外発的注意の具体例をおみせします

基礎心理学

この記事では、外発的注意の具体例について僕の理解をまとめておきます。

結論~外発的注意の具体例から

結論から言うと、外発的注意の最たる具体例は、「光」です。

具体例は、以下の動画でご覧下さい。

わかりましたでしょうか?

左右のボックスが点滅したときに、あたなはそこに注目したのではないでしょうか?

それこそが、「外発的注意」だといえます。

具体例がわかったところで、外発的注意の定義も確認しておきたいと思います。

それがこちら↓↓

視野内に何らかの刺激が突然出現することにより、その位置へ自動的に注意がひきつけられる場合もある(Jonides,1981; Posner & Cohen, 1984; Yatins & Jonides, 1984)。例えば急にフラッシュが光った時など、我々の意図とは関係なくその位置に注意が向けられる。このような、外部の刺激によって自動的に補足される注意は外発的注意(exfenous attention)または一過性の注意(transient attention)と呼ばれる

(引用:空間的注意によって生じる主観的な視知覚の変化より,p25)

つまり、簡単に言うと、外発的注意は「反射的にむけられる注意」だと言えそうです。

ちなみに、外発的注意は、Posner & Cohen(1984)が行った「先行手がかり課題」によって明らかにされた現象です。

外発的注意の特徴

外発的注意には以下のような特徴があります。

  • 無意識で自動的
  • SOAが0.1-0.2秒あたりで視覚情報処理の促進が顕著
  • 復帰抑制が起きる
  • 視覚の時間精度を低下させる

↑このような特徴を備えているのが「外発的注意」であることがわかっているようです。

SOAとは、「Stimulus onset asynchrony」の略で、先ほどの動画でいうと「箱が光ってから、●印が表示されるまでの時間」を意味しています。

「視覚情報処理の促進が顕著」という表現は、つまり、「箱が光ってから●印が表示されるまでの時間が0.1-0.2秒あたりで、●印の発見が早くなる」という意味です。

もちろん、光った箱と●印が表示された箱が同じ場合です。

外発的注意は手がかりとターゲットとの間のSOA(stimulus onset asynchrony)が100-200msあたりで最も顕著な効果が見られる(中略)また、外発的注意には手がかりとターゲットとの間のSOAが800ms以上で一度向けた注意がもう一度同じ場所に向きにくくなる傾向があり、復帰抑制と呼ばれる。さらに、外発的注意は視覚の時間精度を低下させる」

引用:随意的呼吸調整が外発的注意および内発的注意に及ぼす効果,p88より

復帰抑制については、↓↓こちらをご参考ください。

「視覚の時間精度を低下させる」という表現の意味については、「走馬灯」がイメージとしては近い気がします。

以下を参考にしてみてください。

外発的注意の別の具体例

もう少しイメージしやすい外発的注意の具体例としてこんなものがあります。

あなたの上司を思い浮かべてください。

はい、あなたが何か仕事で重大なミスをやらかしました。

ふと上司をみると・・・・

こんな状況だったら、おもわず上司の右こぶしに注意が向いてしまいますよね?

だってよけないとあぶないから(笑)

これも外発的注意に該当すると考えられます。

 視野内で異常事態が起きれば、意図的に注意を向け続けることで、より詳細な情報を獲得することが可能となる。マジシャンが大げさにステッキを振り回したとしよう。突然のオーバーな動きは、反射的な注意を引きつけるのに十分な手がかりとなる

引用:マジックにだまされるのはなぜか「注意」の認知心理学p70より

ここまでの情報を加味すると、「突発的な刺激」が外発的注意をもたらすのであれば、おそらく、「大きな音」とか、そういった刺激も外発的注意に含まれるのではないかと考えられます。

「突然」かつ「大きな音」がしたら、「何事!?」ってなるし、反射的にそっちに注意がむきますし。

なので、そうい意味でいうと、「雷音」とか「サイレン」とか、そういう刺激も「外発的注意」に含まれる気がします。

しかしながら、この答えとして「音」は「外発的注意に含まれない」と言わざるを得ないようです。

なぜなら、そもそも「空間的注意」が「視野内」に限定した概念だからです。

視野内の特定の空間位置へ向けられる注意を空間的注意(spatial attention)と呼ぶ

引用:空間的注意によって生じる主観的な視知覚の変化,p25より

いきなり「空間的注意」という言葉が出現して、「は?」となってる方は、この後をお読み下さい。

さすれば道は開かれます。

外発的注意の概念的な位置づけ

外発的注意というのもが、なんとなくわかってきたところで、概念的な位置づけについても理解しておきたいと思います。

外発的注意は、「潜在的注意」の下位概念であり、「外発的注意」と並列に扱われる概念だということです。

↓↓図にまとめました。

そして、潜在的注意とは、「視線とは、独立して向けられる注意」のことのようです。

視線を向けた位置に注意が共に向けられる場合もあるが、注意は視線から独立して移動することが可能である(Posner, Snyeder, & Davison,1980)。前者を顕在的注意(overt attention), 後者を潜在的注意(covert attention)と呼ぶ。

引用:空間的注意によって生じる主観的な視知覚の変化,p25,5行目から8行目より)

そして、この潜在的注意が「内発的注意」と「外発的注意」に分けられ、そのうち、「観察者の意図とは、独立して向けられる注意」のことを「外発的注意」と呼ぶわけです。

潜在的注意の中で、(中略)例えば急にフラッシュが光った時など、我々の意図とは関係なくその位置に注意が向けられる。このような、外部の刺激によって自動的に補足される注意は外発的注意(exogenous attention)または一過性の注意(exogenous attention)と呼ばれる

引用:空間的注意によって生じる主観的な視知覚の変化,p25,8行目から15行目より

ということですね。

「空間的注意」についてもっと知りたい方は↓↓こちら

まとめ

最後に、本記事の内容をまとめておわかれです。

  • 外発的注意の具体例には、「光」がある
  • 外発的注意とは、「反射的に向けられる注意」のこと
  • 外発的注意は、Posner & Cohenによる「先行手がかり課題」によって見出された
  • 「大きい音」などの聴覚刺激によってもららされる注意は、外発的注意には含まれない
  • 外発的注意は、「潜在的注意」の1つ

ということでした。

それではまた(^ω^)

外発的注意と内発的注意の違いについて理解を深めたい方は↓↓こちら

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