この記事では、質的研究において用いられる「エピソード記述」を紹介しています。
- エピソード記述って何?
- 普通の記述と何が違うの?
- エピソード記述ってどうやって書くの?
という疑問を持っている方に役立つ内容になっています。
エピソード記述とは?
エピソード記述は、自分も含め、観察した事実をありのままに記述する方法のことのようです。
これは、量的研究でなされる「客観的な記述」とは異なり、その違いのニュアンスを「自分も含め」という部分に反映させています。
では、そのスタンスの違いを図にしてみたので、確認してみましょう。
まず、こちらが「量的研究的な観察」の在り方です。
自分(観察者)は、代替可能な存在として扱われるので、あくまで観察すべきは、相手(対象)のみです。
一方で、エピソード記述をする際に求められる観察は以下の通りです。
エピソード記述をする際に求められる観察は、自分(観察者)も含めて相手を観察する態度であり、そのためには、そのことを俯瞰する「メタな自分」をおいて、観察をする必要があります。言い換えるなら、「観察してる自分も含め、相手を観察する」ということです。
そして、このような観察スタンスからなされるのがエピソード記述ということになります。
エピソード記述は、その場に関与している者が同時に観察し、しかも観察していることを記述するというように、関与主体と観察主体と記述主体が微妙に重なり合う複雑な性格をもっています。微妙に重なり合うという微妙な言い方をしましたが、観察主体としての私は、関与主体としての私を含めて「私が関与しつつあることを観察する」という構図の中に巻き込まれています。ところが記述主体もまた、「観察主体が観察していることを記述する」という構図の中に巻き込まれています。
(引用:エピソード記述入門より)
※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら
エピソード記述のまとめ
そして、具体的にエピソード記述をする際に必要な要件は以下の通りです。
- 背景の提示
- エピソードの本体の提示
- メタ観察の提示
エピソード記述はこのような3段構えの構成になっており、それがもっともオーソドックスなやり方のようです。
いずれの段取りになるかはともかく、背景の明示と、メタ観察の定時は、一つのエピソード記述にとっては欠かすことのできない要件で、これがないエピソード記述は、少なくとも私の考えるエピソード記述の方法論に従ったものではありません。
(引用:エピソード記述入門より)
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