こんにちは。
こちらの記事では、双極性障がいに関する僕の理解をまとめています。
完全に勉強用の忘備録ですのでその点をご了承ください。
前回のエントリーでは、「双極性障害Ⅰ型とⅡ型の違い」をまとめましたが、その内容を踏まえて、今回は、双極性障害Ⅰ型の診断基準において、DSM-5に書かれている「項目A」についての深掘りしていきます。
双極Ⅰ型障害の診断基準について
それでは、まず、DSM-5の診断基準における前提を確認しておきます。
「双極Ⅰ型障害と診断するためには、躁病エピソードについて以下の基準に該当することが必要である。」
(引用:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き,p61より)
そして、このようにも書かれています。
「抑うつエピソードは双極Ⅰ型障害でしばしばみられるが、双極Ⅰ型障害の診断には必ずしも必須ではない」
(引用:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き,pp64-65)
つまり、「躁病エピソード」に該当すれば「双極Ⅰ型障害」と診断されるのだと考えられます。
驚きですね、「双極」と言っておきながら「抑うつエピソード」が必須でないなんて。
というわけで、以上を踏まえ、この記事では、躁病エピソードの条件A〜Dの4項目を順にみていくことにしますが、今回は、項目Aにスポットをあてていきます。
躁病エピソードの項目A
項目Aは以下の通りです。
「A.気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的となる。加えて、異常にかつ持続的に亢進した活動または活力がある。このような普段とは異なる期間が、少なくとも1週間、ほぼ毎日、1日の大半において持続する(入院治療が必要な場合はいかなる期間でも良い)」
(引用:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き)
双極性障害と診断するための躁病エピソードの期間の条件ですが、「少なくとも1週間」の部分は、加藤先生が述べていた「7日間」と一致しますね。
また、「易怒性」とは「ささいなことでも怒ってしまうような性質」のことを言うそうですが、加藤先生の説明と照らし合わせると、「なんの理由もない」という部分で食い違いがあるような気がします。
ただ、躁状態の場合「いつもなら怒らないのに」という前提がポイントになっているようなので、そのことを踏まえて「ささいなこと=なんの理由もない」というように表現しているのだと考えられます。以下はその参考部分です。
「躁状態も、生活の中で何かが起きて、それに対して怒ったりする、ということではなくて、なんの理由もないのに、一週間以上、毎日、一日中気分が高揚している状態が続くというエピソードです。なので、双極性障害におけるうつ状態、躁状態というのは、この10年で何回あった、と数えられるような、長く続くエピソードです。ですから、この一年に何回あったか数えきれない、というような場合は、そもそも双極性障害ではない可能性があります」
(引用:双極性障害 第2版 双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療,p25)
これらの基準を理解しておくと言うのは、支援をする者にとっては、重要な情報ではないでしょうか?
例えば、就労移行支援に通ってる人の中には、やはり怒りっぽい人というのはいます。なので、その起こりっぽさが、たまたまなのか、「普段の様相とは明らかに違いかつ、それが1日中かつ1週間以上続いているのか」を見極める必要性はあるということです。
普段ならそんな理由で怒らない方が、長期に渡って怒っているならば、それは双極性障害、ないしその再発、もしくは、薬をちゃんと服用しているのかということを疑った方がいいのかもしれないという話になるからです。そして、それを主治医の先生に伝えるように話すもしくは、同行して伝えるというそういうことができるかもしれませんよね。本人はそのことに自覚がない可能性もあるかもしれないですからね。
まとめ
それでは最後に本記事の学びを振り返って終わりたいとおもいます。
- 双極性障害Ⅰ型の診断のために、抑うつエピソードは必ずしも必要ない
- 躁病エピソードの診断項目Aでは、開放的か易怒的かを見極めることがポイント
- 躁状態は、「何の理由もないのに」気分が高揚している状態
ということでした。
それではまた。
躁病エピソードの診断基準項目Bについて一緒に勉強したい方は⬇︎こちら
引用文献
引用した書籍や文献はこちらに残しておきます。
①双極性障害第2版
②DSM-5精神疾患の分類と診断の手引き
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