【心理学】現実検討能力とは~具体例を交えて~

精神分析

この記事では、「現実検討能力」について僕の理解をまとめておきます(^ω^)

↓↓こんな疑問がある方はお読みください。

  • ケース会議で当たり前のように飛び交うけど「現実検討」ってどういうこと?
  • 現実検討能力とは具体的にどんな能力なんですか?

それでは、本編のスタートです。

結論~現実検討能力とは?~

現実検討能力とは「自分自身の感覚や思考などを客観的にみる力」のことだと考えられます。

 現実検討とは、病者が自らの体験を、『いかに』理性的、論理的、概念的に規定しようとしているかという側面をとらえようとする。みずからの体験を区別し、命名し、同定し、秩序づけようとする機能である

(引用:精神症状への基本的アプローチ,p154【2.「現実検討」をとらえる】1-3行目より)

↓↓もう1つ掲載しておきますね。

 現実検討機能はもっとも重要な自我機能の1つである。時間や場所や状況を認識し、自分の内面に喚起され生じていることと、外界に存在していることとを区別しておくことなどが中心である

(引用:心理アセスメントにおける自我機能,p46,【1.現実検討機能 Rality Testing】6-8行目)

具体例~具体的にはどんな能力?~

では、実際に、あなたの現実検討機能をチェックしてみたいと思います。

↓↓あなたには、こちらが何にみえるでしょうか?

そうです。

りんごです。

これがりんごに見えないかたは、もしかしたら現実検討能力が低下しているのかもしれません。

では、りんごに見えないで一体なににみえるのでしょうか?

現実検討能力が低下している人には、こんな感じのことが起きていると考えられます。

かなり逸脱してますよね?

現実を適切にとらえられていないようです。( ゚Д゚)

現実検討能力が低下していると、どうやらこんなことが起きているのだと考えらえます。

 こうした現実検討機能の程度は,投映法の1つであるロールシャッハ法において反映さ れやすい。それはロールシャッハ法での刺激は多義的で,多様な反応が許されるからであ る。たとえば,図版の刺激特徴から逸脱し,特徴と合致しないようなきわめて主観的な反 応語が多く述べられる場合,現実検討機能が低下傾向だと一般に考えられる

(引用:心理アセスメントにおける自我機能,p46,下から7-4行目)

なるほど、ロールシャッハ・テスト・・・奥が深いですね。

現実検討能力の種類

ちなみに、ここまでで説明した現実検討能力は、3つの要素のうちの1つであると考えられます。

(1)現実検討(reality-testing)

A 内的刺激と外的刺激との区別。

B 時間や場所への志向性を含む、外的事象の知覚と解釈の正確さ。

C 内的事象の知覚と解釈の正確さ。反省的意識すなわち自分の行う知覚や解釈がどの程度正確か、あるいは歪曲的かが認識できている程度。

(引用:自我機能に関する心理学的研究,p198,左段落【(1)現実検討(reality-testing)】より)

これを図にすると↓↓こんなですね。

そして、先ほど説明した具体例は、主に、この中の「➀」に該当するものだと考えられます。

内(りんご)と外(犬)を区別できてませんよね?

次に「②」ですが、これは認知症で問題になるようです。

たとえば,老人性認知症では,時間や場所の認識が混乱してしまうこと が見られる

(引用:心理アセスメントにおける自我機能,p46,【1.現実検討機能 Reality Testing】8-9行目)

最後に、「③」の具体例としては、統合失調症の妄想や幻覚など挙げられるようです。

例えば、↓↓こんな感じ

つまり、本当は、自分の中の心の声だけれども、それを認めるとつらくなるので、外界からのよびかけとすることで、「自分は被害にあっている」と解釈していると考えられるわけです。

実際にはだれもいないのに・・・

 また統合失調症では,自分の内的言語や表象を,外界からの呼びかけと 誤って認識し幻覚として抱くなど,現実検討機能の障害が見られる

(引用:心理アセスメントにおける自我機能,p46,【1.現実検討機能 Rality Testing】9-10行目)

ということで、以上が「現実検討の具体例でした。

ちなみに、現実検討能力は、「自我機能」の1つに位置づけられているものです。

以下は、Bellackの自我機能の12分を体系図にしたものです。

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⑥まとめ

それでは、最後に、本記事の内容をまとめてお別れです(*^^)v

  • 現実検討能力とは「自分自身の感覚や思考などを客観的にみる力」のこと
  • 例えば、りんごが犬にみえるみたいな場合は、現実検討能力が低下している
  • 現実検討能力には、➀内的刺激と外的刺激との区別、② 時間や場所の見当識、③ 内的事象を正確に認識し解釈することの3つがある
  • 現実検討能力が自我機能の1つである

ということですね~

それではまた(^^)/

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