クリタマです(^ω^)
この記事では、「失認」についての僕の理解をまとめています。
- 失認ってなに?
- 具体的にはどんな症状なの?
という疑問をお持ちの方はご参考ください。
失認とは
結論から言うと、失認とは「ある感覚において、物や事柄を捉えられないこと」だと考えられます。
例えば・・・
「これはなんでしょうか?」

「そう、りんごですよね」
しかし、失認のある方に同じ質問をするとこうなります。

「は?なにそれ?」
「なにそれ?」
そこで、次のようにききます。
「りんごしってますか?」

「は?赤くて、甘い果物でしょ!?馬鹿にしてんの?」
という答えが返ってきます。
あるいは・・・
「ちょっと、触ってみください。はい」

「え、りんごじゃんこれ」
となるのだそうです。
これが「失認」です。
失認の定義
先ほどの結論をおもいだしてみましょう。
失認とは、「ある感覚において、物や事柄を捉えられないこと」でした。
つまり、これを「りんご」の例に照らし合わせると・・・
- ある感覚→目
- 物や事柄→りんご
ということです。
失認とは、あるひとつの感覚を介して対象物を認知することができない障害をさす
引用:視覚失認についてより
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
ちなみに、今回は「目」から物(りんご)をとらえられない状態であるため、正確には、「視覚失認」ちうことになります。
そこで、ここからは「失認」の分類をみていきたいと思います。
視覚失認の分類
今回は、失認の2つの分類を紹介します。
1つは、感覚モダリティによる分類です。
もう1つは、病態機序に注目した分類です。
感覚モダリティによる分類
感覚モダリティってなに?
と思うかもしれませんが、「人の五感」という理解で差し支えないかと思います。
以上を踏まえて以下の図をご覧ください。

つまり、「失認」の下位分類として、五感による分類があり、そのうちの1つとして「視覚失認」が位置づけられています。
ちなみに、過去記事で「同時失認」は、五感による失認とはまた違った失認として位置づけられてるようです。
相貌失認は、臨床心理士資格試験でも出題されています
ちなみに、この記事で取り上げた内容についての理解は臨床心理士資格試験の過去問でも出題されています。
そちらの対策もしておきたい方は、↓こちらを参考にしてみてください(^ω^)
病態機序による分類
続いては、病態機序による分類です。
こちらの分類は、視覚失認に特化した分類になります。
この分類は、以下の3つにわけられます。
- 統覚型
- 連合型
- 統合型
統覚型は、視覚的な特徴を全体として1つにまとめることができないタイプです。
次に、連合型は、1つにまとめあげることはできるのですが、その結果を意味あるものとしてとらえることができないタイプです。
パズル作業に例えるなら↓こんな感じの違いでしょうかね( ゚Д゚)
- 統覚型→パズルがくみたてられなくて「わからん」と言ってる
- 連合型→パズル組み立てたけど、何の絵か「わからん」と言ってる
そして最後に、統合型は、統覚型と連合型の中間的なタイプとされています。
したがって、視覚性失認は次のような3つのグループに分けて考える方が実際的である。(1)知覚型:要素的感覚によりとらえた特徴を、部分的な形にすら、まとめあげることができない。形がまったく分からない。したがって、対象を書き写すこと(模写)ができない。(2)統合型:まとめあげた部分的な形を全体の形と関連付けられない。したがって、模写はできるが、各部分をばらばらにし写し取る形で、ゆっくりとしかできない。(3)連合型:これらの段階は完了しているが、それを意味と結びつけることができない。したがって、模写がすばやく正確にできる。
引用:視覚性失認より
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
これを表にまとめたのが↓こちら(/・ω・)/

まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
最後に、この記事の内容をまとめておわかれです(^ω^)
- 失認とは、ある感覚において、物や事柄を捉えられないこと
- 目から得た情報で、対象がわからないことを視覚失認という
- 失認は、五感による分類があり、視覚失認は、その下位分類にあたる
- 視覚失認は、病態機序によって①統覚型・連合型・統合型の3つに分類される
ということでしたね~♪
それではまた。
引用文献
参考文献
①失認のみかた(佐藤正之)
②身体失認(峰松一夫)
③視覚失認のみかた(岩田誠)
④視覚失認について(武田克彦)
⑤視覚性失認(平山和美)
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