クリタマです(^ω^)
この記事では、「相貌失認」について僕の理解をまとめています。
結論~相貌失認とは~
相貌失認とは、「よく知っている人の顏を見ても、それがだれかわからない」症状のことを言うそうです。
相貌失認(prosopagnosia)は、視覚性失認が顏に選択的に起こった状態である。視力や明暗のコントラスト感度が保たれている。
引用:視覚性失認より
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ちなみに、「相貌」とは、「顏のありさま」や「人相」のことです。
相貌失認の具体例
突然ですが、以下に貼り付けた動画を再生せずに、僕の質問に答えてください。
「このトップ画像の人物は、だれでしょうか?」
そう。
簡単ですよね?
今をきらめく、大谷翔平選手です!
一方、「相貌失認」がある場合、↓こうなります。
「ん・・・、ちょっと誰かわかりませんね?」
しかし、先ほどの動画を再生すると、↓こうなります。
「あ~、大谷選手やんけ」
急に関西弁になってることのほうが僕としては気になりますが、とにかく大谷選手だと気づきます。
なぜか?
その答えは以下の通りです。
よく知っている人の顏を見ても誰だかわからない。しかし、それが顏であることは分かる。声を聴けば誰であるかすぐわかるし、服装や髪型、仕事や歩き方からも分かる。すなわち、聴覚を介すれば分かるし、顏以外の物品の形や、動きからは分かる。唇を読むこともできるし、表情の動きからも分かる。すなわち、顏の動きからは情報を引き出すことができる
(引用:視覚性失認より)
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つまり、日常例で言えば。知り合いをみても誰かわからないが、会話をすることで誰かわかるようになるということですね。
相貌失認の原因~視力や記憶の問題ではない~
さて、相貌失認が具体的にどの様な症状かわかったところで、もう少しその理解を深めたいと思います。
ここで大事なのは、相貌失認の原因は「視力」の問題ではないということです。
視覚性失認では、(1)視力、明暗のコントラスト感度などに対象の特徴が見えない程の低下がない、視野は欠けていることもあるが、対象が何か分かるに必要な中心付近の視野は十分広く保たれている
(引用:視覚性失認)
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視覚性失認についての説明ですが、相貌失認は、視覚性失認の下位分類に入ります。
また、「記憶」の問題でもありません。
(5)対象についての記憶や知識が失われたのではないことを、対象の名前を与えてそれについて説明させたり、定義からの名を答えさせたりして確認できる
(引用:視覚性失認)
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それでは、一体何が原因なのでしょうか?
それは、顏のパーツ1つ1つを統合して、全体としてみることができないという「認知」の問題であると考えられています。
顏の認知では、他の視覚対象と異なり、各構成要素(顏の場合は目、鼻、口など)を個別に処理する部分処理システムと比較して、部分間の空間関係を処理し、対象の全体的構造を把握する全体処理システムに強く依存することが知られている(中略)また、顏認知が選択的に障害される相貌失認患者においては、この全体処理システムになんらかの不全があることが示唆されている。
(引用:相貌失認患者の全体処理システムに関する研究)
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相貌失認は、臨床心理士資格試験でも出題されています
この記事で取り上げた内容についての理解は臨床心理士資格試験の過去問でも出題されています。
そちらの対策もしておきたい方は、↓こちらを参考にしてみてください(^ω^)
相貌失認の種類
それでは最後に、相貌失認の症状をもう少しだけ深堀しておきたいと思います。
というのも、何事もそうですが、一般的な症状にきれいに当てはまるということは珍しいからですね。
例えば、相貌失認には「知らない人の顏」の違いを判別できるタイプとそうでないタイプがあったりするようです。
あるいは、「嫌いな人」と「好きな人」を目の前にすると、誰だかわからないけど、無意識的な認知が生じるタイプと生じないタイプというのもあるようです。
そして、そのような「無意識な認知」のことを「コバート認知」と呼ぶそうですね。
相貌失認は、熟知している人の顏を視覚的に認知できない状態であるが、その中のあるものには、熟知している人物の顔をovertlyには認知できないが、本人の意識にのぼらないレベルで熟知感を感じていたり、顏に関する何らかの情報をつかんでいることがある。このcovert認知をはじめて記載したのはBruyer(1983)である。
(引用:相貌失認とコバート認知より)
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相貌失認の概念的な位置づけ
相貌失認は視覚性失認の1つですが、「失認」全体の位置づけについて理解したい方は、以下をご参考ください(^^ゞ
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後に、この記事の内容をまとめておわかれです(^ω^)
- 相貌失認は、よく知っている人の顏をみても、それがだれかわからない状態
- 相貌失認の原因は、「視力」でも「記憶」でもない
- 相貌失認は、「認知」が障がいされている状態
- 相貌失認には、無意識的な認知が生じるタイプと生じないタイプがあり、前者を「コバート認知」と呼ぶ。
とうことなんですね~
それではまた(@^^)/~~~
引用文献
- 視覚性失認
- 相貌失認患者の全体処理システムに関する研究
- 相貌失認とコバート認知
参考文献
- 視覚性失認
- 相貌失認患者の全体処理システムに関する研究
- 相貌失認とコバート認知
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