この記事は、臨床心理士資格試験の1次試験の対策ページです。
今回は「ロールシャッハ・テスト」に関する問題を取り上げています。
出題のポイント
「ロールシャッハ・テスト」に関する問題は、臨床心理士資格試験においては、どのように出題されるのでしょうか?過去問の傾向を見ると、以下のポイントはおさえておきたいところです。
- 尺度と測定指標
- 施行方法について~座り方~
- 施行方法について~反応時間~
- 反応内容からわかること
- 図版の特性を理解した解釈
- CP反応の解釈
- 感情・情緒面の解釈
- FC反応
- 一般成人のFC:CF+Cの比
- 比率スコアの理解
- W:Mの比率
- 抑うつ指標(FC+CF+C : Fc+c+C’)
- 把握型と特殊スコア
- 人への興味や関心
- 対人関係
尺度と測定指標
ロールシャッハ・テストに関する用語と人物の適切な組み合わせを答えよ
【尺度】
①修正BRS
②RPRS
③SCZI
④organic sign
⑤Defense Scale
【測定指標】
(A)自我の強さ
(B)人格障害の査定
(C)分裂病指標
(D)脳の器質障害の有無
(E)適応状態の概要を把握
問題~逸脱言語表現~
うつ病の可能性を検討するために、逸脱言語表現(包括システムでは特殊スコア)に注目する。
問題~混合反応~
混合反応は、情緒障害の指標である。
問題~施行方法~
施行方法にまつわる問題です。
問題①~座り方~
ロールシャッハ・テストにおいて、包括システムでは施行時に具体的な座り方の定めはないが、片口法においては、横並びに座るのが基本である。
問題②~反応時間~
◆ロールシャッハ・テストを実施する際に、反応時間を計測するのはどちらか。
①包括システム ②片口法
問題~反応内容からわかること~
「反応内容」は、紋切り型(ステレオタイプ)の思考の程度を表していると言える。
問題~図版の特性を理解した解釈~
◆Aさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、結果が一部得られた。ここから言えることとして、適切なものはどれか?
【Aさんのスコア】
R=23、I〜Ⅶ図版の反応数=各2、Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ図版の反応数=各3
①Aさんは、情緒的刺激に消極的・回避的である。
② Aさんは、情緒的刺激に積極的・接近的である。
問題~動物運動反応の読み取り~
◆Cさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、一部結果が得られた。このスコアから言えることとして以下の内容が適切か否か答えよ。
【Cさんのスコア】
R=21,W%=60,M=2,P=3
【このスコアから言えること】
動物運動反応の比率は平均程度である。
問題~CP反応の解釈~
◆Aさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、結果が一部得られたここから言えることとして、適切なものはどれか?
【Aさんのスコア】
I 「黄金のチョチョ」
Ⅶ「たくさんの白い雲が並んでる」
①Aさんは、主観的で自分に都合の悪いことは否認的である。
②Aさんは、客観的で自分に都合の悪いことにも肯定的である。
問題~感情・情緒面の解釈~
混合反応は、感情・情緒面(情緒の制御など)についての解釈に役立つ。
問題~FC反応~
FC反応は、情緒の発達に伴って減少する傾向がある。
問題~FC:CF+Cの比~
◆Bさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、一部結果が得られた。ここから言えることとして、適切なものはどれか?
【Bさんのスコア】
FC:CF+C=4:1
①Bさんの色彩反応の質は、感情統制力が高いことを示している。
②Bさんの色彩反応の質は、感情統制力が低いことを示している。
問題~一般成人のFC:CF+Cの比~
一般成人のロールシャッハ・テスト結果として適切なものを選べ
①FC<CF+C
②FC>CF+C
問題~色彩と形態の統合度~
決定因における色彩と形態の統合度から、感情統制の特徴がわかる。
問題~感情表現の豊かさ~
Cさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、一部結果が得られた。このスコアから言えることを選択肢から選べ。
【Cさんのスコア】
M:ΣC=4:0,
FM+m : Fc+cF+c+FC’+C’F+C’+c+C’=4:2(mとcは0)
ΣF%=100%
【上記スコアから言えること】
①感情表現は、豊かである。
②感情表現が豊かであるとはいえない。
問題~比率スコアの理解~
◆次の反応の比率のうち、「体験型」とよばれ、解釈の際に重視される指標はどれか。
①W:M
②M:ΣC
③FC:CF+C
問題~W:Mの比率~
◆Bさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、一部結果が得られた。ここから言えることとして、適切なものはどれか?
【Bさんのスコア】
W:M=20:3
①Bさんには、自分の的能力以上のことを試みようとする傾向がある。
②Bさんには、自分の能力に見合った試みをする傾向がある。
問題~抑うつ指標(FC+CF+C : Fc+c+C’)~
◆Bさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、一部結果が得られた。この結果から心理士が行った解釈の正誤を答えよ。
【Bさんのスコア】
FM+m:Fc+c+C’=9:10
FC:CF+C= 1:4
①Bさんは、抑うつ気分が強い
②Bさんは、抑うつ気分が強いわけではないが、今後心配である。
③Bさんには、抑うつ気分の心配はない。
特殊スコアについて
特殊スコアの入った問題です。
把握型と特殊スコア
Eさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、
一部結果が得られた。このスコアから言えることを選択肢から選べ。
【Eさんのスコア】
反応数=21, W:D:Dd=3(14%):15(71%):3(14%)
Ddのいくつかはdrである。
F%=62%,ΣF%=100%,F+%=70%,ΣF+%=67%で、「F-」はなし。
【上記スコアから言えること】
①Eさんは、物事の総合的把握ができる。
②Eさんは、物事を部分的に把握する傾向がある。
③Eさんには、物事を特異的にみるスコアがある。
④Eさんは、物事を常識的にみるスコアがある。
問題~人への興味や関心~
◆Eさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、一部結果が得られた。このスコアから言えることとして以下の内容が適切か否か答えよ。
【Eさんのスコア】
R=40, W%=65.0%, Dd%=25.0%, W:M=26:5, F%=67.5%, ΣF%=100%, H%=25.0%
【上記スコアから言えること】
人に対しての興味・関心が低い傾向にある。
問題~対人関係~
◆Fさんに施行したロールシャッハ・テストから以下のように、一部結果が得られた。このスコアから言えることとして以下の内容が適切か否か答えよ。
【Fさんのスコア】
R=21, H%=29%, A%=71%
H:Hd=1:4
A:Ad=7:8
【上記スコアから考えられること】
①対人関係への過敏さゆえに、人とかかわれない
②対人関係に無関心ゆえ、人との関わりを避ける
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