この記事は、臨床心理士資格試験の1次試験の対策ページです。
今回は「愛着(アタッチメント)」に関する問題を取り上げています。
出題のポイント
「愛着(アタッチメント)」に関する問題は、臨床心理士資格試験においては、どのように出題されるのでしょうか?過去問の傾向を見ると、以下のポイントはおさえておきたいところです。
- 反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害の違い
- 事例からの見立て
- 愛着に関連する実験法
- 愛着に関する実験法と創始者の組み合わせ
- Bowlby.J.の功績
- アタッチメント行動の発達段階
- 母子関係とソーシャルサポート
- ストレンジシ・チュエーション法の対象年齢
- アダルト・アタッチメント・インタビュー(AAI)の分類型
- 社会的参照
- 探索行動
- 向社会的行動
- 回避行動
- 探索行動への関わり
問題①~反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害の違い~
◆以下の診断名とその特徴について正しい組み合わせを答えよ
【診断名】
①反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)
②脱抑制型対人交流障害
【特徴】
(A)他者との交流の少なさ(最小限の交流)
(B)見慣れない大人に近づき交流するためらいのなさ(過剰な交流)
愛着障害について詳しく知りたい方はこちら
問題②~事例からの見立て~
◆以下のような事例Aさんに対して言えることの正誤を答えよ。
児童養護施設に勤務する臨床心理士Bさんは、Aさん(小1,女子)へ遊戯療法を行うことになった。Aさんは、両親が若くして出産したため、経済的な事情から児童養護施設へ入所することとなった。入所後、Aさんは「初めて会う人は恐い」といいながらも、「ねーねー、何色が好き?」「どんな束物が好き?」のように過剰な身体接触をしてくる様子が多く見られる。
【Aさんに対して言えること】
Aさんには、反応性愛着障害の傾向があるかもしれない。
問題③~愛着に関連する実験法~
◆以下の実験方法とそれに関連する用語の組み合わせから正しいものを一つ選べ
①ストレンジ・シチュエーション法 ー アタッチメント
②誤信念課題 ー 対象恒常性
③視覚的断崖 ー 心の理論
問題④~愛着に関する実験法と創始者の組み合わせ~
Bowlby,J. (ボウルビィ)は乳児期の愛着の測定法として、ストレンジ・シチュエーショを編み出し、乳児が見知らぬ女性と出会い、ストレスフルな状況でどのように行動するかを観察した。
問題⑤~Bowlby,J.(ボウルビィ)の功績~
Bowlby,J.(ボウルビィ)は、双生児研究から母子間のアタッチメントの重要性を明らかにした。
問題⑥~アタッチメント行動の発達段階~
Bowlby,J.(ボウルビィ)によれば、乳児は一般的には、生後3か月ごろまでは、母親を識別しておらず、生後6カ月ごろまでには、識別したアタッチメント行動を示すようになる。
問題⑦~母子関係とソーシャルサポート~
母子の愛着が安定的に発達するためには、夫や友人など母親をとりまく周囲の人との対人関係のあり方(ソーシャルサポート)が重要だと言われている。
問題⑧~ストレンジ・シチュエーション法の対象年齢~
Ainsworth,M.D.S.(エインズワース)によれば、母親が子どもの要求によく気づき、適切に解釈し、受容的かつ応答的であると、生後12か月の時点で安定的な愛情を示すとされる。
問題⑨~アダルト・アタッチメント・インタビューの分類型~
◆AAI(アダルト・アタッチメント・インタビュー)において、反応パターンと適切な分類型の組み合わせを答えよ。
【反応パターン】
①自らの幼少期について短く肯定的な語りをするが、具体的なエピソードが薄い。
②虐待やトラウマ経験についての思考の誤り。
③一貫した語りと、内省する力。
④詳細な長い語りと親に対する怒り
【分類型】
A)軽視型
B)自律型
C)未解決型
D)とらわれ方
問題⑩~社会的参照~
他者の表情を観察したり、声色の変化に耳を立てて、あいまいな状況の意味を知ろうとすることは社会的参照である。
問題⑪~探索行動~
子どもが自身の安全性を確保するために、母親に近づく行動は探索行動である。
問題⑫~向社会的行動~
外的報酬を目的とした行動は、たとえそれが相手を援助する行動であったとしても、向社会的行動とはいえない。
問題⑬~回避行動~
苦痛などの感情が、養育者によって調整され落ち着くと、子どもは回避行動を行うようになる。
問題⑭~探索行動への関わり~
子供が探索行動をしているときには、その探索活動に加わることが、子どもの安定した愛着の発達を促すことになる
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