ストループ効果とは?~わかりやすく、具体例を踏まえて~

基礎心理学

クリタマです(^ω^)

この記事は

「ストループ効果って、なに?( ゚Д゚)」

という疑問に答える記事になっています。

結論~ストループ効果とは~

突然ですが・・・

「↓の文字が何色で書かれているか答えてください」

「あか」

「あお」

「みどり」

はい、いかがでしたでしょうか?

なんなく答えられたのではないでしょうか?

その調子でも1問いきます。

はい、どうぞ。

「↓↓の文字が何色で書かれているか答えてください」

「あか」

「あお」

みどり

はい

いかがでしたでしょうか?

1回目に比べて、2回目の方が、答えるのは難しかったのではないでしょうか?

それこそが「ストループ効果」です。

 ストループ課題では、実験参加者はインクの色(ここでは、あか)を答えようとしている。つまり、インクの色に注意を向けているにもかかわらず、注意を向けるべきではない属性である文字(ここでは、みどりが、意図に反して処理されてしまい、ついつい「あか」と答えるのが遅くなったり、あるいは、間違って「みどり」と答えてしまったりする、色と文字とのあいだで干渉が起きるのである

引用:マジックにだまされるのはなぜか「注意」の認知心理学より

※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら

つまり「文字と色の属性が不一致」の場合に、「文字の色」を答えようとする反応時間が遅くなることを「ストループ効果」というわけですね。

逆ストループ課題

先ほどのような「ストループ効果」を起こすような課題のことを「ストループ課題」と呼びますが、これに対し、「逆ストループ課題」というものがあります。

それが↓こちら。

「↓↓が何と書かれているか答えてください」

「あか」

「あお」

「みどり」

これが「逆ストループ課題」です。

何が違うかわかりましたよね?(笑)

そうです。

「逆ストループ課題」では、「文字」を読むというのが課題なわけです。

  • ストループ課題→色を答える
  • 逆ストループ課題→文字を答える

そして、逆ストループ課題の場合、「文字と色が一致している場合」と「文字と色が不一致の場合」において、反応時間に差がないというのがこれまでの研究から示されているようです。

ストループ効果が起きることについての3つの説

「ストループ効果」や「サイモン効果」、そして「エリクセン効果」のような効果を、「属性間干渉効果」といいますが、そういった現象が起きる理由として以下の説が唱えられています。

  1. 知覚符号化説
  2. 意味符号化説
  3. 反応競合説

この3つです。

そして、これらを理解する上で、私たち人間が物事に取り組む際のプロセスを理解する必要があります。

属性干渉効果を説明するための3つの段階

「属性間干渉効果」を論じる上で、人間にはその処理過程として3つの段階があると仮定されます。

それは、①入力段階→③出力段階があり、その間に②中間的な処理過程段階が存在するという流れです。

そして、先ほど述べた3つの説は、この3つの段階に対応しています。

  1. 知覚符号化説→入力の問題で属性干渉が生じていると考える
  2. 意味符号化説→中間の問題で、属性干渉が生じていると考える
  3. 反応競合説→出力の問題で、属性干渉効果が生じていると考える

それでは、これらの説について1つずつみていきたいと思います。

知覚符号化説とは?

それでは、まず知覚符号化説についての説明です。

これは、「入力段階」つまり、「入口」における問題であると考えられます。

※↑こちらのスライドをダウンロードしたい方はこちら

これはHock & Egeth(1970)によるもので、干渉は分析の初期の段階で起こるとする。この説によれば、色命名課題を行う際、単語のインクの色より、単語の意味の方がより注意をひきつける。結果的にインクの色の分析に必要な注意が減少し、反応までに時間を要する。

(引用:色名単語の表記がストループ干渉へ及ぼす影響より)

※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら

しかし、 この説は、「あか」という文字が「赤色」で書かれている際には、反応が早くなる、つまり促進されていることをうまく説明できないという批判があります。

意味符号化説とは?

