)ノ
そうすると、ここで気になるのが、片側身体失認の下位分類です。
病態失認以外に、「病態無関知」「意識されない片側身体失認」「意識された片側身体失認」の3つ分類があります。
これらの違いは何かというと、病態失認の程度の違いによる分類であると考えられます。
多くの場合,問われると患者は,左側の麻痺を否認することもあれば,麻痺に気づかないようにみえることもある。気づいていても深刻味に乏しく,自身の麻痺に無関心であるようにみえることもある(疾病無関知,anosodiaphorie)
引用:病態失認のとらえ方
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
要するに、先ほどの分類と上記の説明は↓このように対応していると考えられます。
- 左側の麻痺を否認すること→病態失認
- 気づいていても深刻味に乏しく、自身の麻痺に無関心→病態無関知
- 麻痺に気づかないようにみえる→意識されない片側身体失認
また、意識されない片側身体失認については、
一般には麻痺がないか、あっても軽い場合に用いる
引用:身体失認より
と言われていることからも、「程度による違い」という理解で差し支えないと考えられます。
ただ、「気づいている」という時点で、やはり「失認」の定義から外れることになりますよね。
そういう意味で、「失認」という表現が使われていないのでしょうね。
病態失認と半側空間無視
最後に、病態失認と関連の強い、代表的な状態があります。
それが、「半側空間無視」です。
半側空間無視は、主に、自分の左側に注意が向かない症状で、そのことに自分が気づいていない状態です。
まさしく、「病態失認」ですよね。
半側空間無視については、別記事にまとめたので、詳しく知りたい方はご参考ください。
半側空間無視について詳しく知りたい方は↓↓こちら(=゚ω゚)ノ
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後に本エントリーの内容をまとめておわかれです(^ω^)
- 病態失認とは、「自分の病態に気づいていない状態のこと」
- 病態失認には、広義と狭義があり、Babinski 型の病態失認が狭義の病態失認に該当する
- 病態失認は、片側身体失認に含まれる
- 片側身体失認の分類には、「病態失認」のほかに「病態無関知」「意識されない片側身体失認」「意識された片側身体失認」がある。
- 片側身体失認の分類の違いは、程度による違いだと考えられる。
- 病態失認がみられる代表的な状態に、半側空間無視がある。
参考文献
①病態失認の捉え方(大東 祥孝)
②身体失認(峰松 一夫)
③失認のみかた(佐藤 正之)
引用文献
①病態失認の捉え方(大東 祥孝)
②身体失認(峰松 一夫)
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