この記事では、
質的研究と量的研究を
質的研究とは何か?
主に観察法や面接法を用いて、記述的なデータを収集し、言語的・概念的な分析を行う研究法のことです。入手したデータを数量化することはせず、仮説生成を目的としておこなわれることも多く、例えば、事例研究やフィールドワークなどはこの質的研究に該当すると言えます。
質的研究をもっと詳しく知りたい方は↓↓こちら
質的研究の長所と短所
質的研究の長所は、容易に数値化することのできない多様な現象を明らかにすることができる点にあります。一方、質的研究の短所は、研究者の主観が入りやすいことと、少数事例を扱って仮説生成をするために、結果の普遍性に疑問が残る点が挙げられます。
量的研究とは
一方で、量的研究とは、主に実験法や調査法を用いて数量的なデータを収集し、統計手法を用いて変数間の関係を明らかにする研究法のことです。仮説検証を目的として行われることが多く、アナログ研究や効果研究なんかがこの量的研究に該当すると言えます。
量的研究の長所と短所
量的研究の長所は、統計的な分析に基づいて、客観的な解釈が可能であることが挙げられます。一方、量的研究の短所は、少数事例に対する研究ができないことや、数量化することが困難な変数は研究対象から無視される傾向があります。ちなみに、質的研究と量的研究の関係を図にすると以下の通りです。
上記図解の訂正
質的研究と事例研究は、別物です。そもそも質的研究と事例研究はその趣旨が異なるからです。
質的研究→主に仮説生成を目的とする。
事例研究→1事例における仮説検証を目的とする。
「事例研究」の目的としては、次の3つの水準が想定されうる。第一の水準は、「化学の知」の方法論による検討であって、より普遍的な「事実」を発見し、検証していく方向性を持つ水準である。
(引用:臨床心理学研究法特論 p114より)
それぞれの研究の欠点を補う方法~混合研究~
それぞれの欠点を補うためには、質的研究と量的研究を組み合わせて実験を行う必要があります。
具体的には、質的研究を用いて、個別の事例の詳細を調べ、仮説を生成し、その仮説を量的研究で、数量的・客観的に検討することが重要です。
この様に、それぞれの研究法には、一長一短あり、当然限界があります。
そこで、より質の高い分析および考察をするために、両者のアプローチを用いる研究法に、「混合研究法」なるものがあります。
これは、「質的研究と量的研究を一緒にやればいいんでしょ」などという単純なものではどうやらないので、興味のある方は、別のエントリーを用意したので、そちらを辿ってください。
コメント