こんにちは。
この記事は、↓このような疑問をお持ちの方むけです(^^ゞ
- 原因帰属バイアスって?
- 原因帰属バイアスの具体例が知りたい
結論
原因帰属バイアスとは、できごとの原因を、ある人や物、あるいは事のせいにしがちな傾向のことをいいます。
平たくいえば、「考える時の偏り」ですね。
とはいえ、この結論だけでは分からない人も多いと思うので、もう少しかみ砕いて考えてみます。
言葉を2つにわけてみる
そこで、「原因帰属バイアス」という用語を、「原因帰属」と「バイアス」という言葉に分解して考えてみます。
まず、「原因帰属」については、以下です。
「原因を推測し、それを何かのせいにすることを、社会心理学では原因帰属と呼んでいる」
(引用:いちばんはじめによむ心理学の本 社会心理学 社会で生きる人のいとなみを探るp184【2 原因を何かのせいにする:原因帰属の理論】1-2行目より)
一方、バイアスとは、
バイアスとは、先入観や偏見、人の思考や行動に偏りが生じる要因という意味である
(引用:weblioより)
とあります。
③具体例
それでは、原因帰属バイアスについて、もう少しだけ具体的に説明したいと思いますが、そのためには、もう少し、「原因帰属」ということについて話を整理しておきたいと思います。
では、「原因帰属」というのはどの様な意味をだったでしょうか?
それは、「何かのせいにすること」でしたね?
では、一体「何」のせいにするのでしょうか?
Hider による代表的な見解によれば、「内的」と「外的」な要因の2つがあります。
- 内的要因・・・個人の能力や努力、性格や気分、態度など
- 外的要因・・・状況や運、対処の難しさなど
帰属は 3 つの次元で分類可能と考えられている側面がある(吉田・松井・宮本,2009)。まず一つ目の次元が原因の位置(locus of causality)である。これは行為の原因が,気分,態度,性格などの個人の内的要因に置かれるのか,もしくは,その場の状況や運などの個人の外的要因に置かれるのかという次元である。例えば,交通事故が起きたというニュースを聞いた時,運転手の怠慢であると考えるなら内的帰属であり,あそこは事故が起きやすい場所だといったように考えるなら外的要因を重視したと言える
(引用:過去のネガティブな体験に対する帰属様式が現在の自己受容ならびに他者受容に及ぼす影響,p71,2-7行目)
これを可視化するとこんな感じということになりますね。
つまり、「原因帰属=何かのせいにすること」であり、「何のせいにすることか?」と問われれば、「テストの点数が悪かったのは、自分の努力不足のせいにすること」もあるでしょうし、「テストが難しすぎたせい」ということもあるでしょう。
この場合、前者なら、内的な原因帰属だし、後者なら「外的原因帰属」というわけです。
以上が「原因帰属」の説明です。
以上を踏まえ、原因帰属バイアスの定義を見直してみる
ここで「原因帰属バイアス」の定義に立ち戻りましょう。
原因帰属バイアスとは「できごとを何かのせいにする時の、考え方のクセ」ということでした。
ですので、先ほどのテストの例でいうと、学校のテストを思い浮かべてみてください。
あなたは、そのテストで100点中50点だったとします。
そのときあなたは
「半分しかとれなかったのは、自分の頑張りがたりなかったせいだ・・・」
と考えるかもしれません。
しかしながら、テストというのは、平均点によってその意味がかわってきますよね?
仮に、先生から
「今日のテストの平均は、30点でした」
と言われたら、どうとらえるでしょうか?
先ほどとは、意味が変わってきます。
なぜなら、今日のテストはそもそも「とても難しいテスト」だったと考えることができます。
このように、「外的要因」を考慮せずに、
「自分の頑張りがたりなかったせいだ」
と内的要因に原因帰属してしまうような偏りのことを「原因帰属バイアス」というわけですね。
今ご紹介したバイアスは、内的要因への原因帰属バイアスということになります。
もちろん、外的要因への原因帰属バイアスもあります。
原因帰属バイアスに関連する用語
それでは、原因帰属バイアスの種類について紹介したいと思います。
- 基本的な帰属のエラー
- 対応バイアス
- 行為者ー観察者バイアス
- セルフサービングバイアス
本当はもっとありますけど、とりあえずこの記事でご紹介する用語はこの4つです!!
その概念間の位置づけを図にしたのがこれらです。
コメント