この記事では、「内発的注意と外発的注意の異同」について僕の理解をまとめています(∩´∀`)∩ワーイ
学習のお役に立てば幸いです。
結論
結論が一目でわかるように、以下の表にしました(^^ゞ
ちなみに、外発的注意も内発的注意も「空間的注意」の1つです。
共通点
まず、両者の共通点についてですが、
「どちらもターゲット探索などの視覚情報処理を促進する」という点が共通しています。
どういうことかというと、
「ヒントがあると、探しものはみつかりやすくなる」みたいなことですね。
つまり、「ヒント=外発的注意or内発的注意」ということです。
具体的にやってみましょう。
次のスライドをみてください。
おそらく、2回目のほうが早く見つけられた方が大半ではないでしょうか?
なぜか?
それは、「ヒント=矢印」があったからではないでしょうか?
それが、「ターゲット探索などの視覚情報処理を促進する」という意味です。
外発的注意と内発的注意の具体例
体験的理解がすすんだところで、外発的注意と内発的注意について少し深堀りします。
それぞれの具体例は以下のとおりです。
- 外発的注意をもたらす刺激・・・光
- 内発的注意をもたらす刺激・・・矢印(→)
つまり、先ほどは、「ヒント」として「矢印」をつかったので、あれは正確に言えば「内発的注意」ということになります。
外発的注意と内発的注意の違い
ここからは、外発的注意と内発的注意の違いについてまとめていきます。
全部で4つです。
違い①~注意の特性~
次に、それぞれの注意の特性についての違いです。
- 外発的注意・・・無意識で自動的な注意
- 内発的注意・・・意識的で意図的な注意
つまり、外発的注意は「体が勝手に動いてしまう」というような反射に近い行動で、内発的注意は、「よーし、やるか」というような意思のある行動だと考えられます。
違い②~それぞれの注意の恩恵の違い~
続いては、内発的注意と外発的注意によってもたらされる恩恵の程度の違いについてです。
「恩恵」=「ターゲットをみつける早さ」という意味です。
それぞれ、「刺激」と「ターゲット」の時間間隔が以下のタイミングで提示された場合に顕著になる傾向があるようですが、以下の通り。
- 外発的注意・・・0.1-02秒あたりで顕著
- 内発的注意・・・約0.4秒で顕著
先ほどの例でいうと、「→」が提示され、0.4秒後に「①」が提示されると、そうでない場合に比べ、もっとも「①」が早く見つけられるということになりますね。
違い③~復帰抑制の違い~
今度は、復帰抑制の有無についての違いです。
復帰抑制を一言であらわすと、
「1度向けた注意が同じ位置に向きにくくなること」を意味してます。
- 外発的注意・・・復帰抑制あり
- 内発的注意・・・復帰抑制なし
例えば、先ほどの具体例における「→(内発的注意)」ではなく「光(外発的注意)」だったとしましょう。
その場合、ある程度時間が経過すると、再度「光」が提示されたとしても、そこに注意が向きにくくなる(抑制される)ということです。
一方、「→」の場合は、そうではないということですね。
この復帰抑制は、「刺激」と「ターゲット」が時間間隔が0.8秒以上になると生じるようです。
復帰抑制について詳しく知りたい方は↓↓こちら
違い④~視覚の時間精度~
最後に、「視覚の時間精度」の違いです。
視覚の時間精度とは、「より短い時間で、物事やできごとを認識できるようになる程度」のことのようです。
この視覚の時間精度は、両者で次のような違いがあります。
- 外発的注意・・・低下
- 内発的注意・・・上昇
つまり、先ほどの例でいうと、「①」を見つける時間が、ヒントとして「→」を提示されたほうが、「光」を提示されるよりも早くなるということですね。
これは、なんとなく、「外発的注意」だとなんか一瞬ひるむからなのかなという気がします。
以下の記事が参考になりそうですが、おそらく「走馬灯」に近い現象なのかもしれませんね。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?(^^ゞ
外発的注意と内発的注意の理解は深まったでしょうか?
最後に、今回の記事をまとめておわかれです。
- どちらの注意も目からの情報処理を促進する働きがある
- 「外発的注意=光」「内発的注意=矢印」
- 「外発的注意=無意識的で自動的」「内発的注意=意識的」
- 外発的注意は0.1-0.2秒、内発的注意は0.4秒あたりで効果大
- 外発的注意は復帰抑制あり、内発的注意は復帰抑制なし
- 外発的注意は時間精度を低下、内発的注意は時間精度を上昇
ということです。
それではまた。
参考文献
この記事を書くにあたって、参考にした文献を紹介しておきます。
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