この記事は、以下のような疑問がある方向けに書いています(^O^)
- 基本的な帰属の誤りってなに?
- 基本的な帰属の誤りの具体例を知りたい
結論~基本的な帰属の誤り(エラー)とは~
「基本的な帰属のエラー」とは、私たちが、あるい人の行為の原因を考える際に、環境よりもその人の内面を重視してしまう傾向のことを言います。
内的帰属と外的帰属とは対等な重みをもつものではなく、人間は内的原因を外的原因よりも重視しやすい。つまり内的帰属をしやすいという傾向が明らかになってきた。これをRoss(1977)は、『基本的な帰属のエラー』と呼んだ
引用:社会的認知の普遍性と特殊性:態度帰属における対応バイアスを例としてより
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
基本的な帰属の誤りの具体例は?
具体例としては、↓↓このようなものがあります。
- 「テストの点数が良かったのは、自分が頑張ったからだ」
- 「遅刻したのは、お前がなまけてるからだ」
- 「クイズ番組の司会者やってるのは、頭がいいからだ」
みたいなことですね。
「1.」は、「テストが良かった(結果)」の原因を「頑張ったから(努力)」という、内面に理由づけしてます。しかし、もしかしたら、今回のテストがたまたま簡単だったのかもしれませんよね?
「2.」は、「遅刻した(結果)」の原因を「怠けてる(態度)」という、内面に理由付けしてます。
もかしたら、電車が遅れただけかもしれませんよね?
「3.」は、「クイズ番組の司会(役割)」の原因を、「頭がいい(能力)」という、内面に理由づけしています。もしかしたら、他にだれもやってくれる人がいなかっただけかもしれませんよね?
このように、環境よりも、人の内面に理由づけをしてしまうことが・・・
「基本的な帰属の誤り(エラー)」です
基本的な帰属の誤りは、包括的な概念です
基本的帰属のエラーを理解する際のポイントは、
「人間は、環境よりも、個人の特性を重視する場合がある」ということです。
具体的には以下の部分です
- 人間は
- 場合がある
そりゃそうだろと思うかもしれませんが、この区別をしておくのは実は重要です。
なぜなら、似たような認知バイアスが、心理学にはたくさんあるからです。
それらを区別するためには、上記2点がポイントになっていると考えられます。
基本的な帰属のエラーは、「人間、一般」のことを指した概念
まず、「1.人間は」の部分ですが、これは、「基本的な帰属のエラー」が、認知バイアスの中でも、割と包括的な概念であることを示しています。
これは、先ほどあげた具体例を細かくみていくとわかります。
↓↓
- 「テストの点数が良かったのは、自分が頑張ったからだ」
- 「遅刻したのは、お前がなまけてるからだ」
- 「クイズ番組の司会者やってるのは、この人の頭がいいからだ」
「テストの点数がよかったのを、自分が頑張ったからだ」と発言しているのは、だれでしょうか?
「テストを受けた人(行為者)」ですよね?
あるいは、
「クイズ番組の司会者をやってるのは、この人が賢いからだ」と発言しているのは、だれでしょうか?
「クイズ番組をみてる人(観察者)」ですよね?
つまり、「基本的な帰属のエラーを起こす人の視点」が違うということです!!!
「行為者の視点から、基本的な帰属のエラー」を起こすこともあれば、「観察者の視点から、基本的な帰属のエラー」を起こすこともあるわけです。
なので、どの視点からのバイアスも「基本的な帰属のエラー」には含まれていますよという意味で、「人間は」というのがポイントになります。
ちなみに、前者のバイアスは、「セルフ・サーヴィング・バイアス(成功時)」、後者のバイアスは「対応バイアス」と呼びます。
したがって、「基本的な帰属のエラー」は、それら2つのバイアスを包括した概念だということになりますね!!
↓↓こんな感じ。

ただし、今は、説明のために2つの認知バイアスしかとりあげていませんが、「基本的な帰属の誤り」には、他にもいろんな認知バイアスが含まれているわけですね(^^♪
「場合ががある」ということについて
「場合がある」というのは、基本的に、研究論文で扱ってるのは大前提としてそうなんですが、以下の定義だけみると、あらゆる場面で人間にはそういう傾向があると表現しているように思ってしまいます。
↓↓
「Rossによれば、基本的な帰属のエラーとは、『環境の影響力に比較して、個人的・傾性敵(dispositonal)要因の重要性を過大評価する、人間の一般的傾向』」
(引用:基本的な帰属のエラー(Fundamental Attribution Error)をめぐってより
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
しかしながら、当然そうではありません。
例えば、「行為者ー観察者バイアス」という認知バイアスがありますが、これは平たくいうと、「自分が行為者の場合は環境のせいに、他人の場合はその人のせいにしがち」なバイアスを言います。
この「行為者ー観察者バイアス」を「基本的な帰属のエラー」に沿って考えるとどうでしょうか?
「自分が行為者の場合は環境のせいにする」という部分は「基本的な帰属のエラー」の定義からは外れますよね?
一方で、「他人のことだとその人の特性のせいにしがち」なという部分は、「基本的な帰属のエラー」に合致します。
つまり、「基本的な帰属のエラー」によって「行為者ー観察者バイアス」をとらえると、「一部説明している」ということが言えることになります。
ですので、他のバイアスとの区別をする上で「基本的な帰属のエラー」の理解を深めておくことが重要なんですね~(^^♪
ちなみに、「セルフ・サーヴィング(自己奉仕)バイアス」も「基本的な帰属のエラー」によって一部説明しているという表現が本当は適切です。
ここまでの説明をベン図にすると↓↓こんな感じです。

なんとなくイメージは掴んでいただけたでしょうか? ^^)
まとめ
それでは、最後に、本記事の内容をまとめておわかれです(^ω^)
- 基本的な帰属のエラーとは、私たちが、人の行為の原因を考える際に、環境よりもその人の内面を重視してしまう傾向のことをいう
- 基本的帰属のエラーは、対応バイアスや、自己奉仕バイアスなどを含む、包括的な概念である。
- 基本的な帰属のエラーは、人間のいろんな視点から起こりうるバイアスであることを扱っている
- 基本的な帰属のエラーは、いつ何時も、そのようなバイアスがかかることを意味しているわけではない。
ということでした~
それではまた(^^ゞ
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