第二に、意味符号化説です。

これは、反応時間に遅れが生じるのは、中間段階にあると唱える説ですね。

※↑こちらのスライドをダウンロードしたい方はこちら

ストループ刺激は、単語によって生じる書記素的(orthographic)コードと、色によって生じる絵画コードの2つの知覚的コードを生じさせると述べた。それぞれのコードは、意味記憶の

中の概念コードにアクセスし、特定の意味次元で、“オーバーラップ”する。ストループ刺激の場合、単語刺激も色刺激も“色”という意味次元でオーバーラップするのである。

そして干渉は、ただ1つの反応を選択する際に、無関連な概念コードを分離するのに必要な余分の処理時間によって起こる。概念コードのオーバーラップの程度が大きければ大きいほど、不適切な反応を分離するのに時間がかる。

(引用:色名単語の表記がストループ干渉へ及ぼす影響)

※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら

しかし、この説では、色と文字が不一致の場合に、文字を読む分には反応が遅くならないにも関わらず、なぜ色の命名に対しては反応が遅れるかについて説明ができないという点で批判されています。

反応競合説とは?

第三に、反応競合説です。

これは、「出力段階」つまり、反応の遅れは「出口」の問題だと考える説です。

※↑こちらのスライドをダウンロードしたい方はこちら

”反応競合(response competition)仮説”である。この説は、干渉が反応を出力する段階で起こると主張する。(horse race model)の隠喩を用いて、ストループ効果を2つの反応の競争であるとみなした(石王,1998)。この説によれば、反応が出力される出力バッファーまでインクの色と色名単語は並列処理される。だが、色名単語に関する単語の命名は色命名反応よりも処理が速いので、先に出力バッファーに入ってしまう。出力バッファーは1度に1つの反応しか入れないため、課題であるインクの色についての反応を出力するためには、先にバッファーに入っている色名単語に関する反応を処理しなければならない。従って、反応時間が長くなるのである。

(引用:色名単語の表記がストループ干渉へ及ぼす影響)

※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら

反応競合説が支持されている根拠

冒頭で伝えた通り、3つの説の中で最も支持されているのが、反応競合説なわけですが、その根拠として次のような実験があります。

「以下の文字の色を答えてください」

「あか」

「あお」

「みどり」

これは、先ほどと同じですよね?

これを「通常単語条件」と呼びます。

ここからが今までとは違います。

「以下の文字の色を答えてください」

「どりみ」

「かあ」

「おあ」

いかがでしたでしょうか?

これは、文字の並びを逆にしています。

そのため、「反対単語条件」と呼びます。

このような課題をだして、その文字の色を答える際の反応時間を測定したところ、

「属性干渉効果」が減少したのだそうです!!

色命名課題において競合反応説のいう、単語についての音韻反応が色命名の反応より速くバッファーに先に入り干渉を、処理生じさせると仮定されるのならば、その音韻反応を色命名の反応よりも遅くすれば、単語読み反応よりも先にバッファーにと加えられた音韻反応をクリアーしてから色についての反応をする必要がなくなるので、干渉は生じないと考えた。

(引用:色名単語の表記がストループ干渉へ及ぼす影響)

※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら

これを先ほど「反応競合説」に基づいてイラストにすると以下のようになります。

まとめ

それでは最後に、本記事の内容をまとめておわかれです。

  • ストループ効果とは、文字と色が不一致の際に、色を読もうとすると、文字を読む場合に比べて反応が遅くなることをいう
  • ストループ効果が起きるメカニズムについては、①知覚符号化説・②意味符号化説・③反応競合説の3つが唱えられている
  • その中でも「反応競合説」が最も有力な説と考えられている

ということですね~

それではまた(^^ゞ

参考文献

①色名単語の表記がストループ干渉へ及ぼす影響

②マジックにだまされるのはなぜか 「注意」の認知心理学

引用文献

①色名単語の表記がストループ干渉へ及ぼす影響

※引用の具体的なページ番号などが知りたい方はこちら

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